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1jigendaddyjigendaddy   ( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです

第36章 VS今北、再び

4 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 21:52:43.38 id:NK84SB470
第36章 VS今北、再び

ブーン達にとって二度目の新人戦が幕を開けた。
VIP高校は県予選1回戦の対戦相手の海馬コーポレーション高校を大差で破った。
なぜあんなチームが県大会に上がって来ることが出来たのかは全くの謎だが、
ショボン曰く「八百長してたらしいよ」だそうだ。

そして同日の別会場では今北の新戦力であるクーがその見た目とともに強烈な
インパクトを伴うデビューを果たした。ラウンジ学園も順当に駒を進め、大会は
当初の予想通りのチームが勝ちあがってきていた。
VIP高校はその後も全ての試合において快勝し、本日今北との準決勝を迎えようとしていた。
インターハイ予選の決勝リーグ最終戦で惜敗したあの時の雪辱を果たそうと、VIP高校の
メンバーたちはリベンジに燃えていた。

6 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 21:54:29.70 id:NK84SB470
――ざわざわざわざわ……

( ・∀・)「ふー…今日も寒いね…。スポーツセンターの中は暖かくて助かるよ」
( ><)「今日は厚着してきたから寒くないんです!!セーターを2枚も重ね着してダウンも
      着てきたんです!!」
( ・∀・)「いや…施設内は暖かいからそんなに着てこなくてもいいじゃないか…」
( ;><)「暑いんです!!汗かいてきちゃったんです!!」
( ・∀・)「あーはいはい」

( ・∀・)「(VIP高校…ウィンターカップ予選の時は何のトラブルがあったのかはわからないけど
    もう大丈夫みたいだね…。今北にとんでもない選手が加わったと聞いたけど…とにかく
    今日のVIP高校VS今北…楽しみだよ)」
( ;;;><)「暑いんです!!」
(# ・∀・)「だから脱げっての!!」

8 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 21:56:00.63 id:NK84SB470
('A`)「っしゃ、アップ始めっぞー!!VIP高ぉーーーーーーーっファイッ!!!」
一同「オォォォッォォォォォオォォォっ!!!!」

VIP高校と今北はほぼ同時にアップを開始する。その時イヨウがある異変に気付いた。

(=゚ω゚)ノ「……クー!?」

今北のアップに参加している、髪の長い少年。背中に制服姿の某SOS団団長がでかでかと
プリントされているTシャツを身につけ、某SOS団団長とお揃いの黄色いカチューシャを
身につけた人物はまさしくクーだった。

(=゚ω゚)ノ「あれ?マネージャーが練習に…?」

その時、イヨウはあの日、あの広場を歩き去っていくクーに対して抱いた
モヤモヤ感の正体に気付いた。あの時のイヨウは重大な見落としをしていたのだ。
そう、今北が男子校であるという事実を。

(=゚ω゚)ノ「クーは男クーは男クーは男クーは男……」

(=;ω;)ノ「NOooooooぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!!」

Σ('A`;)「ど…どうしたイヨウ!?」
(=;ω;)ノ「何でもないヨウ!!何でもないんだヨウー!!!」

その日、アップの最後を締めるシューティングでイヨウのシュート率は100%だったという。

9 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 21:58:44.73 id:NK84SB470
―VIP高校ベンチ―

(´・ω・`)「さぁ、新人戦の本番はここからだよ。これまでの試合は準備運動に過ぎない」
( ^ω^)「なんか強豪校の監督みたいですおwww」
('A`)「さては何か漫画に影響されましたね??wwww」
(´・ω・`)「いや、何となくこういう風に言って見たかっただけさ」
( ´∀`)「けどそういうこと言う監督って結構かませ犬フラグが…」
( ゚∀゚)「言いすぎだよwwショボン先生泣きそうじゃねぇかwww」
(´;ω;`)「…まぁそういうことさ。戦法は基本的に前回と変わりはない。そしてギコだけど…」
('A`)「俺にやらせてください。今度は…今度こそは…!!」
(´・ω・`)「もちろんそのつもりさ。期待してるよ、ドクオ君」
('A`*)「はい!!」
( ^ω^)「ギコは任せたお、ドクオ!!僕はガンガン走るからいいパス頼むおw」
('A`)「おぉよ、任せとけ!!」


10 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:00:16.75 id:NK84SB470
―今北産業大学附属今北高校ベンチ―

(■_■)「さて…まぁさくさくと準決勝まで進んできたわけだが」
( ,,゚Д゚)「準決でVIP高校、決勝でラウンジ…楽しい組み合わせですよゴルァ」
川 ゚ -゚)「(イヨウ君……)」
<ヽ`∀´>「今日もクーは途中出場ですかニダ?余裕を出しすぎてるとさすがに…」
(■_■)「クーの実力は認めている。だがまだ新チームになって間もないからな…他の者にも
    チャンスを与えるつもりでいる」
川 ゚ -゚)「なんて立派なんだ、あなたは」
(■_■)「クー…」
川 ゚ -゚)「田守氏…」

川 ゚ -゚)        (■_■)

  (((川 ゚ -゚)   (■_■))))

 んっ…  川 ゚ 3ε■) んー…

んっ…んっ…川 3ε■)  はぁっ…はぁっ…


12 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:02:20.42 id:NK84SB470
(;,,゚Д゚)「だーーっ!!!ウェイトウェイトウェーイトっ!!」
<ヽ`∀´>「BLもなかなかいいニダ…ショタが汚らわしいオヤジに犯されるなんて想像するだけで
      射精ものだニダwww」
川 ゚ -゚)「私はショタか……」
(■_■#)「汚らわしいオヤジ、ねぇ…」
<;ヽ`∀´>「はうっ…」
(■_■)「ニダーは今日試合が終わったら筋トレだ」
<;ヽ`∀´>「一気に萎えたニダ……」


緊迫感に欠ける今北ベンチ。だが以前のようなピリピリした近寄り難いふいんきは
もはやなくなっていた。今は純粋にバスケットそのものを楽しんでいるような、
そんな感じが漂っている。挑戦者の再来を喜ぶかのように。

審判「今北産業大学附属今北高校対VIP高校の試合を行います!!両校のスターティングメンバーは
   コート中央へ!!」

(´・ω・`)「さぁ、行っておいで。今日こそ今北を痛い目にあわせてやろう」

(■_■)「最初から全力で行って来い。やつらを以前と同じ相手だと思うな」

13 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:04:08.72 id:NK84SB470
試合開始を告げるブザーが鳴り響き、審判の召集を受けた両チームのスターティングメンバー達は
コート中央へと集まってくる。その威圧感はまさに県上位校特有のそれだった。

審判「試合中のコールは今北を白、VIP高を緑とします!!互いに礼!!」

       
「「お願いします!!」」

14 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:05:40.54 id:NK84SB470
VIP高校

④ドクオ     170cm55kg PG
⑤内藤ホライゾン 175cm58kg SF
⑥イヨウ     166cm54kg SG
⑦モナー     193cm94kg C
⑧ジョルジュ長岡 181cm82kg PF


今北産業大学附属今北高校

④ギコ      177cm66kg PG
⑤名無し           SG
⑥ニダー     189cm79kg C
⑦名無し SF
⑨名無し PF

16 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:07:17.57 id:NK84SB470
両チームのジャンパーがセンターサークルへと入り、ジャンプのための体勢を整える。
VIP高のジャンパーは最早お馴染みのジョルジュ。対する今北のジャンパーはニダー。
前回は一言二言、罵り合った二人だったが今回はどちらも口を開かず、審判の手によって
ボールが投げ上げられるのを集中して待っている。

(=゚ω゚)ノ「(あいつは…クーはベンチなのかヨウ…うはwwwハルヒコス似合ってるwwww)」

審判がボールをふわりと投げ上げる。VIP高にとっては大きな戦いとなる試合が、今始まった。

(;゚∀゚)「(うおっ…タイミングミスったか!?)」
<ヽ`∀´>「ちぃっ!!」

始めのジャンプボールは両者ともにほぼ互角。
身長差というハンデを背負うジョルジュだったが、前回今北と戦ったときには
楽々とジャンプボールを制していたはず。それが今回はほぼ互角。
ジョルジュのジャンプのタイミングがズレたのか、はたまたニダーの身体能力が
向上したのか…今はまだわからない。
ほぼ同じタイミングで、相対する2方向から力を加えられたボールはその力を相殺され、力なく
そのまま真上へと舞い上がる。

18 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:08:33.09 id:NK84SB470
( ゚∀゚)「おっしゃぁ!!もいっちょ!!」

空中のボールへの反応はジョルジュが早かった。
一回目のジャンプの着地が終わるや否や、膝を柔らかく曲げ、再び空中へのボールへ向かって
跳び上がり、もう一度ボールをはたく。

( ^ω^)「オーライだおっ!!」

ブーンが舞い上がったボールに飛びついてしっかりと獲得する。
だが、ブーンが着地した地点はハーフライン上。ボールをキャッチした瞬間にマークマンから
激しくプレッシャーをかけられ、思わず重心をバックコートへ戻してしまう。
その瞬間に審判の笛が鳴り響く。

審判「バックパス!!白ボール!!」

( ^ω^)「すまんこ」
VIP高一同「おkおkwww」


20 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:09:38.49 id:NK84SB470
――ウオォォォォォォォっ!!!!ラッキーラッキーラッキー今北ヒュゥゥゥゥ!!!

( ,,゚Д゚)「おーしゃ!!相手のミスから!!最初の一本大事だぞゴルァ!!」
('A`)「おーおーおー、いいキャプテンだな全く」
( ,,゚Д゚)「言ってろゴルァ!!」
今北⑦「ギコっ!!」

コート外の今北⑦からパスを受けるギコ。そのギコのディフェンスにはドクオがついた。

( ,,゚Д゚)「おいおい、お前でいいのかゴルァ?w」
('A`)「さぁー、どうなんだろうな」

キープドリブルをしながらコート全体を見渡すギコ。しかしそれが偽りである事は明らかだった。
今北のプレースタイルはギコのドライブから始まり、カバーリングによって生まれた穴をついて
ギコがパスを出す、というパターンが常套だったからだ。
ギコ中心となる新チーム。そのスタイルは変わるどころかますます強い傾向を示すだろう。
そしてドクオの予想は見事に的中する。

21 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:10:34.54 id:NK84SB470
( ,,゚Д゚)「ゴルァ!!」

自らの恵まれた体格を活かしたギコのドライブ。ドクオはあえて正面に入ることをせず、
ギコに併走する事を選択した。

正面に入っても二人の間の体格差故に楽々と止めることは出来ない。
それならば一定方向へオフェンスを向かわせるディレクションを行って
味方のカバーを待ち、ダブルチームのトラップにかける……

( ,,゚Д゚)「(…ってとこか。甘いんだよゴル…)」

そのとき、ドクオの腕が器用にギコのドリブルを妨害した。
ギコによって前へ突き出されようとしていたボールはドクオの手にあたった事によって
その進路を妨げられ、進行方向への力を失い、その方向を下へと変える。
そしてその先には今まさにドライブのステップを踏み出さんとするギコの膝。
ボールはそのままギコの膝にぶつかり、あらぬ方向へ跳ねていった。
それと同時に審判の笛が吹き鳴らされる。

審判「キックボール!!緑ボール!!」

( ,,゚Д゚)「っ…野郎……」
('A`)「真っ向勝負だけじゃないってことだよ」
( ^ω^)「ドクオ!サンキューだお!!」
('A`)「おうさ!一本行こうぜ!!」

22 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:12:48.59 id:NK84SB470
VIP高校ボールから始まるオフェンス。
いつも通り、ドクオがトップ付近でボールをキープして素早くパスを回しながら
パスランやスクリーンプレーを積極的に狙う。しかし今北の新チームは
フットワークの基礎を一からみっちり鍛え直してきたようで、以前のようにほいほいとは
攻め込む事が出来ない。

('A`)「(ちっ……けど弱点がインサイドっつーのは変わってないはず。どうにかしてポストに
    パスを入れられたら……)」

だがドクオのマッチアップはあのギコだ。ドクオ自ら切り込もうにもそれは堅い守りに阻まれる。

( ,,゚Д゚)「ゴルァゴルァあ!!」
('A`)「やっろ…」

攻撃を自分の場所で始めてばかりだからこうもギコは守りやすいのだろう。
それは以前学んだことのはず――

('A`)「(同じ過ちを繰り返すのは愚か者のすることだ!!)」

('A`)「ブーン!!」

ドクオから右45度付近のブーンへショートパス。その直後にドクオは
細かいフェイクを数個入れてパスランを行ってギコをかわす。ブーンは
パスランしてきたドクオにショートパスでリターンパスを出す。

24 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:16:24.67 id:NK84SB470
やはりと新チーム、言ったところか。表面上の組織だったディフェンスは体得できていても
こういった瞬間的な反応が必要とされる場面での意思の疎通がまだまばらである。
ドクオはそんな今北の隙をつくようにそのままノーマークでハイポスト付近からジャンプシュートを
狙う。

('A`)「(チャンス!!)」
<#ヽ`∀´>「WRYYYYYYYYYYYY!!!!!!!!」

しかし放たれたシュートがリングに届く事は無かった。ドクオのジャンプシュートに対して
ニダーのブロックショットが決まり、ボールは力なく舞い上がる。
ドクオがシュートを放つ前にはニダーは確かに逆サイドのポストにいたはずだった。

('A`)「(くっそ、読まれてたか…このチョン上手くなりやがったな…ってまずい!!)」
<ヽ`∀´>「ギコっ!!!」

ルーズボールはそのままニダーが処理に成功。速攻の先陣を切るギコに向けてニダーから
ロングパスが送られる。


25 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:18:09.34 id:NK84SB470
('A`;)「(やべぇっ!!走らせちまった……!!)」
( ,,゚Д゚)「(このまま先取点……ってうおっ!!)」

――バチッ

「パスカットだ!!」
「よく追いつけたなーあいつ……」

(=゚ω゚)ノ「まだだヨウ!!もう一本だヨウ!!」

小さな体で精一杯走って、精一杯ボールへ腕を伸ばして、ボールに飛びついて
今北の速攻による先制点のチャンスを潰したのはイヨウだ。そのままギコの
マークから解放されているドクオに向けてパスを出す。……が、

今北⑤「っし!!とったぞ!!」
(=゚ω゚)ノ「くっそ…」
('A`)「マジかい…」

イヨウからドクオへのパスは今北⑤がインターセプト。
ノーマークとなっていたドクオへ今北⑤がカバーに入っていたのだ。

( ゚∀゚)「ボーッとすんな!!ディフェンスだぜ!!」
( ´∀`)「速攻は潰したモナ!!」
( ^ω^)「ボールおkだお!!」

27 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:24:12.71 id:NK84SB470
「すげぇ守り合い……」
「まだわかんねぇだろ。パスミス連発してるだけかもしんねぇじゃんか」
「お前何観てるんだ、タイミングもコースもスピードも文句無しじゃねぇか…
ディフェンスの反応がはえぇんだよ」

その後の数分間、試合は両チームが互いにターンオーバーを繰り返す守り合いの展開に。
攻撃の芽は全て摘み取られ、スコアは未だに両チーム無得点の均衡を保つ。

( ,,゚Д゚)「(くっそ…いい加減イライラしてくるじゃねぇかゴルァ…)」
('A`)「(あぁーくそー…ボールはとれるのに何で決められないんだ…!!)」
(=゚ω゚)ノ「(こいつらのディフェンスがかなり強くなってるヨウ…)」
<ヽ`∀´>「(ポストにボールが来る前に攻守が切り替わって暇ニダ…)」
( ^ω^)「(僕がちゃんと走って速攻を決めてないからダメなのかお…?
     もっと走り回らなくちゃならんお)」

現在は今北ボール。ギコがスリーポイントラインの2,3m後方でドクオからボールを守っている。


30 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:31:28.50 id:NK84SB470
( ,,゚Д゚)「(クソがっ…なんで抜けねぇんだゴルァ!?)」
('A`)「(そうやすやすと行かすと思うなよ!?)」
( ゚∀゚)「ナイスディフェンスだドクオ!!そのままパス出させんな!!」
( ´∀`)「ドリブル止まったら全員ディナイ忘れちゃダメモナよ!!」


( ;;;><)「す…すごいんです……」
( ・∀・)「前回よりも今北を抑え込んでる…!!随分と成長したね、VIP高のメンバーは…」

( ;・∀・)「…って君まだそんなモコモコ状態だったのかい…」

( ,,゚Д゚)「…ッ!!くそっ、しゃらくせぇんだよっ!!」

ドクオのディフェンスを振り切らぬままギコは強引にワンドリブルからスリーポイントラインの
やや内側でストップしてジャンプシュートを放とうとする。

('A`)「……っっ!!!」

ギコのシュートにくらいついて必死に腕の伸ばすドクオ。その指先はわずかではあるが
ボールに触れ、シュートの軌道を変える。


31 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:35:41.29 id:NK84SB470
('A`)「落ちるぞっ!!リバウンド!!」

( ゚∀゚) ´∀`)「 把 握 し た !!!」

ギコのシュートが放たれた瞬間インサイド陣はスクリーンアウトを行って
リバウンドポジションを確保。二人のポジション取りの上手さに、今北のインサイド陣が
付け入る隙はなかった。

<;ヽ`∀´>「(んにゃろっ……)」
今北⑨「(やっぱりこいつらのリバウンドは本物だ…強いっ!!)」

ギコのシュートは外れる。しかしボールがリングの奥に当たったためジョルジュやモナーが
スクリーンアウトを行った地点よりもはるか遠くに飛んでいく。

('A`)「大きいぞっ!!ブーン!!」
( ^ω^)「おっ!!」

ボールの落下地点はブーンのそば。ブーンは小さなフェイクを一つ入れてマークマンの
裏をとり、ボールの落下地点へと向かう。


32 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:38:06.13 id:NK84SB470
( ^ω^)「とったお!!」
(=゚ω゚)ノ「ブーン!!こっちだヨウ!!」

すかさず前線を走るイヨウへパスを出し自らも走り出すブーン。
スタートが一歩遅れたブーンのマークマンの今北⑦は二人の速攻に完全に出遅れる。
フロントコートでブーン、イヨウと今北⑤の2対1。今北⑤もついていくのが
やっとと言った様子。ゆえにイヨウからブーンへのショートパスにもいちいち全力で
反応しなければいけない。しかし今北⑤の手はボールへ触れることはなく、ブーンは
キャッチしたボールをイヨウに即、リターンする。今北⑤は慌ててイヨウのマークに戻る。
が、イヨウはその瞬間にその場でレッグスルードリブルを連発して今北⑤を揺さぶる。
バランスを崩した今北⑤は尻餅をつきそうになるのを必死にこらえるが、その頃には
イヨウは既にスリーポイントライン上からシュートを放っていた。



35 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/17(日) 22:40:14.05 id:NK84SB470
今北⑤「うげっ……」
( ,,゚Д゚)「(このタイミングで…!?)」
(´・ω・`)「(この展開の中で先制点を取れれば確かに大きい!だがもし外せば…)」
(■_■)「(均衡を破る数少ないきっかけを潰すことになり、逆に自らの首を締めるハメになる…)」

( ^ω^)「……イヨウは決めるお」

パシュッ

(;,,゚Д゚)「……やっぱ6番かゴルァ…」

(=゚ω゚)ノ「いよーーーっし!!!」
( ^ω^)「ナイッシュだお!!」

イヨウの得点によりとうとう試合が動いた。VIP高にとってはすっかりお馴染みとなった
得点パターンだったが、それでもこの緊迫した展開の中では大きなきっかけを作り出す
こととなった。VIP高はこのプレーで流れを掴み、なおも気合の入ったディフェンスを続ける。
それに比例するように徐々にオフェンスでの動きも良くなり、今北を翻弄。
インサイド・アウトサイドでバランスよく得点を重ね、速攻も成功させ、第1クォーターは
VIP高が主導権を握り、17-12と5点リードで第2クォーターを迎えることとなった。

第36章 完

( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです
返信2007/10/29 16:29:46

2jigendaddyjigendaddy   第37章 very cool

4 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:01:55.91 id:ChpjGIAF0
第37章 very cool

ブーン達にとって二度目の新人戦大会。
絆をより強固にした彼らは順調に勝ち星をあげてトーナメントを勝ち上がっていく。
彼らが準決勝で立ち向かうこととなったのは今北産業大学附属今北高校。
もう何ヶ月前のことになるのだろうか、彼らはあの敗北を決して忘れないだろう。
そしてその過去を振り払うかのようにVIP高校は全国区の今北相手に第1クォーターが
終了した時点で17-12と5点のリードを奪い、クォーターブレイクへと入っていた。


5 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:06:43.39 id:ChpjGIAF0
―VIP高校ベンチ―

(´・ω・`)「よしよし、よく守ったよ、みんな。オフェンスも今は流れがいい。
      この流れが途切れる前に出来る限り点差を開けたい所だ」
('A`)「1発目のイヨウのスリーがでかいっすね、やっぱ」
( ´∀`)「ああいう守りあいの展開だとスリー一本が絶大な威力を誇るモナね」
( ゚∀゚)「ただ相手もディフェンスがかなりハードだな。少しでも気を抜くと持ってかれそうだ」
ξ゚⊿゚)ξ「見ててもやっててもわかることだろうけど向こうのディフェンスが厳しくなった以上に
     こっちのディフェンスも進歩してるわ。スコアを見ればわかるでしょ?」
(*゚ー゚)「このまま油断せずに頑張ろ!!もう負けなんてヤだからさ!!」
( ^ω^)「この展開だとシュート一本一本が大事だお。気合入れていこうだお!!」


7 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:08:12.51 id:ChpjGIAF0
―今北産業大学附属今北高校ベンチ―

<ヽ`∀´>「くっそー、リバウンドがとれないニダ…」

(■_■)「無理なシュートが多いな。向こうのディフェンスが前回よりも厳しくなっているにも
    拘らず……な。VIP高のインサイドはうちよりも強力だ。リバウンド勝負は不利になる。
    だから確実なタイミングでシュートに行く事が要求されるのだが…今のままだと
    厳しいかもしれんな」
( ,,゚Д゚)「前回とはまるで違う…。気は抜けないなゴルァ…」
(■_■)「さて……クー、行ってみるか?」
( ,,゚Д゚)「…それしかないでしょうねゴルァ」
<ヽ`∀´>「あいつらはまだクーのこと知らないはずニダwww」
川 ゚ -゚)「黙れエラ張り」
<ヽ`∀´>「なんだとアニヲタ!!」
( ,,゚Д゚)「それは俺のことか?ニダー」
<;ヽ`∀´>「え、あ、ちょ……」
川 ゚ -゚)「みんな仲良くしようじゃないか」


9 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:10:46.72 id:ChpjGIAF0
ブザーの音が鳴り響き、第2クォーターの開始が告げられる。
オフィシャルは更に今北の選手交替を告げる。

オフィシャル「メンバーチェンジ、白!!5番アウトで10番インです!!」

コートに足を踏み入れる、明らかにバスケットボールの試合とはかけ離れたふいんきのクー。
もはや一張羅と化しているのであろう、例のTシャツと例の黄色いカチューシャ。

川 ゚ -゚)


(=゚ω゚)ノ「(クー……!!!!)」
('A`)「5番と替わったってことは…ポジションは2番か…?イヨウ、とりあえずこのままあいつに
   ついてくれ。まずは様子を見る」
(=゚ω゚)ノ「わかったヨウ」
( ^ω^)「うはwwwwwwwwテラモエスwwww僕もハルヒ大好きだおwwwwww」
ξ#゚⊿゚)ξ「死んでろキモヲタ!!!!」
(;^ω^)「………」

(=゚ω゚)ノ←キモヲタ2号

11 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:12:57.22 id:ChpjGIAF0
静かにコート内へ歩いてくるクー。第2クォーターは今北ボールから。
ボールがコート内に入れられるまでのわずかな間に二人はわずかな会話を交わした。

(=゚ω゚)ノ「まさかプレーヤーだったとはヨウ…!!」
川 ゚ -゚)「何か誤解していたのか?…それにしても残念だ」
(=゚ω゚)ノ「何がだヨウ?」
川 ゚ -゚)「君とだけは…ここで対峙したくなかった」
(=゚ω゚)ノ「どういう意味だヨウ?」
川 ゚ -゚)「試合中だけは…手加減ができんのでな。先に謝っておこう。すまない」
(=゚ω゚)ノ「あんまなめてっと……!!」

('A`)「イヨウ、始まるぞ!!集中してこうぜ!!」
(=゚ω゚)ノ「…把握した!!」

今北⑦がコート外からギコにボールを入れ、今北ボールで試合が再開される。
その瞬間にクーは素早くイヨウを振り切ってインサイドへと侵入する。

(;=゚ω゚)ノ「げっ……」
川 ゚ -゚)「ギコ、くれ!!」
( ,,゚Д゚)「っしゃ、行け、クー!!」

ドクオの頭上をギコのパスが通過する。突然の出来事にドクオの反応は遅れ、
パスを通してしまう。スリーポイントラインとハイポストの中ほどの位置で
ボールを受けたクーは一瞬の躊躇もなくドリブルを開始してペイントエリア内へと
突き進む。

12 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:14:55.55 id:ChpjGIAF0
( ゚∀゚)「(速い…けど、カバーは何とか間に合うはずだ!!)」

( ゚∀゚)「モナー!!リカバー任せたぞ!!」
( ´∀`)「把握したモナ!!」

ジョルジュがクーのカバーに、モナーはそのリカバーへと入る。身長差、体格差ともに
圧倒的に優位に立つであろうジョルジュがカバーに向かってきたにも拘らず、クーは
ドリブルを止めない。

( ゚∀゚)「(その身長で一人で突っ込んでくる気かよ!?上等だ!!)」
川 ゚ -゚)「……っ!!」

ジョルジュがクーの前に立ちふさがる。クーは一瞬ドリブルを中止し、それにつられて
停止したジョルジュを嘲笑うかのように再度ドライブを試み、ジョルジュを抜き去る。

(;゚∀゚)「んなっ……!!」
(;´∀`)「だ…大丈夫!!間に合うモナ!!」

自らのマークマンとジョルジュのマークマンの中間地点にポジションを取っていたモナーが
慌ててフォローに入るも、モナーの体はゴールへの進路を半身妨げるに終わる。
クーはそのままレイアップの構えで跳び上がる。モナーもそれに合わせてシュートコースを
防ぐために両手を上げる。


13 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:18:58.66 id:ChpjGIAF0
(;´∀`)「(…まだうたない!?パスモナか!?)」
川 ゚ -゚)「エラ張り!!」

ドライブのスピード、角度から、相手の行動はシュートだと判断したモナーだったが、
その予想は次の瞬間に裏切られる事となった。モナーが両手を上げて跳び上がった
ために生まれた空間へクーは体を回転させながらビハインドパスを送る。
その先にはハイポストからノーマークでゴールへ走りこんでくるニダーがいた。

<ヽ`∀´>「その呼び方は人権侵害ニダ!!」

そのままニダーはノーマークのゴール下でジャンプシュートを沈める。
スコアは17-14。VIP校3点リード。

(=゚ω゚)ノ「わ…悪いヨウ!!」
( ゚∀゚)「ドンマイだ!!モナーも気にするな!!取り返せばいいんだ!!」
( ´∀`)「も…モナっ!!」
('A`)「よし、一本行くぞ!!」

今北のディフェンスはハーフコートのマンツーマン。この程度の点差ならば
いつもはプレスをかけて一気に逆転を狙いに来るはずであるのだが、今回の今北には
それがない。


15 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:20:52.41 id:ChpjGIAF0
(;=゚ω゚)ノ「っ……!!」

初めてラウンジ学園と試合をした時と同じ状況がイヨウを襲っていた。
そう、池上に徹底的に貼り付かれてボールをもらう事すらままならなかったあの状況。

('A`)「(んなっ…こいつもディフェンシブプレイヤーかよ!?)」

だが池上はディフェンスに全力を注いでいた分オフェンスにはほとんどど参加していなかった。
あの激しいディフェンスゆえにオフェンスに参加できなかった(させてもらえなかった)から
なのだろうが。試合はまだ第2クォーターの序盤。先刻のドライブを見る限り、クーは
オフェンスにおいてもチームの軸であろうことを想像するのは容易な事だった。

(=゚ω゚)ノ「(確かにきっついディフェンスだけどヨウ…!!池上ほどじゃねぇヨウ!!)」

イヨウはクーを腕で押さえつけるようにしながら大きく動いてクーを振りきりドクオからの
パスを受け取る。

(=゚ω゚)ノ「(どうだこのやろ…ってうわっ!?)」

イヨウがボールを持った瞬間にさらに激しくなるクーのディフェンス。
その激しい動きとは対照的に終始涼しげな顔でプレーを続けているのが特徴的だ。

(;´・ω・)「(あえてボールをとらせて油断させ、ボールを持った瞬間に激しいプレスを…?)」


17 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:22:52.24 id:ChpjGIAF0
(;^ω^)「イヨウ!!ボール止めちゃいかんお!!パス回すお!!!」
(;=゚ω゚)ノ「(したいけど…できねぇんだヨウ……!!)」


ばちっ――

(;=゚ω゚)ノ「(やべぇっ!!)」

「とった!!」
「すげぇなあの10番!!」
「いいぞー!!ハルヒー!!」

('A`;)「くそっ…戻れ!!ディフェンスだ!!」

イヨウからボールを奪ったクーはドリブルでワンマン速攻へ向かう。
VIP高校のメンバーはそれを止めるべく、クーを必死に追いかける。だが…

('A`)「(速ぇ……)」
(;´・ω・)「(ドリブルをしているにも拘らず…なんてスピードなんだ…!!)」

クーはイヨウからボールを奪った地点からわずか3回のドリブルでゴール下へ。
そのままレイアップに向かおうとする。


18 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:25:09.92 id:ChpjGIAF0
⊂二二二( ^ω^)二二⊃「行かせんおーっ!!」

( ・∀・)「5番!!」
( ><)「やっぱり彼はめちゃくちゃ足が速いんです!!!」
川 ゚ -゚)「(ほう)」

今北の選手すら置き去りにしてしまうほどのクーのスピードにブーンが食らいつく。
だがそれでも二人の距離は大きく離れている。そのままシュートに行けば楽々と
速攻を決める事が出来たにも拘らず、クーはわざとスピードを緩めてブーンに追いつかせる。

( ^ω^)「(お……?)」
( ,,゚Д゚)「(クー、何を……)」
('A`)「ブーン、止めてやれ!!お前が余裕こいてて勝てるようなやつじゃないって思い知らせてやれ!!」

クーが跳ぶ。ブーンもそれにあわせて跳ぶ。その瞬間、ブーンはほんの少し違和感を覚えた。

( ^ω^)「(レイアップにしては踏み切り位置が少し遠い……?)」

ブーンがそれに気付いた頃には、クーは空中で体を一回転させてブーンをかわし、レイアップを沈めていた。


19 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:28:47.01 id:ChpjGIAF0
(´・ω・`)「………!!」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
(*゚ー゚)「………」

('A`;)「な……」
(;゚∀゚)「なんだよ今のは…?」
(;´∀`)「空中で一回転したモナよ…?」
(;=゚ω゚)ノ「あの野郎……」

( ^ω^)「………」
(;^ω^)「(僕は今何をされたんだお…?)」

( ,,゚Д゚)「イカすぞ、クー!!」
川 ゚ -゚)「文字だけ見ると何だかいやらしいな」

(■_■)「ふふっ…なんて性格の悪い奴なんだ、あいつは……」

クーがブーンにわざと追いつかせた理由。それは自らの持つ絶対的な実力を、互いの力を
純粋に示す1対1という状況であえて見せ付けることだった。
得点源のイヨウを完全に抑え込み、チーム1の俊足を誇るブーンに追いつかれながらも楽々と
シュートを決めて見せたことで、クーの実力をVIP高校メンバーの心に刻み付けた。
それと同時に…莫大な不安も。


20 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:35:05.81 id:ChpjGIAF0
今のクーのプレーはVIP高校のメンバーの脳裏に強烈に焼き付けられた。
精神的な不安からか、彼らのプレーは少しずつではあるが精彩を欠いてゆく。全員の意識が
クーにばかり向けられているが故に、自らのマークマンに対するディフェンスが少しずつ
甘くなっていってしまうのだ。それに気付いたショボンはすぐさまタイムアウトをとって
試合を中断、まず各々のディフェンスに集中するべきである旨を伝える。しかしそうなると
イヨウのディフェンスだけではクーを止める事は出来ず、普段と同じタイミングでカバーに出ても
それはクーのスピードとテクニックの前には意味を成さなかった。

今北はクーを中心としたオフェンスですぐさまスコアを逆転させ、さらに得点を伸ばす。
対するVIP高校はイヨウからの3点をほぼ見込めない状況となり、インサイドからの得点に
頼らざるを得なくなる。いつもなら相手の意識がVIP高校のインサイドに向き始めた頃に
イヨウが虚をついてアウトサイドからスリーポイントを決めるのだが、クーのディフェンスの前に
イヨウは完全に沈黙。度重なるインサイド攻めは、前回よりもパワーアップした今北のインサイド陣相手では
次第にターンオーバーの要因となっていった。


('A`;)「(まずいな…このままじゃ…)」

22 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:40:35.40 id:ChpjGIAF0
現在のスコアは

VIP高校 21-33 今北産大附今北

となり、今北が大きくリードを奪う。そしてさらに続く今北のオフェンス。

( ,,゚Д゚)「ニダー、中入りすぎだ!!もうちょい動き回れゴルァ!!」
<ヽ`∀´>「把握ニダ!!」

ボールをしっかりとキープしながらもコート全体を見渡し、見方に的確な指示を送るギコ。
冷静沈着な様はまさに全国レベルのそれであった。

( ,,゚Д゚)「クー!!」

ギコからスリーポイントラインの外側にミートしてきたクーへパスが出る。

('A`)「(くそっ…またあいつか…!!)」

ギコからクーへパスが渡るほんのわずかな時間であったが、ドクオはクーがこちらへドライブを
してくるような予感に駆られた。

川 ゚ -゚)「ふっ!!」
(=゚ω゚)ノ「くっ…くそっ、カバー!!(止められねぇヨウ…)」

('A`)「(来たっ!!)」

23 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:42:01.56 id:ChpjGIAF0
ドクオの予想は的中した。クーはイヨウを抜き去り、ドクオがいるサイドへ向かってドライブしてきた。
ドクオはクーを止めるためにカバーに入ろうとする。が、いざ相対するとその異常なスピードに
驚く。クーはドクオさえも容易に抜いたのだが、ドクオはまるでそれに熱くなりすぎて自分を
見失ったかのように対抗するようにクーを追う。その瞬間だった。クーが肩越しに後ろへパスを出した。
その直後、ドクオは自らの犯した致命的なミスを自覚した。ギコを完全なノーマークにしてクーを
深追いしていたというミスを。

( ,,゚Д゚)「しゃぁ!!」

パスはドンピシャでギコの手中に。そのまま彼はためらうことなくスリーポイントを放つ。
そのシュートは一度リングの内側に当たりながらもネットを揺らす。これで点差は15となってしまった。

('A`)「しまった……!!」

そしてその後、VIP高校に悪夢が再来する。

パシュッ――

「今北の4番の連続スリーだ――――」
「すげぇ!!ノってきたぞあいつ!!」

('A`;)「………!!」
(;^ω^)「…………」
(;´・ω・)「まずい………」

( ・∀・)「ギコ……!!」
( ><)「すごいんです!!」

川 ゚ -゚)「いかすな、ギコ。今日試合が終わったらみくるのステッカーをやろう」
(*,,゚Д゚)「……おう」

24 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2006/12/23(土) 22:44:34.00 id:ChpjGIAF0
前回対戦した時よりもはるかに強力なチームとなった今北。
クーの鉄壁のディフェンスに加え、クーを中心とした新たなオフェンスシステム。
ギコ・クーの二枚看板に加えて全体的に得点力のアップした今北はVIP高校のメンバー達に
絶対的な力を見せ付けながら前半を終了。27-49と、大きなビハインドを背負って第3クォーターを
迎える事となった。

第37章 完


( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです
返信2007/10/29 16:35:03

3jigendaddyjigendaddy   第38章 最後まで

9 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:09:47.55 id:eByVD3SA0
第38章 最後まで

―VIP高校ベンチ―

(#=゚ω゚)ノ「くそっ!!!!」

ハーフタイムに入り、ベンチに戻ってきたメンバー達。イヨウはスクイズボトルの
ドリンクを一気に飲み干し、空になったボトルを強く握り潰す。


すぽっ!


ボトルのフタの締まりが緩んでいたようで、イヨウがボトルを握りしめたことにより
ボトル内の気圧が変化し、それに耐えきれなくなったフタは綺麗な回転を描きながら
ボトルからすっ飛んでいく。フタから少し突き出た飲み口はブーンのアナルに見事に
突き刺さる。


10 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:13:33.31 id:eByVD3SA0
(*^ω^)「あふん」
('A`;)「ちょwwwwww」
(;=゚ω゚)ノ「あ…わりぃヨウ」
( ^ω^)「これは…新境地だお」
( ゚∀゚)「まぁまぁ、おふざけはその辺にしとこうや。どーすんだよ、あの10番の
     ハルヒっ子は…」
(;´∀`)「あんなすごいのがいたなんて聞いてないモナよ…」
(=゚ω゚)ノ「………」
(´・ω・`)「うん、それが問題なんだ。あの10番…、素直クールをどうにかしない限り、
      まず僕たちに逆転の目はない」
('A`)「そのいつもの口調…!さては何か対策が!?」
( ^ω^)「さすがショボン先生だお!」
(´・ω・`)「ぶっちゃけると具体案はないんだ。すまない」

             
            ヽ(^ω^ )/      ヽ('A`)/   
            \(.\ ノ  ズコー  \(.\ ノ

11 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:15:54.41 id:eByVD3SA0
クーのもつ超人的なスピード、ドリブル力、さらにブーンたちのカバーをものともしない
突破力にシュート力。池上並のディフェンスに加えてアシスト。
果てはギコとの連携まで、クーというプレーヤーには非の打ち所がない。
必死に対策を考えるショボンですらまともな策が思い浮かんでいないようだった。
メンバーに声をかけられても無言でしか返事を出来ないショボンの様子が
それをメンバー達に悟らせた。ショボンは呪った。
ブーンたちが必死にあがいているにも拘らず、まともな対抗策を思いつかない自分の無力を。
肝心な場面ではいつもそうだった。チームが絶対的な危機に陥ってもそれを打開する策を
編み出せない。結局はメンバーの能力に任せきりな漠然とした指示を出す事しか出来て
いなかった。

これまではそれでもなんとかなっていた。VIP高校のメンバーにはもともとの地力と
それにつり合うような厳しい練習を積んできていたから、そんな漠然とした指示でも
彼ら自身の持つ能力で幾度と無く不利な局面をひっくり返してきた。
だが、今は以前のような県下位レベルの戦いではない。
ほんのわずかな判断ミスが試合の行方を決定付けてしまうような、県上位レベル、
否、全国レベルの世界なのだ。

12 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:17:22.42 id:eByVD3SA0
(´・ω・`)「(この子達はこんなにも頑張っているのに……!!)」


歯痒かった。どうして自分はいつもいつもこんなに大事な場面で力になってやることが
できないのだろう、と。こんな無力な自分に、夢を語る資格などあるのだろうか、と。
ショボンの沈黙とともに重苦しいムードがベンチを覆う。

その時だった。

13 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:19:31.67 id:eByVD3SA0
(=゚ω゚)ノ「…まだだ」
(´・ω・`)「………」
(=゚ω゚)ノ「まだだヨウ!!」
('A`)「イヨウ……」
(=゚ω゚)ノ「終了のブザーはまだ鳴ってねぇヨウ!!それに今はまだハーフタイムだろヨウ!?
     なんでウジウジしてんだヨウ!!」
( ´∀`)「イヨウ君……」
(=゚ω゚)ノ「22点のビハインドがなんだヨウ!?俺たちは勝ってるときしか元気でいれないのかヨウ?
     違うヨウ!?そうじゃないヨウ!?」
( ^ω^)「イヨウ……」
(=゚ω゚)ノ「確かに俺はクー相手に何も出来てない!!点も取れてない!!けど、ここで腐ってちゃ何も
     変わらない!!そうだろう!?」
( ゚∀゚)「………」
(=゚ω゚)ノ「俺は負けたくない!諦めたくない!!最後の1秒まで…勝ちを狙いたいヨウ!!」


イヨウの叫び。心からの叫び。一度チームを離れた彼は、もう絶対に諦めない、と自らに誓った。
その叫びがブーンたちやショボンに突き刺さる。

14 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:21:49.24 id:eByVD3SA0
(=゚ω゚)ノ「俺はこのチームに迷惑をかけてきたヨウ。きっと…今でも。だから…だから!!」
( ^ω^)「そうだお。その通りだお」
(=゚ω゚)ノ「…ブーン…」
( ^ω^)「みんな、思い出してほしいお。初めての公式戦でニー速と対戦したときのこと」


VIP高校の公式戦初デビューとなった県内公立高校大会。その2回戦で彼らは怪物、八頭身の
チーム、ニー速工業と対戦した。あの時は最後の最後で後一歩及ばなかったが、大きな
ビハインドをひっくり返そうとしていた。ニー速工業との時だけではない。
インターハイ予選でのラウンジ学園との再戦のときも、初めて今北と対戦した時も…。
彼らは幾度と無くピンチをチャンスに変えてきた。
そしてその全てにおいてあと一歩の所まで追い詰めた。

そのどれもが…諦めなかったからだ。

どんな逆境に置かれようとも、どれだけ苦しい状況に追い込まれようと、決して
諦めなかったからこその結果なのだ。VIP高校のメンバーはそれを再認識し始めていた。


15 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:22:48.18 id:eByVD3SA0
('A`)「…そうだよな、イヨウの言うとおりだ。まだ2クォーターある。22点ならまだ返せない
   点差じゃない」
( ゚∀゚)「諦めたらそこで試合終了だよ」
ξ゚⊿゚)ξ「安西先生、乙」
( ^ω^)「けどその通りだお。試合を諦めたりしてたら僕たちにはコートに立つ資格はないお」
( ´∀`)「最後まで絶対に諦めないモナ!!頑張ろうモナ!!」
(*゚ー゚)「そうだよ!まだ終わってない。みんな、ハーフタイム終わるまでまだ時間あるから
    ボール出すよ!シューティングシューティング!!」
一同「よっしゃぁ―――――!!」
(-__-)「みんな、僕たちも行こう!!」
(・▽・)「俺たち全員で戦ってるんだ!一年だけボーっとしてるわけには行かない!!」
一年その他「そ…そうだな!!シューティングだ―!」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、あんたらリバウンドしといて」
一年一同「ちょwwwww」

16 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:25:30.34 id:eByVD3SA0
(´・ω・`)「(そうだ…そうじゃないか。僕たちは絶対に…諦めない!!)」
(`・ω・´)「一回だけシャキーン」




(´・ω・`)「…ふぅ」




(´・ω・`)「何見てんだよ」

17 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:26:59.67 id:eByVD3SA0
ビ――――――――――ッ!!!

ハーフタイム終了を告げるブザーが鳴り響き、両チームのメンバーが戦場へと舞い戻る。
両チームとも、出場メンバーは前半終了時と変わりはない。第3クォーターはVIP高校ボール。
ゲームを再開するために審判からボールを受け取ったイヨウがハーフラインへと向かう。

川 ゚ -゚)「諦めないのか?」
(=゚ω゚)ノ「なんでだヨウ?」
川 ゚ -゚)「前半で22点差だから。加えて君は現時点まで何も出来ていない」
(=゚ω゚)ノ「…それがどうかしたか?」
川;゚ -゚)「……!」

その瞬間、クーの背筋を冷たいものが走った。その原因は、イヨウの闘気。この絶対的に
不利な状況でも諦めないイヨウの精神力。クーのであったことのない感情だった。


19 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:29:50.25 id:eByVD3SA0
川 ゚ -゚)「…そうか。ならば容赦はしまい。最後まで…徹底的にやってやるさ」
(=゚ω゚)ノ「じょーとーだヨウ!!俺はこの試合…どんな結果になろうと、どんなにカッコ悪かろうと
     …最後まで走り続けてやるヨウ!!」


…自分らしく。


川 ゚ -゚)「…いい度胸だな」
(=゚ω゚)ノ「言ってろヨウ!!20分後には泣かせてやるヨウ!!」
川 ゚ -゚)「…時にイヨウ君」
(=゚ω゚)ノ「…なんだヨウ、あんま盛り下げんなヨウ」
川 ゚ -゚)「君は…裏切られた事があるかい?」
(=゚ω゚)ノ「…は?」
川 ゚ -゚)「いや…なんでもない。戦いの最中に発するべき言葉ではなかったな。忘れてくれ」
(=゚ω゚)ノ「裏切った事ならある」
川 ゚ -゚)「…ほう」
(=゚ω゚)ノ「けどそれは全部自分の都合なんだ。冷静になったら…自分がいかに愚かだったのかわかる。
     裏切った側はきっと…裏切られた側よりも重い枷を背負わなきゃならないと俺は思うヨウ」
川 ゚ -゚)「…そうか。それが聞けただけでも聞いてみた甲斐があったというものだ」
(=゚ω゚)ノ「……?」
川 ゚ -゚)「(奴も……そうなのだろうか?)」

22 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:31:12.68 id:eByVD3SA0
('A`#)「しまって行くぞコラァーーーーー!!」
VIP高校一同「野球部乙」
('A`)「……ウツダシノウ」
( ^ω^)「ちょwwwマジでやりかねんからやめろおwwww」

審判「あの…始めていいかな?」
( ゚∀゚)「ドーゾドーゾドーゾ」

( ,,゚Д゚)「全力でかかって来いやゴルァ!!」
('A`)「そのつもりだ!!!」
<ヽ`∀´>「うちは最強ニダ!!負けないニダよ!!」
( ´∀`)「息臭ぇモナ」
<ヽ`∀´>「じ…人権侵g…」
( ゚∀゚)「黙れやチョン。ミサイルぶっぱなすぞ」
<ヽ`∀´>「せ…宣戦布告ニダ!!国連呼んでやるニダ!!」
(#゚∀゚)「あぁそうだ、これは俺たちからお前らへの宣戦布告だ。覚悟しとけ!」
<#ヽ`∀´>「んなっ……」 


24 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:32:26.21 id:eByVD3SA0
(=゚ω゚)ノ「ドクオ、いくヨウ!!」
('A`)「よっしゃあ!!」

ボールがコート内へ入れられ、試合が再開された。


27 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:34:26.11 id:eByVD3SA0
( ><)「……」
( ・∀・)「……」


天気は晴天。冷えた風が吹く中、わかんないですとモララーの記者コンビは遊歩道を並んで歩いていた。

( ・∀・)「まだまだ寒いね…春が早く来ないかな」
( ><)「この前の経験を教訓に、今日はポロシャツなんです!!」
( ・∀・)「いや、ありえないから」
( ><)「寒いんです!!」
( ・∀・)「当たり前」
( ><)「気温の変化にも対応できるようにちゃんと重ね着してきたのに何で寒いんですか!!
      わかんないんです!!」
( ・∀・)「そりゃポロシャツ二枚重ねじゃ何も変わらないさ」
( ><)「へぷちん!!」←くしゃみ
( ・∀・)「はぁー…なんで男二人でこんな所を歩かなきゃならないんだ…」
( ><)「仕事の合間に休憩は必要なんです!!」

28 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:35:55.43 id:eByVD3SA0
( ・∀・)「まぁそうなんだけどね…あー、女性社員と歩いていたかったな。しかもここ
    カップル御用達の場所じゃないか。周りのカップルが憎い憎い」
( ><)「嫉妬カコワルイんです!!」
( ・∀・)「前から思ってたんだけど一回死ぬ?」
( ><)「わかんないんです!!」
( ・∀・)「あーまじうぜぇ」


この二人は今、編集室での作業の合間の気晴らしに散歩に来ていた。
遊歩道は静かで、自然と無言になる二人。そんな状態に我慢できなくなったのか、わかんないですが
口を開く。

29 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:37:23.85 id:eByVD3SA0
( ><)「この前の新人戦の決勝、すごかったんです!!」
( ・∀・)「ん?あぁ、今北VSラウンジね…王座奪還、ってとこかな、今北も」
( ><)「あの10番、初のスターティング出場だったけど序盤から圧倒的だったんです!!」
( ・∀・)「ラウンジはフサギコも池上も抜けた状態で挑んでいたからね…。いや、その二人がいても
    結果は揺るがなかっただろうね」
( ><)「VIP高校も点差は開いちゃったけど頑張ってたんです!!」
( ・∀・)「最後の最後まで諦めていなかったね、彼らは。いい勉強になったんじゃないかな」
( ><)「次のインターハイ予選が楽しみなんです!!」
( ・∀・)「…そうだね。現段階では今北はかなり高みにいる。あと数ヶ月でどこまで強くなれるか…」
( ><)「けど僕は今北に50円賭けるんです!!」
( ・∀・)「お、それじゃあ僕は…」

31 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:39:13.67 id:eByVD3SA0
「VIP高校に…5万円」
「モララーさんギャンブラーなんです!!」
「ふふふ…僕はハルウララに単勝で20万賭けたこともあるからね」
「バカなんです!!僕はディープの単勝に5000円賭ける派なんです!!」
「保守的だね、君は…ギャンブルには向いてない」
「わかんないんです!!」
「ふふ、いずれわかる時が来るさ。周囲の人間とかけ離れたベットをして彼らを出し抜いた時の
 快感がさ」
「そうなんですか?」
「そうさ。…おっとそろそろ休憩おしまい。仕事に戻ろうか」
「実は僕もそう思っていたとなんです!!めっちゃ寒いんです!!」
「あーうぜぇ」

第38章 完

第2部 THE ENDオオォォォ!!!

33 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/01/06(土) 22:40:57.73 id:eByVD3SA0
第2部これにて完結です。
作者の都合で投下ペースがぐちゃぐちゃになってしまって申し訳ないです。
サイドストーリー、第3部は落ち着き次第始めたいと思います。
これからも変わらぬご支援をどうぞ宜しくお願いします。

というわけで…あけましておめでとうございまーす!!(ジャガー風に)

( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです
返信2007/10/29 16:40:20

4jigendaddyjigendaddy   第三部

2 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/04(日) 23:55:21.66 id:fPYfn9kg0



第三部


第一章「ニュー速県立VIP高校」




5 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/04(日) 23:57:02.81 id:fPYfn9kg0

(;><)「はわわ、もうとっくに始まっちゃってるんです!!」


走行中のタクシーの後部座席で、数秒おきに腕時計に目を落としながら慌てる、若い青年。


( ・∀・)「誰のせいだい、誰の…」


君が寝坊するからじゃないか、とタクシーの助手席に乗った男性がぼやく。


从'ー'从「そうですよぉ~。ビロードさんが待ち合わせ時間に遅刻したからですよぉ~?」


後部座席の青年の隣に座る、これまた若い女性。



6 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/04(日) 23:58:41.00 id:fPYfn9kg0
( ><)「渡辺さんだって待ち合わせに30分も遅れてたんじゃないんですか!?」

(#・∀・)「君は待ち合わせに1時間も遅刻したけどね」

(;><)「うっ……」

从'ー'从「えへへぇ~、ビロードさん怒られてるぅ~」

(#・∀・)「君もだよ、渡辺。30分遅刻など、新入社員の自覚はあるのかい?」

从;'ー'从「うっ……」


渡辺と呼ばれた若い女性も、タクシーの助手席に座る上司風の男性に、待ち合わせへの遅刻を

咎められ、言葉を詰まらせる。


( ・∀・)「ビロード君、君もだ。いくら新入社員が入って部下ができたとはいえ、君はまだまだ
      新米なはずだろう」

(;><)「は…はいなんです……」


ビロードと呼ばれた若い青年も、部下以上に大幅な遅刻を上司風の男性から咎められ、しょぼくれる。


9 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:02:00.80 id:CkvnFcIO0

( ・∀・)「…と、お説教はここまでかな。到着だ」


タクシーが目的地に着いたらしく、とある場所の前で停車する。助手席に座っていた男性は手早く料金を支払う。



( ・∀・)「あ、領収証お願いできますか」

運転手「かしこまりました。お名前はいかがいたしましょうか」


( ・∀・)「『晴れ時々バスケットボール編集部』、で」



彼らは『晴れ時々バスケットボール』という、なんとも奇怪な名称の雑誌の編集・取材に携わっている。

この雑誌はその名の通り、バスケットボールをメインテーマとした雑誌で、その中でも高校バスケの特集が

他のバスケットボールの雑誌よりも高い人気を誇っている。その理由は、各県の地区大会の上位のリポートまで

されているという点にある。詳細で、それでいて読みやすく、臨場感に溢れたその記事は、さまざまな年齢層の

読者から幅広い支持を得ている。



12 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:03:20.62 id:CkvnFcIO0

そして…


( ・∀・)「さぁ、仕事の時間だ」

( ><)「わかんないんです!」

( ・∀・)「渡辺くん、このアホに裁きの鉄槌を」

从'ー'从「りょうかぁいでぇ~す、モララーさん」


――ドゴッ!


(;><)「グーは痛いんです!!!!!!!」

从'ー'从「天誅ですぅ~」


彼らはその高校バスケの取材を主として活動している記者たちである。


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日:2007/11/05(月) 00:06:23.43 id:CkvnFcIO0
( ・∀・)

落ち着いた風貌の、上司風の男性は、モララー。

( ><)

どこか幼さの残る青年の名はビロード。

从'ー'从

全体的にほんわかしていて、抜けた感じの女性は渡辺。

ちなみにこの渡辺という女性は、今春に入社したばかりの新入社員で、

「わかんないです!」を連呼するビロードと並んでモララーを困らせる部下二人組である。

それでも、なんだかんだと言いながらそれなりには仕事をこなせているので驚きだ。

さて、今日の彼らの目的はこの市民体育館で行われているニュー速県の高校バスケの県大会・決勝リーグの取材。

地区予選を通過し、県大会を勝ち進み、ベスト4まで勝ち残ったチームによる総当たり戦が、決勝リーグである。


16 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:07:35.76 id:CkvnFcIO0


( ・∀・)「決勝リーグの初日…。VIP高校対阿凡高校と、ラウンジ学園対今北高校…か」




今年は一体どうなることやら…。



モララーの呟きは、ビロード、渡辺のどちらの耳に届くこともなく、空へと消えていった。


25 名前:>>18訂正…w ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:12:08.87 id:CkvnFcIO0
会場内。大勢の観客に見守られ、決勝リーグの第1戦は行われていた。

ベンチ入りに及ばず、観客席から応援に徹する部員たち、既にトーナメント戦で破れたチームの選手や、バスケ部に所属する友人の応援。

さらには試合中のチームのバスケ部のために設立された応援団のメンバーたち…などである。

会場内へ入ったモララーたちの目は、そんな大勢の観客に囲まれる形で、観客席より1フロア下にあるコートで

行われている試合へと向けられた。


( ・∀・)「お…やってるやってる」


記者であることを証明する腕章をつけ、ビロード、渡辺とともに、他の観客よりも若干試合の観やすいプレス席へと

移動する。そして改めて、現在行われている試合を確認する。


( ・∀・)「ふむ」


            VIP高校 86-39 阿凡高校


試合は第3クォーター残り2分。既にVIP高校が47もの大きな点差をつけている。

21 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:10:06.91 id:CkvnFcIO0

( ・∀・)「…どれどれ…」


モララーは、シャープペンシルを手に持ったままコート上の選手たちへと目を見やった。



――ダムッ…


('A`)「一本!油断せずとろう!!」


VIP高校のポイントガード、④ドクオ。チームの司令塔であるこのポジションは、VIP高校のキャプテンである

この選手が務めている。中学時代に県で準優勝という成績を残したチームのキャプテンでもあった彼はこのVIP高校

というチームでも、その中心となってその実力を十二分に発揮している。




53 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:28:20.18 id:CkvnFcIO0
('A`)「……っ!モナーっ!」


――ビュッ!


( ´∀`)「モナっ!」


――ばしっ


( ´∀`)「シュートだ、とうっ!」


――バスッ


ローポストでディフェンスの一瞬の隙を突いて相手の裏を取り、ドクオから繰り出された矢のようなパスを

受け取り、そのまま無人のゴール下で楽々とシュートを沈めたのは、⑦モナー。

恵まれた体格をフルに活用し、ペイントエリアでのポストプレーやリバウンドなど、試合の軸となるプレーにおいて

一役買っている。


28 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:13:34.01 id:CkvnFcIO0
モナーがシュートを決めたことにより、攻守が交替する。VIP高校の対戦相手である阿凡高校の選手は、取り返しようのない

大きな点差をつけられたことに焦っているのか、それとももはや試合を放棄したのかはわからないが、強引で不安定な

ボール運びから、無理矢理にスリーポイントを放つ。


――ガツッ


当然のごとくそのシュートは外れ、リングに弾かれ空中に舞い上がる。


( ゚∀゚)「うおりゃあああぁぁぁ!!」


――ばしっ!


そのボールに、誰よりも早く、誰よりも高く飛びつき、リバウンドを成功させたのは⑧ジョルジュ長岡。


( ゚∀゚)「っしゃぁ!」


その風貌は、まさに筋骨隆々。漫画に出てきそうなほど肥大した筋肉を持つ彼の身体能力は、もはや超人並といっても

過言ではないかもしれない。180cmに満たない身長で、彼のジャンプによる最高到達点はリングを楽々と越えるからだ。


34 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:15:39.10 id:CkvnFcIO0

( ゚∀゚)「ドクオっ!」


――ビッ……ばしっ


リバウンドしたボールを、素早くドクオへ送り、VIP高校の速攻が始まる。そしてジョルジュ自身も、速攻が失敗したときのための

二次速攻に備え、走り出す。


('A`)「イヨウっ!」


――ビッ……ばしっ


(=゚ω゚)ノ「任せるヨウ!」


ドクオからパスを受けたのは速攻の先陣を駆ける⑥イヨウ。小柄な体躯の彼にとって、バスケットボールというスポーツで

結果を出すのは難しく見えてしまいがちだが、彼にいたっては全くそんなことはない。なぜなら――


35 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:17:10.04 id:CkvnFcIO0
――ダダダムッ、ダムッ


阿凡⑤「くそっ!」


ストリートバスケ仕込みのボールハンドリングスキルとクイックネスをフル活用し、自分より大きな相手をスピードと

テクニックで圧倒してしまうからだ。まるで彼の手にボールが吸い付いたかのように変幻自在にその方向を変える

そのドリブルに、対戦相手は、ついていくことすらできない。


――ダダムッ!


一際鋭くドリブルをし、ディフェンスを突破する。そのクイックネスにマッチアップの阿凡⑤はついていくことができず

その場でバランスを崩し、無様に尻餅をつく。


(=゚ω゚)ノ「イヨっと」


――パスッ

37 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:18:00.39 id:CkvnFcIO0
速攻からディフェンスをかわし、ノーマークの状態で楽々とレイアップシュートを沈めるイヨウ。

だが、彼の魅力はこの華麗なドリブルテクニック・突破力だけにとどまらない。アウトサイドからのシュートも

彼の得意技の一つである。不規則なドリブルでディフェンスを揺さぶり、隙のできたところでロングシュートを放ち、

そして沈める。

幾度となくチームを救った彼のスリーポイントは、VIP高校の得点源でもある。


そして――


――ばちっ!


('A`)「とった!!」


ドクオの激しいディフェンスにひるんだ阿凡高校のポイントガードは、思わずボールをファンブルする。

容赦なくそのルーズボールをむしり取り、再びVIP高校ボールとしたドクオは、攻撃権を得た瞬間に前方に

目をやり、プレーの展開を頭の中で瞬時に組み立てる。

39 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:20:09.51 id:CkvnFcIO0


――ここから('A`)


('A`)(今、フロントコートに一番近いのは俺…。ディフェンスはゴールと俺の間にいる…)

('A`)(こいつを抜いて速攻に行く分には全く問題はない。抜ける、けど……)

('A`)(そろそろ第三クォーターも終わり…。ラウンジと今北と戦うためには余力も残しておきたいな。1,2年のやつらも
    この試合を経験させてやりたいし…)

('A`)(…ま、そろそろとどめ刺すか)


――ここまで一瞬だぜ☆('A`)

42 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:22:11.92 id:CkvnFcIO0

('A`)「おらぁっ!走れ、ブーン!!」


そういってドクオは無人のフロントコートに若干山なりのパスを放る。


その時。



コート上に。






一陣の風が吹く。

44 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:22:52.03 id:CkvnFcIO0



          /⌒ヽ
   ⊂二二二( ^ω^)二⊃
        |    /       ブーン
         ( ヽノ
         ノ>ノ
     三  レレ






47 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:23:30.71 id:CkvnFcIO0
たった今ドクオの出した、滅茶苦茶なタイミングのパスに唯一反応できるのが、この男。

⑤内藤ホライゾン。通称ブーン。

尋常でない速度でコートを駆け(両手を広げて)、誰よりも早く無人のフロントコートへ到達し、ドクオのパスをキャッチ。

そしてそのままレイアップを沈めた。


('A`)「よっしゃ!」

( ^ω^)「おまwwwwあんな無茶苦茶なパス出すなおwwww」

('A`)「ブーンだからこそ取れる、って俺は信じてたんだぜ」

( ^ω^)「なんか俺たちwwwwwww」

('A`)「いい感じwwwwww」


その後もVIP高校は攻撃の手も守りの手も緩めることなく、容赦なく点差を広げていく。

49 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:25:00.26 id:CkvnFcIO0
――ビーーーーーッ!!


審判「第3クォーター終了!2分間の休憩に入ります!」


審判が第3クォーターの終了を告げる頃には、47だった点差は、60近くにまで広がっていた。



―VIP高校ベンチ―


(´・ω・`)「よーし。いいよみんな。集中力を切らすこともなかったし、いい試合展開だった」


彼はブーンたちがVIP高校に入学するのと同じ時期に、新人教師としてVIP高校に赴任してきて、

廃部寸前だったバスケ部を部員とともに復興させ、時に厳しく、時に優しく、彼らを部活でも、部活以外のことでも

成長させてきた。ksms好きだが、そこには彼自身の辛い過去が見え隠れしているが、ここでは割愛させてもらおう。



(´・ω・`)「さて…と」

51 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/05(月) 00:26:39.45 id:CkvnFcIO0
ショボンは、得点が表示されている電光掲示板と、ベンチに座る1,2年生を交互に見やる。


(´・ω・`)「第4クォーターは…君たちに任せようかな」


ベンチに座る控え選手たちに向けて、ショボンがそう言うと、小さく、わぁっと歓声が上がる。

県ベスト4以上という、大舞台での出場機会を与えられたことに対して喜ぶ者。その中でも一際目立っているのが…


<_プー゚)フ「いよーーっしゃあ!!!!ショボン先生!俺、マジで!!マ・ジ・で、出たいっす!!!」


妙にテンションの高い、背番号15をつけた選手であった。






第一章  おしまい


( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです
返信2007/11/05 17:49:06

5jigendaddyjigendaddy   第二章  「VIPの…」

7 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:10:16.45 id:yTRnI3bw0




第二章  「VIPの…」





8 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:11:42.08 id:yTRnI3bw0

インターハイ出場をかけた決勝リーグの初日。ブーンたちにとって最後の夏を賭けた戦いが始まった。

初戦の相手は阿凡高校。これまでに何度も勝利してきた相手ではあるが、VIP高校のメンバーはそれに

油断することなく容赦なく試合を進め、第3クォーターが終了した時点で既に試合の行方を決定させるほどの

点差をつけていた。

クォーターブレイクの最中にはショボンが第4クォーターは1,2年生をメインにして戦うことを提案。

ブーン、ドクオ、イヨウ、モナーはそれを快く承諾し、大舞台での試合を戦うチャンスを下級生へ与える。

…が。


( ゚∀゚)「俺フルタイム出てぇwwwwww」


ジョルジュがやたらと試合に出たがったために、ジョルジュのみが第4クォーターも出場することに。


9 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:12:56.57 id:yTRnI3bw0
そしてベンチからはヒッキー、トラオの実力派の2年生コンビと……。


<_プー゚)フ「いよーーーしゃぁ!!!ショボン先生!マ・ジ・で、ありがとうございまっす!!!」


背番号15を背負った、長身の選手。

あと、もう一人は数合わせの名無しさん。



( ・∀・)「第4クォーター開始と同時にメンバーチェンジ…か」

( ・∀・)「……ん?初めて見るプレーヤーがいるね」

( ><)「15番の選手なんですか?わかんないんです!」

( ・∀・)「うん、そうだ。ビロード君。そこのプログラムをとってくれ」

( ><)「わかったんです!」


ビロードから大会プログラムを受け取ったモララーは、ぱらぱらとページを捲り始める。

大会プログラムには、各高校の出場選手の氏名や身長・体重などのデータが載っているからだ。

「ニュー速県立VIP高校」と書かれたページを発見したモララーは、手の動きを止め、目当ての選手の情報を

探し出した。

10 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:14:32.48 id:yTRnI3bw0

( ・∀・)「⑮エクストプラズマン…?学年は…1。新入生のようだね」


その選手の身長は189cm、体重は70kg。


( ・∀・)(インサイドプレーヤーの充実を狙ったのかな?確かにVIP高校にはインサイドプレーヤの控えがいないから
      ファウルトラブルに陥ったときには重宝するだろうね)



…しかし。

モララーのこの予想は第4クォーターが開始した直後に外れることとなった。


11 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:15:40.28 id:yTRnI3bw0
<_プー゚)フ「ボールマークOKっすよ!」

(-_-)「任せたよ、エクスト!」

<_プー゚)フ「うぃっす!!」

(・▽・)「とりあえずエクストの好きなようにやってみるんだ!」

<_プー゚)フ「おいーっす!!」



( ・∀・)「あの15番が阿凡高校のPGのマッチアップに…!?」

<_プー゚)フ「っしゃあ!!ボールおk!!」



阿凡高校のPGは決して長身のプレーヤーではない。それゆえに低身長というハンデを補うべく、ドリブルキープや

ゲームメイクなどの分野で力を発揮することのできるようなプレーを心がけている。いつ、自分よりも身長の高い

プレーヤーとマッチアップしてもいいように、だ。ところが…。


13 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:17:46.36 id:yTRnI3bw0
――キュキュキュ、キュキュっ!!


( ・∀・)「……上手い…!」

( ><)「阿凡高校のポイントガードも下手ではないはずなんです!むしろ…県ベスト4に残っているんだから
      上手いはずなんです!」

从'ー'从「VIP高校、ラウンジ学園、今北高校…。この三校がニュー速県の中でも抜きん出ているからその影に
     霞んでしまいがちだけど…阿凡高校のレベルはビロードさんが言ったように、決して低くはないはずですよねぇ~?」

( ・∀・)「VIPの15番が、その上を行くプレーヤーだということか…。まだ一年生だろうに…彼は一体何者なんだ?」


モララーが色々と思案しながら呻っているうちに、VIP高校は阿凡高校からターンオーバーを奪い、攻撃権がVIP高校へと移行する。

ボールを持っているのは、⑨ヒッキー。昨年は控えのポイントガードとしてチームを陰ながら支えた二年生だ。


(-_-)「エクスト、頼んだよ」

<_プー゚)フ「はい!」


ヒッキーはエクストへショートパスを送り、フロントコートへと駆けていった。そして…

14 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:18:02.43 id:yTRnI3bw0



<_プー゚)フ「さぁっ!一本きっちりとりましょうか!!」


エクストがボール運びを開始した。





15 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:18:54.86 id:yTRnI3bw0
長身に似合わず、スピードもそこそこあり、ボールハンドリング技術にも長けている。身長と比例するかのように長い

その腕は、ボールを手にしたまままるで柳の枝がしなるかのように自在に動き、相手ディフェンスを翻弄する。

そして楽々とフロントコートまでボールを運び終えたエクストは、右45度付近でミートしてきたヒッキーへ素早くパスを

送り、自らはゴール下へと駆け出す。


( ・∀・)(パスラン…。タイミングといい走るコースといい絶妙だ。長身のガードプレーヤーなのか…?)


しかし、阿凡高校のディフェンスに阻まれ、パスランを試みたエクストにパスを入れることはできなかった。


( ・∀・)「…ん?」


あれは自分の見間違いだろうか。

トップ付近からパスランをしていたはずのエクストが、ペイントエリア付近でパスランを中断し、その場に

留まっている。いや、彼の目に異常がないのならば…モララーの目には、ポストアップをしているエクストの姿が

映っていた。


17 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:21:48.11 id:yTRnI3bw0
<_プー゚)フ「ヒッキーさん!お願いします!中に!中に(パスを)出してぇ!」

(-_-)「その言い方は誤解されるからやめろって言ってるじゃないか、もう!w」


――ビッ…ばしっ


<_プー゚)フ「ナイスパスっす!」


――ダムッ!


ペイントエリアでシールしていたエクストのマッチアップは、阿凡高校のポイントガード。恐らくは彼もモララーと同様に

エクストを長身のポイントガードだと判断し、エクストがインサイドへ切れ込むパスランを行ってもインサイドプレーヤーとの

スイッチを行わず、そのまま彼がエクストのディフェンスについたのだろう。

だが、エクストが行ったのは、相手に背中を向けてのパワードリブル。大きな体格差に成す術なく、阿凡高校のポイントガードは

あっさりとペイントエリアの中へと押し込まれてしまう。それに少しでも対抗しようと必死にエクストをペイントエリア外へ

押し返そうとする阿凡高校のポイントガードを、エクストはひらりと体を反転させ、かわす。


19 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:22:50.34 id:yTRnI3bw0
その身のこなしは…


( ・∀・)「速い!?」


ワンドリブルで無人のゴール下へ切り込んでゆくエクスト。そして、そうはさせまいとペイントエリアの逆サイドから

ヘルプに飛び出してくる。それゆえに逆サイドにポジションを取っていたジョルジュがノーマークとなる。


( ゚∀゚)(ノーマーク……これは間違いなくダンクフラグwwwww)

( ゚∀゚)「エクスト!!こtt……」


エクストはジョルジュのノーマークを見逃さず、フリーの逆サイドへと目線を向け、パスを出すために腕を伸ばす。

だが、ジョルジュのマッチアップ相手も、ヘルプに出てノーマークとなった箇所にパスを出されることは承知の上で

ヘルプに飛び出している。エクストの目線と手の動きからジョルジュへのパスを予測したジョルジュのマークマンは、

ジョルジュのマークに戻ろうと、重心をジョルジュ寄りにかける。その瞬間に、エクストは伸ばしかけていた腕を

急停止させ、ボールを逆の手に持ち替えて華麗にレイアップを沈めた。


(;゚∀゚)「んなぁっ!?」


20 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:23:41.93 id:yTRnI3bw0
( ;∀;)(ダンクフラグと思わせといてかませ犬フラグだったと。そういうことですか…)

( ;∀;)「だがいいプレーだ、エクスト!!」

<_;プー゚)フ「は…はぁ、どうもっす…」


( ・∀・)「…………」

从'ー'从「あの15番の子、上手いですねぇ~。相手のディフェンスは完璧にフェイクにひっかかかってましたよ~」

( ><)「そんなことないんですwwwwただのパスフェイクwwwっうぇwww」

( ・∀・)「結果的にはパスフェイク…かな」

( ><)「え?」

( ・∀・)「あの15番はおそらく…パスを出す直前までパスを出すつもりだったはずだ」

从'ー'从「だけどぉ、相手に読まれてることを瞬時に判断したからすぐに自分でのシュートを選択したってことですかぁ~?」

( ・∀・)「ああ。これだけの大舞台。そしてあれだけ早い動きの中でも冷静な判断を下すことができていた…。
      あの15番は本当に何者だ…?」

22 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:24:56.77 id:yTRnI3bw0


それにしても、とモララーは思った。
この新入社員、渡辺。抜けているようで、さまざまな事象を冷静に、的確に、そして客観的に捉えることができている。
まさに記者としてはうってつけの人材…。ならば、普段のこの天然っぷりは一体…?
この女こそ何者なんだ…と。そして、記者としてならばビロードより断然使えるのではないか、と。


( ><)(なんか寒気がしたんです)

从'ー'从「スイーツ(笑)」




23 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:27:11.72 id:yTRnI3bw0
さて、エクストのポイントにより攻守交替。阿凡高校の攻めとなる。

相変わらず阿凡高校のポイントガードには、エクストがディフェンスについている。


阿凡PG(くっそ…なんなんだよこいつ…!?一年じゃないのか?なんでこんなに上手いんだ…!?)


ねちっこいエクストのディフェンスに苦しみながらも、阿凡高校のポイントガードはなんとかポストへパスを送ることに

成功する。そして、ハイポストでパスを受けた瞬間にゴール下にパスを送り、ハイローの形を展開する。

ローポストのセンターのディフェンスに付いているのは⑩トラオ。阿凡高校のセンターはトラオよりも大柄で、体格も

いい。それゆえの慢心からか、阿凡高校のセンターは、ゴール下という絶好のポジションでボールを受けたにもかかわらず、

両手でパワードリブルをひとつ入れ、さらにトラオを中へと押し込む。


(;・▽・)(くっ……!なんだかんだでこいつら上手いっ…!)

阿凡C(へへっ…ここまで押し込めば絶対はずさねぇだろ…。目にもの見せてやる!!)



25 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:28:53.74 id:yTRnI3bw0
だが、その一動作が命取りとなった。


<_プー゚)フ「おらぁぁっ!!!」


――バコッ!!


阿凡C「え!?!?!?」


ハイローでボールがゴール下へと渡った瞬間に、エクストはゴール下へと向かって駆けていた。

本来ならば間に合うような距離でもなく、もしもエクストのマークマンにパスを捌かれていたら危ないところだったが、

エクストはそれを恐れず(むしろ考えていなかったのかもしれない)、ゴール下へと走る。そして、阿凡高校のセンターが

ゴール下でのワンドリブルという余計な動作を入れたことも功を奏し、エクストは亜凡高校のセンターがシュートを打つ直前に

ゴール下近辺へ到達。そして大きく跳躍し、まるでバレーボールのスパイクを打つかのように、腕を大きく振って思い切り

ボールをはたき飛ばした。

26 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:30:15.75 id:yTRnI3bw0
( ・∀・)「大胆…だね」

( ><)「無謀…と言えなくもないですか?」

( ・∀・)「局面を間違えればただの無謀な行為に過ぎないだろうね。だが、あそこまで完璧にブロックを狙い、そして
      成功させた…。あのワンプレーで、阿凡高校の選手たちはさっきよりもさらに精神的に苦しくなる」

从'ー'从「絶対に決まると思ったシュートをあそこまで思い切り弾き飛ばされたりしたらだいぶショックも大きいでしょうしねぇ~」

( ・∀・)「本能的に動いた…というと語弊があるかもしれないけど、数多くこなした試合の経験測から、あそこは多少無謀でも
      ブロックにいったと考えるのが妥当かな」


エクストの弾いたボールはコート外に出て、アウトオブバウンズとなる。再び阿凡高校ボールからオフェンスが始まるが、亜凡高校の

メンバーは、オフェンス・ディフェンスの両局面においてコートを自由自在に駆け回るエクストに畏怖し、攻めあぐねる。

「いつ、どうやってあの15番が飛び出してくるんだろう」…といったところか。

結局、アウトサイドプレーヤー3人がインサイドの様子を伺いながらちまちまとパスを回す。そこを狙ったヒッキーがパスカットして

ターンオーバー。再びVIP高校ボール。


29 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:32:19.92 id:yTRnI3bw0
<_プー゚)フ「ヒッキーさん、ナイスディフェンスっす!もう一本行きましょっす!」

(-_-)「うん、任せたよ」


そういってまたもやエクストにボールを渡し、フロントコートへと走っていくヒッキー。


( ・∀・)「あの15番はやっぱりポイントガードなのか…?しかしセンターのようにインサイドの仕事もこなすし…」

( ・∀・)「なんていうんだっけ、ああいうプレーヤー。つい最近どこかで聞いたような覚えがあるんだが…」

从'ー'从「ポイントセンター」

( ><)「へ?」

从'ー'从「ポイントガードの仕事をこなしながら、センターとしてインサイドの仕事もこなす。そしてインサイドでも
     ポイントガードのように冷静にパスを捌き、自分に得点のチャンスがあれば迷わず点を取りに行く…」

从'ー'从「だったような気がしますぅ~」

( ・∀・)「…そうだ、それだ。…ポイントセンター…ね。考えた人は上手いこと言うなぁ…」

( ><)「レ○ロンジェームスktkrwwwww」

30 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:34:52.45 id:yTRnI3bw0
――ダムッ!


<_プー゚)フ「っしゃぁ!」


トップ付近でキープドリブルをしていたエクストが一転、攻めに出る。本職のポイントガードのそれと比べても遜色のない

ドライブと、それに加えて上手く体を使い、マークマンが前に回りこめないように体を入れる。そして一気にゴール下まで到達するが、

エクストはそこでドリブルを中断し、相手のインサイドプレーヤーに背を向けてストップする。いったん右に体をひねり、顔を

ゴールに向けてワンフェイク。さらに逆方向へ体をひねり、ゴール下でのジャンプシュートを放つべく、シュートフォームを構える。

そしてそれにあわせて飛び上がる相手ディフェンス。だが、彼が飛び上がった後もシュートは放たれることはない。


阿凡C(ポンプフェイク…!くそっ…完璧にひっかかtt…)


――ビッ…ダンッ!


阿凡高校のセンターが、エクストのポンプフェイクに気付いた頃にはボールは既にエクストの手を離れ、亜凡高校のセンターが

飛び上がったことにより空いた足元をバウンズパスとして通ってゆく。そしてその先には……。

31 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:35:31.83 id:yTRnI3bw0

――ばしっ


( ゚∀゚)「見せ場キターwwwwwwwwww」


⑧ジョルジュ長岡。

亜凡高校のセンターが着地し、ジョルジュのディフェンスに戻ろうと振り向いたとき、彼の目に映るのは飛び上がった

ジョルジュの脚だった。


( ゚∀゚)「うおりゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」


――ガコッ!!!


間違ってもインサイドプレーヤーとしては身長的に恵まれているとは言えないジョルジュだが、それを補う余りある身体能力。

そのジョルジュによる、渾身のワンハンドダンクが決まり、VIP高校ベンチだけでなく、観客席までもが沸き上がる。



34 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:37:42.39 id:yTRnI3bw0
<_プー゚)フ「ナイッシュっす!」

( ゚∀゚)「おう、ナイスパス!」

<_プー゚)フ「どもっす。なんてったって俺は『VIPのレブ○ンジェームス』っすから」

( ゚∀゚)「ナルシスト乙wwwwww」

<_プー゚)フ「みんな自分が大好きなもんっすよwww」

( ゚∀゚)「ちげぇねぇwwww」


その後もエクストを起点としたセットオフェンスを幾度となく展開し、インサイドのエクストから何本ものアシストパスが

送られ、そして時にはエクスト自ら果敢に得点をもぎ取り…。


( ><)「まるで魚みたいなんです」

(;・∀・)「…魚?」

( ><)「はいなんです!コートを自在に気持ちよさそうに泳ぎ回って…。魚みたいなんです!」

( ・∀・)「…なるほどね。しかし魚ってのは…」

( ><)「あの15番はさかなクンなんです!!!さかなクンなんです!!!!!!!」

( ・∀・)「あーもうわかったから」

35 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:38:38.03 id:yTRnI3bw0
――ビーーーーーーーーーッ!!!


審判「試合終了!109-47で白!!」


   「「ありがとうございましたっ!」」


('A`)「よーし!初戦白星!!幸先いいぞー!」

( ^ω^)「みんなお疲れさまだおwww」

(=゚ω゚)ノ「それにしてもエクストはやっぱすげぇなヨウww」

( ´∀`)「僕らもうかうかしてられないモナね。いいライバルができたモナ」


ξ゚⊿゚)ξ「ところで」

( ^ω^)「お?」

ξ゚⊿゚)ξ「あたしら前回の投下で紹介がなかったんだけど」

(*゚ー゚)「………」

( ^ω^)「そんなの知るかお」

ξ#゚⊿゚)ξ「ほう」


             _ - ― = ̄  ̄`:, .∴ '        (  ^ω)
         ξ, -'' ̄    __――=', ・,‘ r⌒>  _/ /
        /   -―  ̄ ̄   ̄"'" .   ’ | y'⌒  ⌒i
       /   ノ                 |  /  ノ |
      /  , イ )                 , ー'  /´ヾ_ノ
      /   _, \               / ,  ノ
      |  / \  `、            / / /
      j  /  ヽ  |           / / ,'
    / ノ   {  |          /  /|  |
   / /     | (_         !、_/ /   〉
  `、_〉      ー‐‐`            |_/


38 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:40:29.47 id:yTRnI3bw0
(#)ω(#)「読者のみなさまこんばんは。内藤ホライゾンこと、ブーンですお」


ξ゚⊿゚)ξ


まるでお人形さんのようにくりくりした瞳と、お姫様のようにふわふわと巻かれた髪が印象的な

グラマラスセクシャルパーフェクト美人さんのお名前はツンデレ様といって、僕はこのお方と幼馴染を

させていただいておりますですお。


(*゚ー゚)


こっちのマニアウケ抜群の可愛い系・癒し系の美少女様のお名前はしぃ様ですお。

容姿端麗。学業優秀。ツン様と同様に才色兼備。いやぁ、うらやましい限りですお。

そしてこのお二人には我がバスケ部のマネージャーを勤めていただいておりますですお。このお二方がいらっしゃらなければ

今頃このバスケ部はどうなっていたことやら…あぁ、想像するのも恐ろしいですお……。


39 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:41:10.21 id:yTRnI3bw0

ξ゚⊿゚)ξ「ん、満足」

(*゚ー゚)「まぁまぁね」

( ^ω^)「………」

('A`)「おーい、そこ。ジャレてるヒマなんかないぞ」

ξ#゚⊿゚)ξ「何ですって!?!?!?」

('A`;)「はうっ……」

(´・ω・`)「本日の第二試合。偵察の準備をしなくちゃいけないよね」

ξ;゚⊿゚)ξ「あっ……」

(=゚ω゚)ノ「ラウンジVS今北……」

( ´∀`)「このカードはもう何回も観てきたけど…」

( ゚∀゚)「今回は特別、だな」


40 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:41:52.09 id:yTRnI3bw0
既に一勝を獲得したVIP高校。次の試合ではラウンジ学園と対戦。そして最終戦は今北高校と対戦。

これまで、そのどちらにも未だに白星をつけることができていない。だが、最低でもどちらかに勝たなければ、

この決勝リーグを勝ち抜けることはできない。彼ら全員の目標であるインターハイに出場することはできないのだ。

それだけに、この試合で両チームのでーたをとれるだけとっておきたい。ラウンジも今北も、新戦力を加えているであろうから、

これまでよりもパワーアップしていると考えるのが妥当であろう。

ドクオは新入生にビデオカメラのセットを指示。カメラは2台使用し、会場の両端からそれぞれ試合を撮影する。

そして、VIP高校のメンバーは観客席の最前列を確保する。

試合開始の時刻は刻々と近づいている。アップを続けるラウンジ、今北。彼らにとってもこの初戦は非常に重要なものであろう。

ピリピリとしたふいんき(なぜかry)が観客席にまで伝わってくる。当然だろう。ラウンジ・今北の両校の3年生にとっても、

VIP高校と同じように、インターハイに挑戦する最後のチャンス。自分たちの代のチームで行けるところまで上り詰めてやりたいと

思うのは当然だ。

42 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:42:49.20 id:yTRnI3bw0
そんな雰囲気を先に打ち破ったのは今北高校だった。


(,,゚Д゚)「今北ァァーーーーーーッ!!!!!!ファイッ!!!!!」

「「「おおっ!!!!」」」

(,,゚Д゚)「ファイッ!!!」

「「「おおっ!!!!」」」

(,,゚Д゚)「ファイッ!!!」

「「「おおおおおぉぉーーーーーーッッ!!!」」」


次いで、ラウンジ学園。


( ´_ゝ`)「ラウンジー……ファイッ!!」

「「「おおっし!!!」」」


審判「それではこれより、ラウンジ学園と今北産業大学附属今北高校の試合を開始します!!」


43 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/08(木) 00:43:15.96 id:yTRnI3bw0




第二章  おしまい






( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです
返信2007/11/21 17:05:58

6jigendaddyjigendaddy   第三章  ラウンジVS今北(前編)

6 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:23:36.76 id:EHEAMWrV0



第三章  ラウンジVS今北(前編)





10 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:25:27.31 id:EHEAMWrV0
(■_■)(決勝リーグの初戦からラウンジとはな……まったく、ついていない)


ベンチからコートへと向かっていく自らのチームの5名のスターティングメンバーの背中を見ながら、

田守はそう考えた。初戦から王者ラウンジ学園との対戦。総当たり戦での決勝リーグでは初戦を勝利で

飾れるか否かによって、その後の試合に対するモチベーションが大きく変わってくるからである。もしも

ここでラウンジ学園に敗れたら…。続く阿凡高校戦、VIP高校戦にまで選手たちのメンタル面において影響が

及ぶ可能性がある。ゆえに…初戦は確実に勝利を飾れる相手と戦いたかった。


11 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:26:51.45 id:EHEAMWrV0
(■_■)(……なんてなw)


そんなこと気にも留めるはずがない。なぜなら…今回はクーがいる。そして…有能なルーキーも招き入れることができた。



/ ゚、。 /



鈴木ダイオード。全国ベスト4の中学校でレギュラーを張っていたインサイドプレーヤーだ。春休みから練習に参加させ、チームの

連携を可能な限り叩き込んだ。インサイドが弱点である今北にとって、今回のインサイド補強は絶対に不発にさせることのできない

策であるからだ。



だが、それだけに惜しい。初戦の相手がラウンジであるということが。

12 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:29:01.96 id:EHEAMWrV0
いずれはバレることだというのは承知しているが、できればギリギリまでダイオードの存在とその実力を隠しておきたかった。

しかしラウンジ相手にそんな悠長に構えているわけには行かない。ニュー速県下でナンバーワンと言っても過言では

なかった実力派のポイントガード・フサギコこそ引退していなくなったものの、未だに流石兄弟のインサイド・アウトサイドでの

連携は脅威だ。アウトサイドから攻められるのならばまだ止められる。だが、インサイドから攻められたら…?

センターのニダーを信用していないわけではない。むしろ、ニダーのインサイドでの働きは田守も十分に認めている。

だが、そのニダーをもってしても流石兄弟の連携によるインサイド攻めを止めるのは難しいのだ。

流石兄弟とはそれほどの存在なのだ。


(■_■)(――ならば)


そんな流石兄弟――いや、ラウンジ学園というチームに敬意を表し、思い切り叩きのめしてやろうじゃないか。

最初から最後まで泥臭く、それでいて最後は鮮やかに試合を締めくくってやろうじゃないか。

今北の決勝リーグ全勝という結末とともに。

14 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:31:57.39 id:EHEAMWrV0
( ´_ゝ`)(この俺がキャプテンとなって…もうこれが最後の公式戦、か)


インターハイ予選。

前身のキャプテンであるフサギコのいた頃は、全国大会でベスト8など輝かしい成績を残してきたラウンジ学園。

だが、流石兄弟と同年代の選手たちが高校バスケの世界に足を踏み入れてからは、ニュー速県のレベルは確実に

上がっていることだろう。それこそ、全国大会の2回戦や3回戦に匹敵するような内容の試合が繰り広げられたり、

全国の強豪とも十分に互角な戦いができるような選手が何人も見受けられたり…。

そんな流れに、自分たちは乗り切れていないのではないか、と兄者は随分前から懸念を抱いていた。

数十年前からしのぎを削り合ってきた今北に苦戦するのはまだわからなくもない。だが…VIP高校。

ただのいち公立高校にすぎないはずのチームに苦戦するようになった自分たちがいる。これは覆しようのない事実。

初めて対戦したときは圧勝だった。だが、その次は?

15 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:34:00.04 id:EHEAMWrV0
なんとか試合を制したものの、結果は一桁差。しかも、終盤に一気に点差を詰められながらもなんとか必死に逃げ切った、と

いったもので、間違ってもいいと内容とは言えない試合だった。そのときはまだフサギコもいたにもかかわらず、だ。

自分たちの実力が停滞していたにしろ、弱体化してしまっていたにしろ、VIP高校の成長に自分たちは追いつけていなかった

というのが事実なのだ。

フサギコや池上といった全盛期のチームの主力が抜けたことは、ラウンジ学園にとっては大きな打撃であった。オフェンスの要と

ディフェンスの要が同時にチームから消えてしまったからだ。

その後キャプテンを任された兄者は、しばらくの間苦悩に満ちた日々を送った。

どうすればチームを強くできるか。ひたすらにそれだけを悩んだ。

そして、なんとか彼なりの結論にたどり着くことができた。

フサギコや池上に頼るということや、彼らの幻を追い続けるということからいい加減卒業しなければならない、と。


18 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:35:31.72 id:EHEAMWrV0
( ´_ゝ`)(ラウンジはラウンジ、俺は俺。チームの伝統?そんなの関係ねぇ)

(#´_ゝ`)「そんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!」

(´く_` )「はい」

( ´_ゝ`)/「おっぱっぴー」

(´く_` )「これから試合だというのに何を難しそうな顔をしてるんだ?兄者よ」

(;´_ゝ`)「むっ…?俺は別に何も考えてなどいないぞ?」

(´く_` )「俺には嘘はつけないぞ。おおかた、キャプテンになったばかりの頃と同じことを考えていたんだろう」

( ´_ゝ`)「うっ…」

(´く_` )「伊達に18年間も兄者と双子やってないさ」

( ´_ゝ`)「まぁ要するにだ」

(´く_` )「勝手に要するな。まぁいい。言ってみろ兄者」

( ´_ゝ`)「キャプテン俺。=俺の好きにやらせろ」

(´く_` )「おk」

( ´_ゝ`)「全員で……ラウンジ学園で勝つ。監督もプレーヤーもベンチもマネージャーもベンチ入りできなかった二階席の奴らも、
       全員で勝つんだ」


19 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:37:00.93 id:EHEAMWrV0
(´く_` )「なかなか高い理想を掲げるじゃないか」

( ´_ゝ`)「理想を求めなければ夢は叶わないさ」

(´く_` )「いいこと言うじゃないか」

( ´_ゝ`)「お前の兄だしな」



(´く_`( ´_ゝ`)「「やっぱり……」」


「流石ですクマー、先輩方は」


(#´_ゝ`)「んなっ…誰だ!?俺たちのキメ台詞にかぶせてきた奴は!?」

(´く_` )「なんだ、クマーじゃないか」

(・(エ)・)「審判も対戦相手もずっとこっち見ながら待ってますクマー。早く行きましょうクマー」

( ´_ゝ`)「…ふふっ、そうだな」

20 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:38:21.24 id:EHEAMWrV0
審判「え…えー…よろしいでしょうか。それでは試合を始めたいと思います」


審判「試合中のコールは今北を白、ラウンジを紫をします。互いに礼!」



     「「お願いしまっす!!!!!!」」


今北産業大学附属今北高校

④ギコ  175cm63kg PG
⑤ニダー 187cm78kg C
⑦クー  159cm52kg SG
⑧名無し       SF
⑭鈴木ダイオード 194cm85kg C


ラウンジ学園

④兄者 193cm84kg  C
⑤弟者 183cm73kg   SF
⑥名無し       PF 
⑨武藤       SG
⑬クマー 186cm72kg  PG

21 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:39:28.86 id:EHEAMWrV0
両チームのジャンパーがそれぞれセンターサークル内へと足を踏み入れる。そしてジャンパー以外のプレーヤーは

センターサークル周辺で各々のポジションを取る。ラウンジからは④兄者、そして……今北からは⑭鈴木ダイオードが

センターサークル内へと入った。


――試合の始まる少し前


( ^ω^)「あの14番……誰だお?ラウンジの13番も…。あんな選手いたかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「どっちも随分と身長が高いわね……今までにはいなかったはずよ。新しい部員かしらね?」

(*゚ー゚)「んーと…大会プログラムには二人とも一年生って書いてあるよ」

('A`;)「あんなでっけぇ一年…?」

( ゚∀゚)「ウホッ」

(;´∀`)「な…なんかめちゃくちゃうまそうモナよ」

(=゚ω゚)ノ「あの今北でスタート張れる一年なんだヨウ。実力は確かなはずだヨウ」

<_;プー゚)フ「……!!」

( ^ω^)「お?エクスト、どうしたお?」


22 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:40:34.09 id:EHEAMWrV0
<_;プー゚)フ「あ…あいつは…」

('A`)「知り合い……か?」

<_;プー゚)フ「去年の全中でベスト4に入ったチームのレギュラーセンターっすよ!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ぜ…全中…!?」

(;=゚ω゚)ノ「マジかヨウ……」

<_プー゚)フ「結局3決で負けちまったんで全国4位っすけど…あいつは上手いっすよ」

(;´∀`)「ななななな…なんかあの14番がめちゃくちゃ上手そうに見えてきたモナ」

( ゚∀゚)「バッカ!全中ベスト4なんだから上手いに決まってんだろwww」

<_プー゚)フ「うちのチームは全中では結局鈴木ダイオードのチームと戦う前に負けちまったんで直接手合わせしたわけでは
       ないっすけど…やつの実力は保障するっす。しっかり観ておくべきっすよ」

(-_-)「…ん?」

(・▽・)「エクストってもしかして……」

<_プー゚)フ「あ、言ってませんでしたっけ?俺、中学んとき全中出てるっすよ」


        ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!   
          cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・   
                                             
            ,. -─- 、._               ,. -─v─- 、._     _
            ,. ‐'´      `‐、        __, ‐'´           ヽ, ‐''´~   `´ ̄`‐、
       /           ヽ、_/)ノ   ≦         ヽ‐'´            `‐、
      /     / ̄~`'''‐- 、.._   ノ   ≦         ≦               ヽ
      i.    /          ̄l 7    1  イ/l/|ヘ ヽヘ ≦   , ,ヘ 、           i
      ,!ヘ. / ‐- 、._   u    |/      l |/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_、l イ/l/|/ヽlヘト、      │
.      |〃、!ミ:   -─ゝ、    __ .l         レ二ヽ、 、__∠´_ |/ | ! |  | ヾ ヾヘト、    l
      !_ヒ;    L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /       riヽ_(:)_i  '_(:)_/ ! ‐;-、   、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
      /`゙i u       ´    ヽ  !        !{   ,!   `   ( } ' (:)〉  ´(.:)`i    |//ニ !
    _/:::::::!             ,,..ゝ!       ゙!   ヽ '      .゙!  7     ̄    | トy'/
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、    r'´~`''‐、  /        !、  ‐=ニ⊃    /!  `ヽ"    u    ;-‐i´
 !    \::::::::::::::ヽ   `ー─ ' /             ヽ  ‐-   / ヽ  ` ̄二)      /ヽト、
 i、     \:::::::::::::::..、  ~" /             ヽ.___,./  //ヽ、 ー        

27 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:43:08.74 id:EHEAMWrV0
('A`)「…道理で上手いわけか」

( ^ω^)「いまさらながらようやく納得がいったおww」

( ゚∀゚)「ラウンジの13番の方も全中経験者なのか?」

<_プー゚)フ「いえ…たぶん、違うと思うっすよ」

(=゚ω゚)ノ「……っと、始まるヨウ!!」


イヨウの一声で皆、がばりと視線をエクストからコートへと移した。一瞬で興味の対象を変更されたエクストは

若干寂しそうな表情を浮かべたが、気のせいだろう。


( ´_ゝ`)「お手柔らかに頼むよ、期待の新人君」

/ ゚、。 /「勝負とは非情なものです」

( ´_ゝ`)「言うねぇ」

/ ゚、。 /「仮に手を抜いて負けたとして、それほど馬鹿らしいことがありますか?」

( ´_ゝ`)「うむ、間違いないな」


両チームのジャンパーがセンターサークル内でポジションを取ったことを確認した審判がボールを投げ上げ、試合が始まった。

28 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:44:21.34 id:EHEAMWrV0
( ´_ゝ`)「ふっっ!!」

/ ゚、。; /「…っ!?」


ジャンプボールを制したのは兄者。左側へポジションを取っている弟者に向けてボールを弾く。が、それを完全に

読みきっていた男がいた。


――バチッ!


川 ゚ -゚)「甘い」

(;´_ゝ`)「…くそっ!」

(´く_` )「兄者、ディフェンス!すぐ戻れ!」

( ´_ゝ`)b「お…おうっ」

/ ゚、。 /(見かけによらずなかなか跳ぶな、この4番…。弱体化しつつあるとはいえ、王者の称号は
      伊達じゃないってことか)


川 ゚ -゚)(速攻は…今なら行けるな)


29 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:45:29.40 id:EHEAMWrV0
武藤「行かせるかっ!!!」

川 ゚ -゚)「む」


ボールを奪って着地した瞬間のクーのディフェンスについたのは、ラウンジ学園⑨武藤。

フワッとした「リーゼント風」の髪型がレトロとモダンの融合を果たし、アバンギャルドな様相を醸し出している。


川 ゚ -゚)(…別に、最初から飛ばしていく必要もないか)

川 ゚ -゚)(この試合は萌え…燃える展開になればいいのだが)

(,,゚Д゚)「クー、こっちだ」

川 ゚ -゚)「ん。ああ、任せたぞ」


セットオフェンスを選択したクーは、ボールをギコへと預け自らのポジションへと入る。


(,,゚Д゚)「っしゃぁ!一本行くぞゴルァ!」


31 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:47:38.04 id:EHEAMWrV0
ダイオードの加入により、今北の戦法で大きく変わった部分がある。それは、ニダーとダイオードによるツーセンター。

インサイドのメンツを充実させるだけでなく、いっそのこと攻撃のバリエーションも増やしてしまおう、という田守の

「欲張りプラン」だ。


――ダムッ…


(,,゚Д゚)(だが…まだ使わねぇ。今のラウンジがそれに見合うチームかどうか見極めたい)


県内でも屈指のプレーヤーであるフサギコが抜け、県内でも屈指の空気である池上が抜け、それでもラウンジ学園には

王者の誇りと、それに見合う実力ががあるのか。それをじっくり見極めながら試合をするのも面白そうだ、とギコは思った。

おちゃらけた考えではなく、純粋に今のラウンジ学園の力を測りたい、そう思っていた。これまでのラウンジ学園と今の

ラウンジ学園を比較するための最も簡単な方法は、去年と同様に攻める。ただそれだけだ。

それだけで、昨年と今回のラウンジ学園の実力の違いを測ることができる、とギコは確信していた。

昨年もポイントガードとしてラウンジ学園というチームの全貌を直に見ながら戦っていたギコにとってはおそらく容易いこと

なのだろう。


34 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:49:43.20 id:EHEAMWrV0
(,,゚Д゚)(それと…この一年坊の品定め、だな)


クーからボールを受け取った瞬間に自分のディフェンスについてきたこの13番。重心の位置、体の前傾…。

基本姿勢だけでなく、距離感やディレクションも絶妙だ。おそらくはそれなりにレベルの高い場所でバスケットを

してきたのだろう。


(,,゚Д゚)(だが、お前について来れるか!?)


――ダムッ!!


(・(エ)・)「!!!!?」


突然だった。ギコを追うことも忘れ、思わず抜かれた方向に目をやる。


(;・(エ)・)「…………!!」


35 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:51:29.75 id:EHEAMWrV0
わかっていたつもりだった。

今大会の今北のこれまでの試合を、撮影されてあるビデオを観ながら自分なりに研究し、ギコという選手がいかほどの

実力を持っているのか、ということを。

そして、いくら自分が一年生とは言えど、強豪を相手にしても互角に戦えると思っていた。

これまでの試合でも自分の実力は十分に通用していたし、そして何より王者ラウンジ学園に入学てから1ヶ月足らずで

スターティングメンバーの座を獲得したということが、クマーにとって誇りであり、同時に大きな自信となっていた。


(・(エ)・)(それを……!たった1プレーで……!)


あっさりとねじ伏せられた。まるでそこには何も存在しないと言わんばかりに、ギコはクマーの自信を打ち砕いた。


36 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:54:12.02 id:EHEAMWrV0
(,,゚Д゚)「っしゃあ!」


クマーをワンドリブルでかわしたギコはさらにドライブを加速。ミドルレンジでノーマークとなっていたにもかかわらず、

強引にペイントエリア内へ突入する。その理由はただ一つ。‘これまでの今北の攻め方’を展開するためだ。


今のラウンジの実力を測る、そのために。


(,,゚Д゚)「…っ!」


――ズダッ


ハイポストとミドルポストの中間あたりの地点でギコはストップ。そのままドライブ時の慣性により前へ向けられたベクトルを、

勢いを殺すようにして膝を曲げ、下へと向ける。その一連の動作には無駄がなく、速い。


ラウンジ⑥「先制点はやらん!」

(,,゚Д゚)(まぁ…いつも通りの反応かゴルァ)

(,,゚Д゚)「ニダーっ!」


38 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:56:34.79 id:EHEAMWrV0
――ビッ…


ギコのヘルプに来るラウンジ⑥。それによってノーマークとなったニダーはすかさずゴール下へ。ギコはそれを見逃さず、

シュート体勢から瞬間的にパス体勢へ移り、ゴール下のニダーへとパスを送る。


――ばしっ


パスは容易に通り、ニダーはそのパスをキャッチ。そのままターンしてシュート体勢へ。ラウンジ学園の誰もが先制点を覚悟した。


――ただ一人を除いて。


(#´_ゝ`)「そうはいかんざき!」


キャプテン、兄者。去年も嫌というほど味わい、苦しめられたこのプレー。


( ´_ゝ`)(去年と同じやり方で勝てると思うなよ!俺たちはそこまで愚かではない!)

39 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/14(水) 23:58:09.84 id:EHEAMWrV0
ちなみにこのとき、ラウンジ学園のメンバーは兄者がリカバーに出た時点で既に全員がディフェンスのローテーションを

それぞれずらし、今北側のパスコースを全て消していた。

それを知ってか知らずか、ニダーはインサイドでの兄者との1on1を選択する。


――ダムッ!


小さなシュートフェイクからのパワードリブル。しかしそのパワードリブルはこれまでとは違い、ニダーから見て斜め前方へ

跳びながらのものであった。ニダーはそのまま空中で体を横に90度ほどひねり、着地する。


(;´_ゝ`)「こいつっ…!」


そのジャンプは、ニダーがゴールと兄者の間に着地できるよう行われた。そして着地したときには背中が兄者へと

向けられているため、彼の体は自然とゴールに向けられる。結果、ニダーとゴールの間を阻むものは何もなくなる。


――バスッ


彼は迷わずジャンプシュートを放つ。ボールは一旦バックボードに当たってから綺麗にネットを通過した。

44 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/15(木) 00:02:21.02 id:DBFi21zO0
<ヽ`∀´>「ナイスパスだったニダよ、ギコ!!」


――うぉぉぉぉぉっ!いいぞいいぞニダー!いいぞいいぞニダー!いいぞっ!いいぞっ!いいぞ今北先取点!うぉぉぉぉぉっ!


今北に対する対策を練ってきたのであろうラウンジから鮮やかに先制点を奪う今北。そのプレーに応援席も序盤から

大盛り上がりを見せる。



(・▽・)「…上手いですね…」

(´・ω・`)「体をひねりながら跳んで着地地点をずらす…。彼自身の体をとても上手く使っているね」

( ゚∀゚)「あんのチョン……!やるじゃねぇかよ…」

('A`)「ジャンプしながらの移動中に下手に手を出せばファウルになるしな…。あの野郎、考えやがったな」

( ^ω^)「それ以前に…。ニダーのインサイドプレーはあそこまで力強かったかお?今のワンプレーだけじゃ
       なんとも言えないかもだけどお」

(´・ω・`)「そこが問題だね。見たところ、新メンバー14番の加入は本来は今北の弱点だったインサイドを強化するため。
       仮にそれに合わせてニダー自身のインサイドプレーも強化してあるとしたら…厄介なことになりそうだ」

46 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/15(木) 00:04:47.46 id:DBFi21zO0
('A`)「インサイドでの強力な連携…ですね」

(´・ω・`)「ああ。そうだ。とにかく、じっくり観ておくしかないね」



(´く_` )「ど…ドンマイだ兄者!気にす…」

( ´_ゝ`)「すまん!気持ち切り替えるぞ!一本行こうか!」

(´く_` )「むっ!?ナイスポジティブ!」

/ ゚、。 /(今のディフェンス…決められたとは言え見事なタイミングのカバーだった。ギコさん、気付いてるかい?
      甘く見てると……食われますよ)

(,,゚Д゚)「っしゃ、ディフェンスはハーフのマンツーだ!行くぞゴルァ!」

(・(エ)・)(認めなくちゃいけないクマー。この男の実力。そして…自分よりも格上だという事実を)


クマーに挑戦者としての自覚が芽生える。

そしてそれと同時に、クマーは入部時に最初に兄者が口にした言葉を思い出した。



48 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/15(木) 00:06:23.86 id:DBFi21zO0
―――――――


( ´_ゝ`)「このチームのキャプテンの流石兄者だ。新入生諸君、よろしく頼む」

( ´_ゝ`)「この際だからはっきり言っておこう。俺にはキャプテンとしての自信はない」

(・(エ)・)(おいおい…大丈夫かクマー、こんな頼りないのがキャプテンで…)

( ´_ゝ`)「前チームのキャプテンは本当に偉大な人だった。プレーだけじゃない。キャプテンとしてみんなを率いていく統率性、
       そして彼自身の人間性…その他諸々全ての点において、だ」

( ´_ゝ`)「俺はどうしても、敵わないとわかっていながらも自分を彼と比べてしまう。そしていつも自己嫌悪に陥る。
       あそこまで王者という肩書きがふさわしい人から、この王者ラウンジを任せられたことに不安を感じている」

( ´_ゝ`)「だが、このチームのみんなは励ましてくれた。『肩書きなんて気にするな』……と」

( ´_ゝ`)「それだけで純粋に嬉しかった。心強かった。そして頑張ろうと思えた。」



( ´_ゝ`)「さて、前置きが長くなってしまったが……新入生諸君らにこのチームの方針を伝えたい」




50 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/15(木) 00:07:29.85 id:DBFi21zO0



『王者たる者、常に挑戦者であれ』



        by( ´_ゝ`)



53 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/15(木) 00:08:31.16 id:DBFi21zO0
( ´_ゝ`)「この方針が気に食わない者も当然いるだろう。だが、わかって欲しい。今のニュー速県のベスト4からの戦いにおいては
       肩書きなど何の意味も持たない。実力のみがものを言う世界なんだ。」

( ´_ゝ`)「王者という肩書きに縛られたり、慢心を抱くことなく、いかなる試合においても、一つ一つの練習メニューにおいても。
       ……常に挑戦するつもりで全力で取り組んでいこう。そして最後は……」


――――――


(・(エ)・)(『みんなの力で全国に行った』……そう胸を張って言えるようなチームになろう……か、クマー)

(・(エ)・)(ようやく意味がわかったクマー、兄者キャプテン)



今北産大附今北 2-0 ラウンジ学園




試合はまだ、始まったばかりだ。

( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです
返信2007/11/21 17:06:24

7jigendaddyjigendaddy   第四章  ラウンジVS今北(中編の前編)

4 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:02:16.09 id:IAYX1DBE0




第四章  ラウンジVS今北(中編の前編)





5 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:03:38.18 id:IAYX1DBE0

――ダムッ…


(・(エ)・)(これまでの今北において警戒すべきはこのPGギコの局所的な大量得点。そしてそれに伴うチーム全体の
      異常なまでの士気の上昇クマー…。4番ギコを中心にモチベーションを上げていくタイプのチームだと思っていたクマー)

(・(エ)・)(でも……)

(・(エ)・)(センターの5番…それに、天才的なセンスを持つシューティングガードの10番…そして実力未知数の14番…)

(・(エ)・)(正直どこから攻めればいいのか見当もつかないクマー)


だが、やるしかない。チームを牽引していくポイントガードである自分が起点となって突破口を見出さねばならない。


(・(エ)・)「っ!」


――ダムッ!


トップ付近で1対1を仕掛け、アウトナンバーを作って優位に立とうとドライブを試みるクマー。しかし…

6 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:06:35.47 id:IAYX1DBE0
(,,゚Д゚)「っしゃ!」


――キュキュッッ!!


ギコの素早いディフェンスは一つのスライドステップでクマーの正面に立ちはだかり、それを許さない。


(・(エ)・)(正直なところ僕からの得点は……たぶん、ほとんど見込めないクマー)


だが、このチームのエースは自分ではない。自分は自分のすべき仕事をこなし、結果的にチームの勝利につながればそれでいい。
このチームのエースは『彼ら』だ。彼らからラウンジ学園の攻撃は始まる。彼らが協力し合って得点して、相手の気がそちらに
向けられればそこから攻めるべきポジションに的確なパスを通す。

自分は、まずは彼らにボールを渡すことさえできればそれでいい。それが本来のポイントガードの働きとは異なったものであった
としても、それこそがラウンジ学園のオフェンス、ラウンジ学園のバスケットなのだから。

ラウンジ学園のエースは、流石兄弟なのだ。


(・(エ)・)「弟者さんっ!」

(´く_` )「っしゃ」


――ビッ…ばしっ


7 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:08:03.41 id:IAYX1DBE0
45度へのパスはなんとか通る。単純にガードとしてのパス能力は、どうやら完全に劣っているというわけではないようだ。
それならばまだなんとかなるはずだ。パスすら出すことができないほどに二人の間に実力の開きがあればそれは試合の中での
大きな不安要素となりうる。だが、なんとかいけるはずだ。


(´く_` )「行くぞ、今北っ!」


ボールをミートした弟者は、スリーポイントライン付近で二、三の大きめのピボットを踏み、マークマンの今北⑧を揺さぶる。
そして小さなシュートフェイクを一つ入れた後、弟者は鋭く一歩目を踏み出し、ドライブをする。


――ダムッ!


今北⑧(速い…。けど、追いつけないほどのスピードじゃ…)

<;ヽ`∀´>「スクリーンニダっ!!」


――がしっ!


今北⑧「うあっ!?」

8 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:09:40.93 id:IAYX1DBE0
アウトサイドへやや飛び出し気味にポジションを取っていた兄者による弟者へのスクリーン。しっかりと
踏ん張っていた兄者に勢いよく激突した今北⑧の体は揺らぎ、隙が生まれる。
今北⑧がその隙に気付いた頃には、兄者は既にその体を反転させて弟者と共にゴールへ向かう。
単純なピックアンドロール。しかし、一つ一つの動作がしっかりと行われていたならば、単純でありながらも
脅威となるプレーにほかならない。


<;ヽ`∀´>「くっ…!」


兄者のスクリーンを受けてドライブしてくる弟者にスイッチするべきか否か。アウトナンバーとは
オフェンスの人数がディフェンスの人数よりも多く、攻める側にとって有利な状況のことを指す。
そしてそれは守る側にとっては不利な状況である、ということと同義である。
パスを出してくるのか、ドリブルで突っ込んでくるのか、それともその場で即シュートを打ってくるのか…。
経験を積んだ選手であれば、ある程度そのパターンを予測したり、あるいはディフェンスのポジショニングの
位置を意図的にずらしたりして守る側にとって優位な状況を作ることができるようにするものなのだが…。

11 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:12:11.01 id:IAYX1DBE0
( ・∀・)「その相手は流石兄弟。全国でも十分に通用するコンビプレーを一人で止めるのは至難の業だろうね」

( ><)「流石兄弟が上手いから手が出ないってことですか!?わかんないんです!」

从'ー'从「経験測によるディフェンスが役に立たないからじゃないですかぁ?今北のニダー君も流石兄弟以上のコンビプレーを
     してくる選手にはそうそう巡り会えないでしょうしぃ~」

( ・∀・)「うん。理解がよくて助かるよ」

(;><)「…………」


<;ヽ`∀´>(兄か弟か…どっちニダか!?そもそもどう攻めてくるニダか!?それすら予測がつかんニダ…!)


――ダムッ!


<ヽ`∀´>(そのままドライブかニダ!!)


ドリブルを止めず、そのままペイントエリア内を通ってゴールへと向かう弟者。そしてニダーはそれを守るために
弟者へと詰め寄る。



12 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:14:37.05 id:IAYX1DBE0
(´く_` )「兄者っ!!」


――ビッ……ダンッ


( ´_ゝ`)「おうさ!」


――ばしっ


ディフェンスのニダーがボールを持った自分へとよってきたことを確認した弟者はそれを揺さぶるかのように、自分の
やや前に位置する兄者へ短いバウンズパスを出し、兄者はそれをキャッチする。そしてそのままノードリブルで
レイアップのステップを踏み、シュート体勢へと入る。


( ´_ゝ`)「止めてみろ!」


だが、そこはニダーの予想の範疇であった。この程度の攻めならば通常の2対1の状況でも頻繁に使われるプレーであるからだ。
だが、だからこそ考える。限られたほんの一瞬にも満たないほどの時間の中、ニダーは思考を巡らせる。

13 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:16:54.64 id:IAYX1DBE0
ここはシュートを止めに行くべきなのだろうか、と。
自分、もとい、今北というチームにこのような単純なプレーが通用すると本気で思っているのだろうか。
答えは間違いなく否。流石兄弟ほどの選手であれば、こちらの実力も承知しているはず。
それを理解した上で愚かしくもシュートを選んでいるのか、はたまたニダーがそう考えることを読みきっていて、
この場面で止められる可能性の高いシュートをあえて打ちにきているのか…。
それとも、ただ単にニダーが挑発に乗ってシュートを止めにきたところを狙い、ノーマークの弟者へとパスを出すのか…。
しかし、考え始めればキリがない。流石兄弟のオフェンスの引き出しはまさに魔法がかけられているかのように
さまざまな場所からさまざまな方法で飛び出す。全く予想外のパターンもある。
そんな中から一つを絞りきることは不可能であった。


<ヽ`∀´>「くっ…!」


博打に出て思い切ったプレーに出るのか否か。その考えをまとめることすらできなかった。
ニダーは仕方なしに兄者へと詰め寄り、ブロックには跳ばず、手を精一杯伸ばしてシュートコースの妨害をする、という
オーソドックスな守りに入ることしかできなかった。だが、冷静に考えればこれでいいのだ。
無駄な博打を張ってそれに敗れ、相手を勢いに乗せてしまうよりはこうして堅実に守っていったほうが得策であるからだ。
時にはギャンブルに出なければならない場面もある。
しかし、それは間違っても今ではない。
ニダーのプレーで、むざむざ相手を勢いづける必要などないのだ。

14 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:18:01.55 id:IAYX1DBE0
――ズダッ


( ´_ゝ`)「…ふっ!」


兄者はそのままレイアップの体制に入る。地面を踏み切った際に短く息を漏らし、そしてボールをニダーの手から
守るように遠ざけながらしっかりと腕を伸ばし、ジャンプの最高到達点で柔らかくボールを手放した。


――パスッ……


ボールは兄者の腕から放たれたのと同じように静かに落下し、そして静かにネットを揺らす。


――うおおぉぉぉぉっ!いいぞいいぞサ・ス・ガ!!いいぞいいぞサ・ス・ガ!! いけいけラウンジもう一本!!


今北に先制点を許すも、ラウンジ学園はすぐさまそれを取り返す。そしてそれはチームの核である
流石兄弟からの得点。チームの士気は、嫌が応にも上がり、ラウンジ学園のディフェンスに活気が出てくる。
以前、VIP高校だけでなく今北をも苦しめた変則1-3-1ディフェンスこそ使われていないものの、基本に忠実な
ハーフコートのマンツーマンディフェンスで今北を抑え込んでいる…

15 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:18:41.39 id:IAYX1DBE0


かに見えた。





( ^ω^)「蟹見えたwwwwwwww」

('A`)「ファックwwwwwww」






17 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:19:43.20 id:IAYX1DBE0
――ダムッ!


武藤「うっ……!?」

川 ゚ -゚)「微熱(ぬる)いな」

(´く_`;)(なっ…なんだ今のスピードは!?)


クー。
彼は45度付近であっさりと武藤を抜き去る。
そのドライブには全くもって無駄がなく、そして速い。美しさを感じると同時に背筋に寒気が走る。


(;´_ゝ`)「くっ…!カb…」


――キュッ!


兄者はクーの進入を防ぐべくカバーに出ようとするも、その足を一歩踏み出すか踏み出さないかの打ちにクーは
やや遠めのミドルレンジでストップ。そしてノーマークであるにもかかわらず、早いモーションでジャンプシュートを放つ。

19 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:21:13.45 id:IAYX1DBE0
――パシュ


それは美しい孤を描きながらリングのど真ん中を射抜く。
そしてボールは心地よい音と共にネットを通過し、勢いよくコートへと叩きつけられる。


武藤「くそっ……!」

( ´_ゝ`)「武藤、気にするな。試合はまだ始まったばかりだ」

武藤「あ…そ、そうだな!みんな、すまん!一本気合入れていこうぜ!」

ラウンジ一同「「おうっ!」」

( ´_ゝ`)(それにしてもあの7番…ビデオで観たドライブよりも鋭い…?映像と実物のギャップか?それとも…)

(´く_` )「おそらくあの7番はまだ本気ではないはずだ」

(;´_ゝ`)「うおっ!?びっくりした…」

(´く_` )「臆するなよ兄者。余裕ぶっていられるのも今のうちさ。本気にならざるを得ないときには試合の行方は
       もう決まっている」

( ´_ゝ`)「ふっ…その通りだな、弟者」


20 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:22:33.46 id:IAYX1DBE0
――ダムッ…


(,,゚Д゚)「ボールおkだゴルァ!」

(・(エ)・)(ディフェンスの一線の当たりも思っていたよりはたいしたことないクマー…なんとかして突き放して、焦って
     攻め急いできたところでしっかりターンオーバーとって速攻でカウンター…って展開が理想クマー)

(・(エ)・)(けど今の流石先輩たちのプレーを見てもディフェンスをインサイドに固めるような素振りはないクマー。
     あの二人のコンビプレーがコート全面から展開されることをわかってるってことかクマー)


それならば、とクマーは思う。


(・(エ)・)(変幻自在のコンビプレーをとことん見せつけてやるクマー。そして中盤以降からは全員を使って攻めて
     さらにかく乱…)


クマーは目の前のプレーに集中しながらも、頭の片隅で冷静に試合の展開を組み立てることができていた。
彼の出身中学は、全国大会には出場していないし、県大会で上位の結果を残したわけでもない。
が、まさに埋もれた原石とでも言うべきか。その冷静な思考能力と優れたプレーは、ドクオとどこか似通ったものを感じさせる。

21 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:23:52.10 id:IAYX1DBE0
――キュキュッ…


(・(エ)・)(兄者さん…!)


兄者がローポストからハイポストへフラッシュプレーを行う。
兄者がハイポストの方向へと走ってきていることを瞬時に察知したクマーは、キープドリブルをしつつサイドステップ。
そして、ギコがそれに反応する一瞬の隙を突いて45度の弟者にパスを出す振りをしてハイポストへとバウンズパスを送る。


――ばしっ


( ´_ゝ`)「ナイスパス!」


そのタイミングはベスト。兄者がハイポストに到達すると同時に、兄者が走りながら構えていた両手の位置にしっかりと
ボールが収まる。


22 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:26:12.87 id:IAYX1DBE0
『いいシュートはいいパスから。』


よいパスとは味方にとって次のプレーがしやすいパスのことだ。速度やコースがよかったとしても、受け手の攻めたい
タイミングやプレーの呼吸と上手く噛み合わなければ、それはただの強引なパスに過ぎない。
この中でも重要とされるのは後者。すなわちプレーの呼吸だ。
これは表立って理解できるようなものではなく、むしろ感覚による理解である場合が多い。
よいポイントガードの出すよいパスとは、味方の呼吸を無意識に汲み取り、そして次のプレーに移行しやすいパスを出すこと。
それが滑らかなチームプレーの基盤となる。そしてクマーは見事にそれをやってのけている。
本人のセンスによるものも多少はあるかもしれないが、クマーはこれまでポイントガード一筋。
色々なプレーヤーの色々な動きを理解できるようにクラブチームの練習等にも積極的に参加し、不特定多数の選手を
自らのパスによって活かすことで、その感覚を高めていったのだ。


そしてクマーから兄者に出されたパスは見事に兄者の呼吸を汲み取っており、兄者の次のプレーのための呼び動作を限界まで減らす。
兄者は無駄なく次のプレーへと移る。フラッシュしてからのポストプレー。嫌というほど何度も体に叩き込んできたプレーだ。
そしてそれと同時に弟者とのコンビプレーの起点となるプレーのパターンの一つでもある。

24 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:27:49.43 id:IAYX1DBE0
――ダムッ!


ハイポストからニダーに背を向けながらのパワードリブル。ニダーはそれをディフェンスファウルにならないよう、
しっかりとコースに入り、両手を上げて胴で兄者の背中を受け止める。


<;ヽ`∀´>「ぐふッ…!」


前回と同レベルだろう、と思っていたよりも力強い兄者のボディコンタクト。それをまともに胸部に受けたニダーの口からは
無意識に苦しげな息が漏れる。体もほんの少しぐらつぐが、自陣のゴールを守るためにしっかりと踏みとどまる。


(´く_` )「………!」

<ヽ`∀´>(5番……!)


ニダーは兄者のディフェンスにつきながらも、兄者と同サイドからディフェンスを振り切り、その裏を走りぬけて
エンドライン沿いに走りこんでくる弟者の姿を横目ながらに視認する。


<#ヽ`∀´>(バックドアかニダ…!そう簡単に行かせると思うなニダ!っていうか今北⑧!弟者を自由に動き回らせすぎニダ!)

26 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:29:39.52 id:IAYX1DBE0
ゴール下へと走りこんでいく弟者へのパスをニダーが警戒した瞬間に兄者はその場でフロントターン。
ディフェンスにマークされている状況ではあるものの、十分シュートを決めることができる体勢だ。
弟者のバックドアの動きはニダーの注意を兄者よりもゴール下へ向けるための罠。


<ヽ`∀´>「んなっ…!連続でお前に点は取らせんニダよ!!」


わずかにゴール下に気を逸らすも、すぐに自らのマッチアップのディフェンスへと注意を引き戻すニダー。
しかし、それすらも流石兄弟の仕掛けた罠。フェイクだと思わせていた弟者のカットインこそ本命。
ニダーが兄者に寄ったことによって弟者はどフリーに。


( ´_ゝ`)「弟者ぁっ!」

(´く_` )「っしゃ!」


――ビュッ…ばしっ


シュート体勢からワンハンドパスの要領で手首のスナップを利かせて勢いよくゴール下の弟者へとパスを送る。
そして弟者は悠々とそれをキャッチしてそのままレイアップを沈める。


<#ヽ`∀´>「ムキーーーッ!!!あんな単純なプレーになんで振り回されてるニカ!?!?」

27 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:30:34.37 id:IAYX1DBE0
それは、彼らの攻めのパターンという名の引き出しが対処しきれないほどに多すぎるから。先ほども述べたように、
何がくるのかわからない。いつ、どこで、どのタイミングで、何をされるのか。その予測を絞ることが困難であるからだ。
ゆえに、ニダーの想定内かつ彼にとっても十分反応できるようなイージーなプレーであっても、唐突にやってくるそれに
対処することができないのだ。そして彼自身も頭のどこかでそれを理解しているからこそ、流石兄弟の実力の高さを改めて
認識し、そしてそれを止めることができない自分への苛立ちをどんどん募らせていっているのだ。


バスケットボールというのは言うまでもなくチームスポーツである。一人の不調がチーム全体に伝染するというのは多々ある事態だ。
そしてそれは選手の不調に限らず、ある選手の悪い雰囲気も同様に伝染する。意識せずともその苛立ちはチームに伝染する。
今北の選手全員のパフォーマンスに影響が出る、とまでは行かなかったが、バスケットボールというスポーツにおいての核となる
インサイド。そのインサイドプレーヤーを務めるニダーの不調は徐々に今北のインサイドを蝕んでゆく。

事実、その弱みをつくようにしてラウンジはその後インサイドでの得点を中心に自軍の得点を順調に積み重ねてゆく。
一時は最大で7点の開きができたが、それを阻止したのはもう一人のインサイドプレーヤー、新入生の鈴木ダイオードだった。

28 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:32:45.39 id:IAYX1DBE0
――バシッ…!


(;´_ゝ`)「くっ……!」

/ ゚、。 /「ルーズになります!取ってください!!」


「ゴール下で双子の兄貴が止められた――!」

「今北14番のブロックショットだ――!」


――ばしっ


(,,゚Д゚)「ルーズとったぞ!カウンターだゴルァ!」

川 ゚ -゚)「ヘーイ、こっちこっち」

(,,゚Д゚)「っしゃ、走れぇ!クーっ!」

29 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:34:15.67 id:IAYX1DBE0
――バスッ


「今北のカウンターだ――!」

「7番のレイアップで2点差にまで詰め寄ったぞ!」

「つーかあのハルヒコスの7番足早杉wwwww」

「さすが今北は底力あるな!じわじわと追い詰めてきやがった!これでこそ今北らしいってもんだろ――!」


――ダムッ…


(・(エ)・;)(あ…焦ったらダメだクマー…こういうときこそポイントガードの僕が冷静な判断をしなくちゃ…!)

(,,゚Д゚)「どうした一年坊!ビビってんのかゴルァ!?高校バスケは甘くねぇぞゴルァ!」

(・(エ)・;)「んなっ…!?」


――ばちっ!


(・(エ)・;)「あっ……!」


30 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:36:14.37 id:IAYX1DBE0
(,,゚Д゚)「とったぁっ!速攻だ!」

(・(エ)・;)「くそっ…いかせるかっ!」


相手の挑発に乗せられ、ボールを楽々と奪われた。そして相手は今一人で無人のゴールへと向かっている。
そしてこれを決められれば同点にされる――
その焦りは、精神的なものよりも肉体的なものが先行して現れた。


(・(エ)・;)「い…いかせないクマーーっ!!!」


クマーの右腕が自分から遠ざかり、ゴールへ近づいていくギコの体へ伸びる――


――がしっ


そしてそれはギコの胴体に絡みつき


(;,,゚Д゚)「うおぉっ!?」


――ドサッ…


重心を完全に崩されたギコは、転倒する。

31 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:37:25.11 id:IAYX1DBE0
そして直後に響き渡るホイッスルと、審判のコール。


審判「アンスポーツマンライクファウル、紫13番」


故意に行われたとされる、アンスポーツマンライクファウル。この反則は、その名の通り「スポーツマンらしくない反則」のことを
指す。密集地帯や密着状態の接触とは異なり、故意の反則は通常の反則よりも罰則が重くなる。
アウンスポーツマンライクファウルが宣告された場合は、ファウルをされた選手がシュート体勢に入っていなかったとしても
フリースロー二本が与えられる。そしてこのフリースローはレーンに各チームの選手が交互に並ぶことはなく、シューターが
本当に一人でフリースローを打つこととなる。2本目のシュートのあとのリバウンドによる試合の再開もなし。
2本のフリースローが終わればファウルをされた側にボールが与えられ、ハーフライン付近のサイドラインから試合が再開される。

ファウルをされた側にとってはおいしいワンプレー、そしてファウルをしてしまった側にとっては手痛いプレー。そしてそれが、
競った展開の最中であれば尚更だ。


(・(エ)・#)「くそっ……」

(,,゚Д゚)「へへへっ、ラッキーだったぜゴルァ」



34 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:38:44.04 id:IAYX1DBE0
ギコは与えられたフリースローを落ち着いて2本とも決める。ここで、今北の得点はラウンジに並ぶ。
さらに、今北ボール。一方にとっては試合の流れを手繰り寄せるために、そしてもう一方にとっては試合の流れを食い止めるために。
互いに重要な意味を持つ、今北ボールから始まるワンプレー。ここで、悪夢がラウンジ学園を襲う。


――パシュ


「い…今北7番のスリー――!!!」

「大事な場面のはずなのに…あっさりと決めてきやがった――!!」


川 ゚ -゚)「ナイッシュー自分」

最初の勝負どころといっても過言ではない状況で迷わずスリーポイントを放ち、それを容易に決める。そして得点後もそのクールな
表情は崩れない。クーのこの不適なプレーは、精神的にも技術的にもラウンジ学園を揺さぶるには十分なものであった。


そして、第1クォーターも残すところ10秒をきったところで――


――ばちっ


(・(エ)・;)「しまtt……」

川 ゚ -゚)「ん、とってしまった」

36 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:40:02.06 id:IAYX1DBE0
「ラウンジ13番のパスミス――!」

「今北のカウンターだ――!」


(,,゚Д゚)「クーーーーッ!!!前に出せ!」

川 ゚ -゚)「あいよ」


――ビュッ


今北のカウンター速攻。最前線をフリーで走るギコに向けて、クーはその華奢な腕からは想像もできないようなスピードで
パスを送る。コートを縦断する形で出されたそのパスは、レシーバーとの間にかなりの距離があったにもかかわらず、山なりのパスでは
なく、弾丸パス。最短距離を飛んでゆくそのパスは、正確にギコの手中に収まり、彼はそのままレイアップを沈める。


――うおぉぉぉぉぉっ!!いいーぞっ!いいーぞっ!ギ・コ・ちゃーん!!!!!


「また今北の得点だ――!!」

「これで今北7点リード!さっきと立場が逆になってるぞ!」


(■_■)「ラスト5秒!気を抜かずに守りきれ!ハーフライン越えさせるな!」

今北一同「「うぃっす!!」」


38 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:41:56.22 id:IAYX1DBE0
(・(エ)・;)「くっ……!」

(´く_` )「くそっ…急げクマー!まだ一本とれr…」


――ビーーーーーーッ!!


審判「第1クォーター終了!2分間のクォーターブレイクに入ります!」



(;´_ゝ`)(やってくれるな今北……こっちのやりたい内容をことごとく潰していきやがる…)

(;,,゚Д゚)(クーやダイオードがいなかったとしたら…去年と同じメンバーだったら…もしかしたら今負けてるのは
      俺らだったかもしれねぇなゴルァ…)


39 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:42:34.00 id:IAYX1DBE0
―今北産業大学附属今北高校ベンチ―


(,,゚Д゚)「お前ら、感想はどうだ?」

<ヽ`∀´>「ラウンジも前回よりは強くなってると思うニダよ。あのポイントガードはフサギコにはかなり劣るけど
      堅実なプレーが売り物っぽい感じがするニダ」

/ ゚、。 /「インサイドの4番は単体でもなかなかの実力を持っているように思います。それに5番とのコンビネーションが
      発揮されるとなると……厄介ですね。コート上を振り回されるような気がします」

(■_■)「うむ。やはり問題は流石兄弟だな。やつら本来のコンビプレーに加えてさらに磨き上げられた個人技も使い分けてきている」

<ヽ`∀´>「極論としては流石兄弟にボールが渡らないようにすればいいニカ?」

(■_■)「そういうことになるな。だが…」

川 ゚ -゚)「というかギコ。ボールに対するディフェンスだが手を抜きすぎではないか?」

(■_■)(言いたいこと取られた…)

(,,゚Д゚)「あぁ、ありゃ俺なりに考えたんだ。攻めと守りの要が抜けたラウンジ学園がどれほどの実力をもっているのか、そして
     俺たちにとってふさわしい相手なのか、を直接自分の肌で感じたかったんだゴルァ。勝手なことをしてすまんこ」

/ ゚、。 /「それで、わかったのですか?ラウンジ学園の実力は…」

(,,゚Д゚)「相手の4番のプレーを見てわかったぞゴルァ。下手すりゃやつらは去年よりも強いかもしれないってな」


40 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:43:45.38 id:IAYX1DBE0
/ ゚、。 /「…なぜ、4番なのですか?」

(,,゚Д゚)「なんだろうな、言葉じゃ上手くいえないんだが…。プレーだけじゃない、何か鬼気迫るものを感じた。ってとこだ」

川 ゚ -゚)「玄人ぶるなwwwwwwwwwww」

(,,;Д;)「…………」

川 ゚ -゚)「だが、その意見には概ね賛成だ」

(*,,゚Д゚)「………!」

川 ゚ -゚)「私はこのチームと戦った経験はないが、あの4番を中心にまとまったいいチームだと思うぞ」

<ヽ`∀´>「クーが敵をほめるなんて珍しいニダね…」

川 ゚ -゚)「勘違いするな。あくまで精神的な面で、だ。技術的な面ではたいしたことはない」

/ ゚、。 /「ですが、あの4番…いや、あの兄弟のプレーは……」

川 ゚ -゚)「お前は何のためにずっとニダーとインサイドでの連携を練習してきたんだ?ダイオード」

/ ゚、。 /「………!」

42 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:44:47.27 id:IAYX1DBE0
川 ゚ -゚)「これまで今北はインサイド陣が弱いといわれてきた。そして試合でもインサイドを中心に攻められてきた。地区では
     なんとでもなるさ。だだ全国ではどうなんだ?欠点のあるチームが日本一を獲れると思うか?」

/ ゚、。 /「…いいえ」

川 ゚ -゚)「私は優勝を獲るために日本へきた。今北へ来た。このメンバーは強い。私が保証する。だから…」

/ ゚、。 /「………?」

川 ゚ ー゚)「相手に遠慮などするな。叩きのめせ」

/ ゚、。 /「…バレてました?」

川 ゚ -゚)「大体だがな。大方、一年生の自分が引退していく三年生の夢を壊してしまうのが可哀想だとか、そんなところだろう?」

/ ゚、。 /「…アタリ、ですよ」

川 ゚ -゚)「勝負とは非情なものだ。ここは戦場だと思え。強い者のみが生き残れるんだ」

/ ゚、。 /「…わかりました」


43 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:46:07.29 id:IAYX1DBE0
(■_■)「話はまとまったか?」

/ ゚、。 /「監督…」

(■_■)「今しがたクーの言ったとおりだ。最後の大会を迎えた三年生と言えども、相手は敵だ。
     遠慮はいらん。つぶして来い!」

/ ゚、。 /「……はい!」



45 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:47:05.76 id:IAYX1DBE0
―ラウンジ学園ベンチ―


(´く_` )「ふぅ…やはり流石に強いな、今北は。アウトサイドとインサイドにそれぞれ強力な駒を追加してきやがった…」

( ´_ゝ`)「……………」

(´く_` )「どうした兄者?うんこでももらしたのか?」

( ´_ゝ`)「違う。今北のことを考えていた」

(´く_` )「珍しくまじめだな」

( ´_ゝ`)「うむ」


46 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:47:29.83 id:IAYX1DBE0
( ´_ゝ`)「様子見…と思っていたが、そう甘くは行かないな」

(´く_` )「間違いないな、兄者」

( ´_ゝ`)「使っていくか?あれを」

(´く_` )「あぁ、あれか」

( ´_ゝ`)「みんあ、聞いてくれ」


(#´_ゝ`)「ニュー1-3-1ゾーン解禁でごじゃる!!!!!今北ぶっ潰していくんでよろしくっっ!!!」

ラウンジ一同「「よろしくーーーーーっ!!!!!!!」」



47 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:48:03.93 id:IAYX1DBE0
――ビーーーーッ!


審判「インターバル終了!第2クォーターを開始します!」

( ´_ゝ`)「ラウンジボールからだ。行くぞ、クマー」

(・(エ)・)「………」

( ´_ゝ`)「どうした?クマー。さっきのミスを引きずっているのか?」

(・(エ)・)「……はい…クマー」

( ´_ゝ`)「忘れろ。気にするな。ハジけろ」

(・(エ)・)「……へ?」

( ´_ゝ`)「マイナスのメンタルはプレーにもマイナスになる。難しいかもしれんが切り替えていくぞ。
       第2クォーターは0-0から始まると思え」

49 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:49:02.28 id:IAYX1DBE0
(・(エ)・)「…善処しますクマー」

( ´_ゝ`)「新しい1-3-1ゾーンはお前にかかる負担も大きいからな。すまんが踏ん張ってくれ」

(・(エ)・)「絶対に…勝ってやりましょうクマー」

( ´_ゝ`)「愚問を。無論だ」

(・(エ)・)「っていうか、兄者さん?」

( ´_ゝ`)「ん?」

(・(エ)・)「全力で挑戦、みたいなこと言ってたのに第2クォーターから全力になるってどうなんです?」

( ´_ゝ`)「いや、だってあれしんどいもん」

(・(エ)・)「………w」



50 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:49:44.65 id:IAYX1DBE0


今北産大附今北 23-16 ラウンジ学園



第2クォーター、開始――。


51 名前: ◆HJkAGxFZpI 投稿日:2007/11/20(火) 23:50:14.87 id:IAYX1DBE0



第四章 おしまい





( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです
返信2007/11/21 17:21:29

8jigendaddyjigendaddy   第五章  ラウンジVS今北(中編の後編)

1 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 21:30:37 ID:6njKUImk0

まとめサイト様(現在停止中?)

http://vipteam.blog74.fc2.com/


覚えてくれている人がいたら、お久しぶりです。今まですみません。

覚えていない人、知らない人はよろしくお願いします。

2 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 21:36:55 ID:6njKUImk0




第五章  ラウンジVS今北(中編の後編)





.

3 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 21:37:40 ID:6njKUImk0

第2クォーターがラウンジボールで始まる。
ベンチで新たな作戦の開始を決定し、意気込むラウンジ学園は、現在7点を追う展開とされている。
対する今北は、7点のリードがある状況ですら、余裕の表情――油断や慢心の類だ――を浮かべることもせず、
ただ淡々と各々のマッチアップのディフェンスへとつく。今北は第2クォーターもマンツーマンディフェンスで
くるつもりのようだ。

サイドライン外でボールを持つのは弟者だ。そしてその弟者からボールをミートするために動くのがクマー。
自分にマッチアップするのディフェンダーの裏をとるように素早く動き、彼のマッチアップのギコがそれを阻もうとした瞬間に
急激にストップ。踏ん張りから、さらにその裏をかくように動き、Vカットでボールをミートした。


(・(エ)・)「一本!いきます!!」


クマーの一声に、ラウンジ学園のメンバー一同は、おう!と応える。
劣勢と言っても差し支えない今この状況で、チームを活気付け、牽引するその姿は、一年生のものとは思えぬほど。

4 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 21:38:55 ID:6njKUImk0
( ,,゚Д゚)(さて…こっからだな、大事なのは)


そう。大事なのはこれから。
ラウンジ学園を絶望のどん底に突き落とすには、ここからが重要なのだ。


( ´_ゝ`)(よし…ここからだ)


そう、ここからが大切なのだ。
今北へ反撃の狼煙を上げ、インターハイという大舞台への足がかりを得るためには、ここからが大切なのだ。




(・(エ)・)(第2クォーター開始直後で7点のビハインド…軽くはない。けど…)



( ´_ゝ`)(´<_` )



(・(エ)・)(けど…重くもなんともないクマー!)

6 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 21:45:56 ID:6njKUImk0
右手でボールキープドリブルを、そして左手を高く掲げながら、サインを作り、チームメイトへ合図を送る。

…伝わった。

少々強引で、リスキーな気もするがこの際止むを得まい。第2クォーターでの先取点は試合直後の先制点と同様に
重要であるほかに、現時点での7点と言うビハインドを少しでも軽くするためにはなんとしてでも点を取る必要があるのだ。
そしてこのチームで最も確率の高い得点方法とは。


今北⑧「スクリーンいったぞ!」

川 ゚ -゚)「わかっている!このままスイッチするぞ!」


左45度の位置に立つラウンジ⑨、武藤が逆サイドの弟者へとスクリーンをかける。
それに対応して今北⑧とクーはディフェンスをスイッチする。
その瞬間に弟者は体を反転させ、ポストへと向かって走りはじめる。ボールのない状態でのピックアンドロールを展開する。

7 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 21:46:42 ID:6njKUImk0



(・(エ)・)「そこ!」


――ビュッ


フリーの弟者に向けて鋭くパスを出すクマー。しかし。


川 ゚ -゚)(パスが5番の進行方向からずれてる……?)


レシーバーの進行方向へ若干早めのタイミングで出し、レシーバーが動きやすいジャストのタイミングで手元に到達するように
出されるリードパス。しかし、このままでは弟者のリーチを鑑みても、ボールには届かないはずだ。
得点を急き、焦って速いパスを出そうとしたが故のパスミス?
いや――


川 ゚ -゚)(ちっ……4番か!)


ボールの進行方向、弟者のさらにその先。
兄者も弟者の動きに合わせてほぼ平行にパスランをしていた。

8 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 21:53:42 ID:6njKUImk0
( ,,゚Д゚)(5番を使ったピックアンドロールは囮か…!)


/ ゚、。 /(くそっ…!5番と9番のピックアンドロールだと思って対応しようとして…4番を見失っていた…。完全にやられた!)


弟者と武藤のピックアンドロールにより弟者がフリーに。
そして今北のディフェンスが、フリーになった弟者に対応しようとすることを見越した上での、兄者へのパス。

今北のリードは7点。少ないわけではない。
しかし、第2クォーターの入りですぐさま失点してしまうことだけは避けたい。
その焦りからか、今北のディフェンス陣はローポスト付近の兄者を追おうと慌てて対応しようとする。


だが、それこそがラウンジ学園…いや、クマーの狙いであった。


( ´_ゝ`)(いいセンスしてやがるぜほんとによぉ!)


――ばちっ





/ ゚、。 /(なにっ……!?)



――ばしっ
(´<_` )「っしゃ、待ってました!!」


川 ゚ ‐゚)(弟に…弾いただと!?)

9 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 21:54:48 ID:6njKUImk0


( ,,゚Д゚)(ばかな……!このいくら双子だからってこんなタイミングのプレーができるわけ…!)


そう。――初めからわかっていなければ、こんなプレーできるはずがない。

初めから、わかっていなければ。


( ,,゚Д゚)(まさか……)


――パシュッ


(・(エ)・)「ナイッシューですクマー!弟者さん!」


(´<_` )「おうよ!」



( ,,゚Д゚)(13番……!!てめぇかっ!!)



( ´_ゝ`)「さーあ、ディフェンスだ!ハンズアーーップ!!!!」


ラウンジ一同「おおおっ!!!!」

10 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:00:40 ID:6njKUImk0
( ^ω^)「このディフェンスは……」


('A`)「1-3-1ゾーンか!」

_
( ゚∀゚)「ちょっと待てよ、こいつらの1-3-1ゾーンは今北に一度破られてるはずだろ!?なんで敢えて…!?」


(=゚ω゚)ノ「中央に位置する兄者への尋常でない負担が原因でこのゾーンは崩されちまってたじゃねーかヨウ!」


( ´∀`)「兄者くんの脚力やスタミナの強化をしてきたのかモナ…?」


<_プー゚)フ「???(話についていけない……)」<br>


ゾーンディフェンスのポジショニングは、トップに⑬クマー、中段の真ん中にラウンジ⑥、その右側に⑨武藤、左側には⑤弟者。
そして下段に④兄者だ。





( ,,゚Д゚)「へっ、もう一回あのときみたいにヘロッヘロにしてやろうかゴルァ!」


( ´_ゝ`)「やってみろ!俺たちは絶対に負けん!!」

11 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:01:30 ID:6njKUImk0
( ,,゚Д゚)(……とは言っても、だ)


一体何を考えている?
あの時と同じ戦法なのか、それとも新しいディフェンスシステムなのか。
以前はゾーンの中央を守っていた兄者が下段にポジションを変えている。
これは、新しいシステムゆえのポジション変更なのか。
それとも、以前と同じシステムだがディフェンス力に秀でる兄者の体力を温存させるためなのか。

どう攻める。

オーソドックスに攻めて様子を見るべきか、前回と同じように攻めてみるべきか。

第2クォーターに入った直後にラウンジ学園に得点を許してしまっているため、ここはさすがに慎重に攻めるべきだ。
迂闊に攻めてターンオーバーとなってしまっては、それこそ流れを持って行かれかねない。

ハーフライン付近でキープドリブルをしながら、ギコは思考を重ねる。


( ,,゚Д゚)(こっちも以前とは状況が違う。アウトサイドにはクーが。インサイドにはダイオードだっている…)


まずは、右45度。スリーポイントライン近辺でミートしてきたクーにパスを出す。

12 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:06:37 ID:6njKUImk0


――キュキュッ!


(´<_` )「ボールおk!」


( ,,゚Д゚)(1人しか出てこない…?)


以前のラウンジ学園の1-3-1ゾーンは、ゾーン周辺のプレイヤーに対しては常にダブルチーム、もしくはトリプルチームでひたすら動き回る、というものであった。
5人全員が豊富な運動量でゾーン内を動きまわるディフェンスに、今北は為す術もなかったのが事実だ。
以前の対戦時には、5人の中で群を抜いて動き回り続ける必要があった兄者のガス欠でなんとか破ることができた。
おそらく不可能であるだろうが、あのディフェンスを最後までもたせることができていたならば。
今北はこれでもかというくらいに惨敗していたはずだ。

それなのに。


( ,,゚Д゚)(ボールマンへの守りが以前と比べると甘い…?)


川 ゚ -゚)(いいディフェンスだ。インサイドには意地でも入らせないつもりか。だが…)

13 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:07:44 ID:6njKUImk0
――ダムッ!


(´<_`;)「くっ…そっ!」



(=゚ω゚)ノ「うぉっ…!」


('A`;)「はええ!」


ウィークサイドへのドライブで、クーは弟者を抜き去る。


川 ゚ -゚)(1-3-1ゾーンを崩すときのセオリー、それはコーナー付近)


川 ゚ -゚)(実際に攻めてみなくては何もわかるまい。これで奴らのたくらみを探る!)


――キュッ!


右コーナーのスリーポイントライン上でクーはストップ。
そのまま、得意のクイックモーションでのシュート体勢に入る。

14 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:08:39 ID:6njKUImk0


1-3-1の基本性質上、コーナーにいるプレイヤーに一番近いのは、ゾーン中段の両翼に位置するプレイヤーだ。


川 ゚ -゚)(つまりそいつさえ抜いてしまえば)


他のプレイヤーがヘルプディフェンスに向かうことができたとしても、それはゾーンの形を大きく崩してしまうことになる。


川 ゚ -゚)(…まあ、このタイミングで抜かれたとして、ヘルプに来れるはずg…!?)



( ´_ゝ`)「うおおおおっ!」



クーは既にシュートモーションに入っていた。
視線はリングへ。だが、視野をコート全体に張り巡らせておくことも怠らない。

その視野の中。
クー自身の正面。
ゾーン下段を守っていたはずの兄者が、クーのシュートへのチェックを試みている。

15 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:14:06 ID:6njKUImk0

川 ゚ -゚)(馬鹿な)


クーには決して驕りがあるわけではない。
そもそもクーのスピードに対応できるプレイヤーは多くない。
だから、彼はそれを純粋に事実として認識している。


――ボールはクーの右手の指先にかかる。あとは手首を返すだけだ。


川 ゚ -゚)(なぜだ)


あと少しだけタイミングが違っていたならば。
ブロックとまではいかなくとも、兄者はクーのディフェンスにつくことができていた。

クーは決して驕っていたわけではない。
彼が速いのは紛れもない、純粋な事実。


それなのに、だ。
兄者がこの位置まで詰めてくることができたのはなぜだ。


――クーの指先からボールが離れる。

16 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:20:06 ID:6njKUImk0
川 ゚ -゚)(…なんだと?)

(´<_` )「ちぃっ!リバウンドっ!」


クーの視野に、抜き去ったはずの弟者までもが詰めてきているのが映った。

いくらこの兄弟が、ディフェンスの良いプレイヤーであるとはいえ、
このタイミングで自分を止めに来ようとすることができるなど、あり得ないのだ。


放たれたシュートは高く、高く舞い上がる。


――パシュンッ!


そしてほぼ真上から、直角に近い角度でリングを射抜く。


今北産大附今北 26-18 ラウンジ学園

17 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:27:22 ID:6njKUImk0
川 ゚ -゚)(この配置は……!)

( ,,゚Д゚)(なるほど…な)



( ´_ゝ`)「くそっ、すまん!」

(´<_` )「あの野郎、速すぎだろjk」

( ´_ゝ`)「タイミングをもっと早く、だな」

(´<_` )「うむ」



ラウンジ学園が何をしようとしているのか。
それは、「それ」を体験しかけたクーが一番よく理解していた。


川 ゚ -゚)(コーナー封じ、か)


シュートを決めた直後、右コーナーにいたクーは四方を囲まれていた。

正面を兄者に、左側を弟者に。
そして、右側と背後をそれぞれベースラインとサイドラインに、である。

18 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:28:16 ID:6njKUImk0
(´・ω・`)「うーむ」

('A`)「先生、今のは…?」

(´・ω・`)「最初からコーナーで潰すつもりだったのかもしれないね」
  _
( ゚∀゚)「そもそも1-3-1にすることのメリットってなんなんすか?よくわかんないです」

(´・ω・`)「さまざまなパターンにさまざまな応用を利かせやすいからさ。だが、その分一人一人の運動量、
     そして処理すべき情報量はケタ違いだ」

(´・ω・`)「僕個人の考えだが、1-3-1ゾーンは最も習得が難しいゾーンだと思っているよ」

<_プー゚)フ「でも確かに、相手が1-3-1ゾーン敷いてきたら、コーナー起点に攻めることになるっすよね」<br>
ξ゚⊿゚)ξ「コーナーの守りが薄くなりがちなのが1-3-1ゾーンの欠点だものね」

( ´∀`)「ラウンジは、その弱点を消してしまうシステムを新たに組み込んできた、ってことモナか?」

(=゚ω゚)ノ「いやいやそんなもの……」

( ^ω^)「どうしろってんだお……」

(´・ω・`)「今のディフェンスだけではわからない。もしかするとラウンジは、1-3-1ゾーンの弱点であるコーナーを…」

( ^ω^)「?」

(´・ω・`)「いや、憶測でものを話すのはやめよう、すまない」

19 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:29:07 ID:6njKUImk0
(・(エ)・)「ドンマイ!気持ち切り替えて一本行きましょうクマー!」


変わって、ラウンジ学園のオフェンス。


/ ゚、。 /(さて、出番も少ないしそろそろエンジンかけるか)


鈴木ダイオード。
一年生にして194cmという恵まれた体を持つ。
全中ではベスト4。
しかしセンターとしての能力だけで見たならば、全中ベスト4の称号は、彼には相応しくないのかもしれない。




――だむっ


(・(エ)・)「一本!いきましょうクマー!」

( ,,゚Д゚)(憎たらしい一年坊だぜ、ほんとによ)

( ,,゚Д゚)(視線をきょろきょろ動かすことがほとんどねえ。たぶんこいつは一つの視野の中でコート内すべての動きを常に見てやがる…)

( ,,゚Д゚)(それでいて俺のディフェンスからもしっかりボールを守ってやがる)

( ,,゚Д゚)(1クォーター目が全てと判断するのは早計…だろうな。いい選手だと思うぜゴルァ)

20 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:30:06 ID:6njKUImk0

クマーは中学時代、バスケ部に所属してはいたものの、その実戦経験のほぼ全てはクラブチームやサークル、時には彼の父の勤め先の実業団にまで足を運び続けた末に身につけたものであった。

ゆえに中学での部活にはほとんど参加せず、周りとの衝突も多く、試合に出ることもほとんどなかった。

彼の協調性は皆無といってもいいほどだった。
常にレベルの高い選手たちに囲まれて練習を重ねてきた彼にとって、中学の部員たちのレベルの低さは耐えられるものではなかったのだ。

そして進む高校を決めかねていた頃に、フサギコ率いるラウンジ学園の試合を観たことで、彼はラウンジ学園への進学を決心した。

だが、彼がラウンジ学園バスケ部に入部したときにはフサギコは既に引退、卒業。そしてラウンジ学園大学のバスケ部員となっており、かわりにいたのはどこか頼りないキャプテン、兄者だった。

憧れていたプレイヤーが既におらず、「またつまらない部活なのか」と彼は嘆いた。

だがしかし、入部から一ヶ月経った頃、気づけばクマーはラウンジというチームに尊敬の念を抱いていた。

頼りなくみえるキャプテンも、あのフサギコをひたすら追いかけ、そして越えようとしていた。
キャプテンだけではない。部員の全員がフサギコのようになりたい、フサギコを越えるような人間になりたい、という意識を持っていた。

強豪にカテゴライズされるチームの中で、姿を消してもなお、これほどまでに多大な影響を与え続けているフサギコ。
そんな彼に憧れていた自分はきっと間違っていなかった。そして同志とも呼ぶべき多くの仲間たち。

中学時代にそのような気持ちをもったことのなかったクマーは、歓喜に震えた。
このチームでよかった。
このチームで活躍してみたい。

そして…このチームで勝ちたい――と。

21 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:31:12 ID:6njKUImk0

――ビッ


(・(エ)・)「兄者さん!」


( ´_ゝ`)「っし!」


クマーからハイポストの兄者へのパスが出る。


/ ゚、。 /「……フッ!」

(;´_ゝ`)(っ…くそっ、こいつやっぱり猫かぶってやがったな)


背後からの激しいプレッシャー。


( ´_ゝ`)(こいつ、ボールマンに対するディフェンスが上手いだけじゃない!)


兄者がハイポストでポストアップし、パスを受ける直前にファウル寸前のあたりで体をぶつけ、たった一歩ではあるが
彼の仕事場のペイントエリアから押し出す。


( ´_ゝ`)(この野郎…!ほんとに一年かよ!サバ読んでんじゃねえのかくそったれ!)

22 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:36:21 ID:6njKUImk0

インサイドプレイヤーにとっての仕事場である、ペイントエリア(コートに描かれている台形のライン内)。
パワーフォワードやセンターのポジションの選手にとっては、そのペイントエリア内での攻防が非常に重要なものとなる。
特に、熟練したインサイドプレイヤーにとっては、ポストアップする時点で勝負はとっくに始まっている。

よりよいポジションでガードからのパスを受け、ゴールまでの、あるいはアシストするに至るまでの概ねのビジョンは
パスを受ける時点であらかた完成していることが多い。

そして、兄者はそのビジョンをあらかた完成させた状態でパスミートを行っていた。
もちろん、相手ディフェンスの妨害等を計算に入れた上で、だ。






(´・ω・`)「ところがどっこい!!!!!!」

(;^ω^)「えっ」

(´・ω・`)「えっ」

23 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:41:07 ID:6njKUImk0


ダイオードは、兄者がパスを受け取り、攻めに転じるか否か、そのまさしく瞬間に兄者の体勢を崩させる。
故意なのかそうでないのか――もっとも、故意にそんなプレーができるのならば即刻プロからお呼びがかかるようなプレーなのだが――、
結果として、兄者は自分から攻める機会を失ってしまった。
正確には、兄者にはまだ攻めるチャンスがあったのだが、ダイオードの好プレーにより、一瞬のうちに心が怯んでしまったのだ。


兄者自身から攻めることができないのであれば――



(;´_ゝ`)(弟者……!)



無意識の内に、弟者の動きを求める。




しかし。



兄者の視野には、彼のボールを求めて動く弟者の姿はなかった。





そのかわりに。





ギコにスクリーンをかけ、クマーをフリーにしようと試みる弟者の姿が見えた。

24 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:51:54 ID:6njKUImk0


/ ゚、。 /(双子のコンビプレーじゃない……!?)



――みしっ…



(´<_`;)「うぐぉっ……!」


(; ,,゚Д゚)「ぐっ…ってぇ…!」


弟者とギコ、両者の体が激しく接触する。


( ,,゚Д゚)(くそっ……そっちかよっ!!!)



予期しないプレーに対応が遅れる今北。

弟者のスクリーンによって、一瞬であるがノーマークの状況を獲得するクマー。
そして、双子ゆえに弟者の意図を瞬時に理解し、クマーへとパスを送る兄者。


――ばしっ


(・(エ)・)(流石先輩たちが…つないでくれたパスだ!クマー)


( ,,゚Д゚)「スライドオオォォ!」



スクリーンにかけられながらも、それを必死に潜り抜け、クマーを追うギコ。



(#・(エ)・)「おおっ!」



(# ,,゚Д゚)「ゴルァァァァァ!!」

25 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:52:40 ID:6njKUImk0
――がしっ!



( ,,゚Д゚)(しまった……!)


(#・(エ)・)「うおおっ!」



――しゅっ



( ,,゚Д゚)(しまった…これで3スローかよっ…)



――ザスッ


( ´_ゝ`)「!!」


(´<_` )「っ!!」


(;,,゚Д゚)「んなっ……!?」

26 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:53:28 ID:6njKUImk0

審判「ファウル!紫4番、ハッキング!バスケットカウント、ワンスロー!」



(#・(エ)・)「っしゃあああっっっ!!!!!」



握り拳だけでなく、全身で闘志を剥き出しにするクマー。



――ウオオオオォォォォォッ!!



やや遅れて、会場が熱気に包まれる。




今北産大附今北 26-21 ラウンジ学園

27 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:54:11 ID:6njKUImk0

「今北のスリーにすかさずスリーで対抗だ!」

「それだけじゃねえ!ファウルももらって、フリースローのおまけつきだ!」



(;=゚ω゚)ノ「マジかヨウ……」


(;^ω^)「スリーでのバスカン(バスケットカウント、ワンスロー)なんてなかなかお目にかかれるもんじゃないお…」


<_プー゚)フ「イヨウさんですら滅多にないっつーのに…!まぐれだろ、あの野郎!」<br>

('A`;)「おいおいわかんねーぞマジで……!」


('A`)(でも…気のせいか?)


一瞬だけ、ほんの一瞬だけ。

あの13番の選手が、フサギコとダブって見えた。

28 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:55:00 ID:6njKUImk0


<;ヽ`∀´>「ギコ……」


/; ゚、。 /「ギコさん……」


川 ゚ -゚)「っち、何をしている。見苦しい」


( ,,゚Д゚)「…………」


川 ゚ -゚)「おい、ギk――」


( ,,゚Д゚)「大丈夫だ、すまん。リバウンド、頼むぞ」


( ,,゚Д゚)(気のせい……か?)



ボーナススローのためにフリースローラインへと向かうクマー。ギコはその姿を見遣る。
彼は一年生だ。そして、背番号は13番だ。
そんなことは、わかっている。

29 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:00:32 ID:6njKUImk0

( ,,゚Д゚)(なのに……なんで…ッ!)


クマーの背番号がぼやけて見える。

その背にぼんやりと浮かぶのは、二桁の背番号ではない。一桁の背番号だ。


――4番……?


いや、今のラウンジ学園の4番は兄者のはずだ。幻覚に決まっている。

それなのに、なぜ。


あの13番の姿が、フサギコとダブって見えるのだ?


審判「ワンスロー!」



(・(エ)・)「ふぅ」


――パスッ


今北産大附今北 26-22 ラウンジ学園

30 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:01:24 ID:6njKUImk0


――ダムッ…



<ヽ`∀´>「ギコ!気にするなニダ!いつも通り一本とっていくニダよ!」


( ,,゚Д゚)(一体なんだってんだゴルァ…あの13番も…第1クォーターでテンパってたのが嘘みたいじゃねぇか…)



クマーのプレーに動揺し、ギコのボール回しが心ここにあらず、といった具合に雑になる。
その瞬間を、クマーが見逃すはずもなかった。


(・(エ)・)「…!!」


<;ヽ`∀´>「おい、ギk……」


――ばちっ


(;,,゚Д゚)「あっ……!」

31 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:02:16 ID:6njKUImk0

川 ゚ -゚)「ちっ!あの阿呆め……!」


(・(エ)・)「速攻!クマー!」


ギコからスティールしたボールをそのままドリブルでワンマン速攻に持ち込むクマー。
はっと我に返った彼がクマーを追おうと振り返ったときには、二人の間には既に数歩分の差があった。

必死に追いかけるギコ。
そのギコを一気に追い抜き、コート上をかけるのは背番号7番、素直クールだった。


(;・(エ)・)「んなっ……!?(4番より遠くにいたのに…!?)」


相変わらず桁違いのスピード。しかしクマーは冷静にレイアップの体勢に移る。




川 ゚ -゚)「ふっ!」



――がきぃっ


(#・(エ)・)「痛っってっ…!」


手刀と見紛うほどに強烈なクーのファウル。

32 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:07:17 ID:6njKUImk0


――バムッ


シュートを放とうとしていたクマーの右腕は大きく弾かれ、ボールはリングにも当たらずボードを直撃する。
その直後、審判のホイッスルが鳴り響いた。


審判「ファウル、白7番!ツースロー!」


川 ゚ -゚)「すまない、つい熱くなってしまったようだ。ケガはないか」


(・(エ)・)「…いえ、大丈夫ですクマー」


(・(エ)・)(すかした顔してえげつないことするクマー…)



――ウォオオオォォォォ!!!

ラウンジ学園の応援席が一気に湧き上がる。
第2クォーターの開始数分で一気に点差を縮めてきたのだ、当然だろう。
このツースローを決めることができれば、ワンゴール差だ。

33 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:08:04 ID:6njKUImk0


(#,,゚Д゚)(くそっ…くそっ…くそっ……!!!!)


川 ゚ -゚)「おい」


(#,,゚Д゚)「あぁ!?」


川 ゚ -゚)「頭を冷やせ、バカギコ」


(#,,゚Д゚)「んだとっ…!俺は冷静だっつの!!」


川 ゚ -゚)「どこがだ…」


とりあえず、と一旦区切る。


川 ゚ -゚)「今のお前にボール運びを任せようとは思えない」


川 ゚ -゚)「率直に言おう。今、この試合を壊しているのはお前だ、ギコ」

34 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:08:54 ID:6njKUImk0


(#,,゚Д゚)「……くっ…(言い返せねぇ…)」


川 ゚ -゚)「だが、お前にはいてもらわなければ困るのも事実だ。悲しいことに我々にはお前の代役はいないのだから」




――ぱしゅっ


クマーが一本目のフリースローを決める。

今北産大附今北 26-23 ラウンジ学園



(´<_` )「ナイスだ、クマー!落ち着いて二本目だ!」

( ´_ゝ`)「リバウンドは任せとけよ!」

(・(エ)・)「はい、クマー」

( ´_ゝ`)(しっかし…本当にすごいやつだな、メンタルにムラこそあるものの…)

35 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:09:50 ID:6njKUImk0


――だむっ…


フリースローライン上で両手で軽く数回ドリブルをし、リズムを整える。


(・(エ)・)「ふぅ」


続いて呼吸を整え、まっすぐにリングを見据える。
頭の中で、ボールがノータッチでリングを通過するビジョンを描く。
バックスピンのかかったボールがネットを巻き上げるイメージも完璧だ。


乱れは、ない。



( ,,゚Д゚)「……だったらどうするってんだゴルァ」


川 ゚ -゚)「私がボールを運ぼう。お前は2番(シューティングガード)にまわれ」


( ,,゚Д゚)「…できるのか?急場しのぎのポジション変更がどれだけリスキーなことか、お前くらいのプレーヤーなら十分わかってるはずだろゴルァ」


川 ゚ -゚)「大丈夫だ、問題ない」

36 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:10:36 ID:6njKUImk0



――ぱしゅっ


クマーが二本目のフリースローをイメージ通りに沈める。


川 ゚ -゚)「私のもともとのポジションはポイントガードだからな」



(■_■)「えっ、そうだったの?」


今北ベンチ陣「ちょwww監督?wwww」


(■_■)「いや、だってそんなの聞いてないし」


今北ベンチ陣「えっ」


(■_■)「えっ」



――ダムッ…


川 ゚ -゚)「おーし、いっぽーん」

37 名前:名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:15:05 ID:6njKUImk0


第五章 完

( ^ω^)が高校バスケで日本一を目指すようです - 1318249837 - したらば掲示板
返信2011/10/24 12:53:20

9jigendaddyjigendaddy   第6章 ラウンジVS今北(後編)

50 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:32:06 id:oJG0X3EY0





第6章 ラウンジVS今北(後編)






.

51 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:33:31 id:oJG0X3EY0


――ダムッ…



( ´_ゝ`)「7番がボール運びだと…?」


(´<_` )「確かに4番はだいぶ崩れてはいたが…」


(・(エ)・)「これは…『引きずり出した』ってことになるんでしょうか?
      今まで7番がポイントガードに入っていたデータはないはずですクマー…」


武藤「それとも替わりがいなくて仕方なく…なのか?いずれにせよ様子を見るしかない…か」

52 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:34:11 id:oJG0X3EY0


( ・∀・)「ふーむ、久しぶりのセリフ」


( ><)「僕もなんです!」


从'ー'从「私もです~」


( ・∀・)「さて…挨拶はさておき、だ」


( ><)「7番のクール君がポイントガードで出場したときのデータが見つからないんです!」


从'ー'从「どうやら初めての機会のようですね…『日本では』。」


( ・∀・)「渡辺、彼について何か知っているのかい?」


从'ー'从「噂程度ですぅ~」


( ・∀・)「彼はアメリカでのプレー経験があるようだが?」


从'ー'从「はい~、アメリカではそれなりにブイブイ言わしてたようですよ~」


( ><)「ブイブイだなんて…ナウすぎるんです!」


( ・∀・)「黙ってろ産廃」


( ><)「…………」

53 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:34:51 id:oJG0X3EY0

バスケットボールの国、アメリカ。
高いスキルに加えて、天賦の才と言っても過言ではないほどの生まれついての身体能力を備える選手が多く育つ国だ。

そもそもアメリカにおいてバスケットボールというスポーツは子供達が気軽に楽しめるスポーツである。
街中のリングでは若者たちがバスケットボールを持って楽しそうに駆け回る。日本ではなかなかお目にかかれない光景が日常だ。

好きこそものの上手なれ、とでも言うべきか。
そもそもの環境が違うため、日本のそれと比べるのはいささかナンセンスであるが、プレイ人口、そしてボールと触れ合う時間が多いということは、
才能あるプレイヤーの現れる確率も高い。
それだけでなく、ひたすらに努力を重ねたことで(当然、才能ある者も人並みならぬ努力を重ねているのだが )、めきめきと
頭角を現してくる選手も少なくない。


そんな中で、クーは戦っていた。

54 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:36:08 id:oJG0X3EY0

彼の身長は低い。

日本にいても小さく見られることの多い彼がアメリカ人たちに混じってコートに立っている姿には、やはり違和感があるのかもしれない。


元々の身体能力の時点で、アメリカ人のそれには大きく劣っていた。
鍛えたところで、その伸びしろも彼らには到底及ばない。

しかしそれでもクーは己の体を限界まで鍛え抜いた。


当然、敵わなかった。
ルーズボールを奪い合う際に軽く接触しただけで何度も何度も吹き飛ばされた。

何度もコートにはいつくばった。
何度も、何度も、何度も、何度も。


その様から「雑巾がけ」と罵られようとも、彼は決して諦めなかった。


そして、考えた。
自分にしかできない――そんなプレイヤー像はないか。
ただひたすらに、考えた。

55 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:37:54 id:oJG0X3EY0

川 ゚ -゚)(負けるわけにはいかない)


川 ゚ -゚)(チームの勝利も必要だ。だが――)


川 ゚ -゚)(私自身の存在価値の証明のためにも、だ)



――ダムッ…


川 ゚ -゚)「ギコ、回すぞ。好きに攻めろ」


(,,゚Д゚)「おうっ!頼むぜ!」


(・(エ)・)「っし、ハンズアpp…」



――しゅっ



(・(エ)・)「…えっ?」


( ・∀・)「パス回しも何もなしでいきなりスリー…!?」



――ぱしゅんっ!

56 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:38:34 id:oJG0X3EY0



川 ゚ -゚)「ノーマークだったのでな、つい打ってしまった」


(;・(エ)・)(ノーマークって…!リングまで何mあると思ってるんだ…!?)



ξ;゚⊿゚)ξ「遠っ…」


(*゚ー゚)「しかもあの高い軌道なのにノータッチで…」


('A`)「イヨウ…お前があの距離でシュートしたとしたら…?」


(=゚ω゚)ノ「…3本中、1本入ればいい方だと思うヨウ…」


( ^ω^)(僕からしたらそれでも十分すごいお…)

57 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:39:38 id:oJG0X3EY0


( ・∀・)「…NBAではスリーポイントラインは日本よりも遠い」


( ><)「クール君の決めた位置はスリーポイントラインよりも2mくらい離れてたんです!」


从'ー'从「それが彼の見つけた、彼なりの戦い方なんでしょうかねぇ~?」



( ´_ゝ`)(なんつーめちゃくちゃな…。しかしこれはやけくそのポジションチェンジなのか…それとも勝算があって…?)


(´<_` )(タイムアウトもとらずに…か。時計が止まらなかったのはこちらとしてもありがたい。
       流れを切らずに済んだんだからな)


( ´_ゝ`)(うむ。だが……嫌な予感がする)


(´<_` )(同感だ。逆にこちらがタイムアウトを取る必要があるのではないか?兄者よ)


( ´_ゝ`)(…様子を見るしかないだろう…)


(´<_` )(…だな)

58 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:40:45 id:oJG0X3EY0

( ・∀・)「ラウンジ学園の1-3-1ゾーンは、選手各々の間隔が広いね」


( ><)「見たらわかるんです」


从'ー'从「黙ってろ殺すぞ」


( ><)「…」


( ・∀・)「おそらくだが、アウトサイドへの対応をより柔軟に行うためだ。無論、選手間の間隔を広げるということは
       一人一人の守るべきエリアも広くなる。そしてヘルプディフェンスに駆け付けるための距離も大きくなる」


从'ー'从「しかしラウンジ学園の選手たちのディフェンス力・判断力ならば間隔を広げて守ることができる…と?」


( ・∀・)「理解が早くて助かるね。そういうことだろう。あ、ビロードくん!」


( *><)「はっ……はいなんです!」


( ・∀・)「コーヒー買ってきておいてくれない?僕と渡辺のぶん」


( ><)「……(ここまで扱いひどかったっけ…)」

59 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:42:12 id:oJG0X3EY0

かわって、ラウンジ学園の攻撃。
ポイントガードへと移ったクーであるが、クマーとクーでは約30cmものミスマッチがあるため、クマーのディフェンスにはギコがつく。



川 ゚ -゚)(あれくらいのサイズのガードなら向こうにはごまんといたから問題ないんだがなあ…まあ、いい)



――ダムッ…



(・(エ)・)(僕たちの1-3-1はアウトサイドからの攻撃も封じ込めるためのディフェンスだったはず…
     スリーにも対応できるように、通常のものよりだいぶ広く間隔をとってある…)


(・(エ)・)(それでも対応しきれない距離から放たれるシュート…一体どうすれば?)



――キュキュキュッ!


(,,゚Д゚)「ゴルァ!」


( ´∀`)「さっきよりディフェンスが激しくなってきてるモナ!」

  _
( ゚∀゚)「あの野郎、エンジンかかってきやがったか!?」


(・(エ)・)「くそっ…!」

60 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:43:21 id:oJG0X3EY0

――ばちっ


川 ゚ -゚)「どこを見ている、こっちだ」


(;・(エ)・)(7番…いつの間に!?)



(,,゚Д゚)「ナイスだ、クー!速攻だ、走れぇっ!!」



ギコとクーの二人による速攻。
クマーは必死にくらいつく。


川 ゚ -゚)「ギコ!」



――びっ…ばしっ


クーからギコへのショートパス。


(・(エ)・)「ちっ…」


クマーがギコへ対応するために体を反転させようとしたその瞬間に、


(,,゚Д゚)「クー!」



――びっ…ばしっ



ギコからクーへのリターンショートパス。

そしてクーはスリーポイントライン上で急ストップ。

61 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:44:26 id:oJG0X3EY0

(・(エ)・)(速攻でスリー…!?)


(・(エ)・)(いや!こいつならやりかねないクマー!…それともそう思わせておいて4番をゴール下に走らせてくるのか!?)


( ´_ゝ`)「クマーっ!上だーーっ!」


(・(エ)・)「えっ…(4番と逆サイド…?)」


――びっ


上空へ放られるボール。
その方向は、ギコとは逆サイド。
その視線の先には――


川 ゚ -゚)「珍しくいい仕事をしたじゃないか――



――ばしっ



川 ゚ ー゚) ――エラ張りっ!」



<ヽ`∀´>「その呼び方は人権侵害ニダッ!!!」



――ガコンッ!

62 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:45:44 id:oJG0X3EY0


<_プー゚)フ「うほーっ!アリウープ…」

  _
(;゚∀゚)「ちょっと待てよ、あのキムチ野郎!いつの間にダンクできるように…」


(;^ω^)「しかも踏み切り位置がかなり遠かったお…」


(=゚ω゚)ノ「兄者があんな易々とやられるなんて…」


(´・ω・`)「あの二人の脚力に匹敵するダッシュ…かなりのものだね。それに加えてミドルポスト付近から踏み切ってのダンク…
      どうやら随分と体を改造してきたようだね…じゅるり」


ξ゚⊿゚)ξ「えっ」


(*゚ー゚)「えっ」


(´・ω・`)「えっ」

63 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:47:23 id:oJG0X3EY0
――ダムッ…



(・(エ)・)「すみませんクマー!一本!クマー!」


(,,゚Д゚)「ゴルァ!」


――キュキュキュキュ!


再度、ギコの激しいディフェンスがクマーを襲う。



(・(エ)・)「何度もーー!」



合わせて、左腕でのキープドリブルでボールを守るクマー。
同時に、右側の腕の手の平をギコの背中へと伸ばす。

そして、自分の体を巻き込ませながら右足をギコの背面に入れ、そのまま右腕で背中も抑えて動きを封じる。


(#・(エ)・)「やられてられっか!クマー!」



――ダムッ!

65 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:48:25 id:oJG0X3EY0
(,,゚Д゚)「うおっ…!?カバーーーッ!」


/ ゚、。 /(うまい…!!)



(,,゚Д゚)(…!くそ、なんて兄弟だ…今の一瞬でもうスクリーンをかけ合ってフリーになってやがる…!)


<ヽ`∀´>「そう何度も何度もやられないニダ!!」



ニダーがすぐさまスイッチ…というよりは、流石兄弟のピックアンドロールに対応できるような位置にディフェンスポジションをとる。
咄嗟に出たプレーだったが…



(・(エ)・)(くそっ…あの韓国人のせいで流石先輩たちに捌けないクマー…あの位置じゃどっちに出しても取られる…。
      絶妙なポジショニング!この韓国人、かなりのプレイヤーだクマー…!)



――今北ベンチ――



「うおおぉっ!ナイスディフェンスだぜニダー!」


(■_■)(あれは多分マグレだ…)

66 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:49:17 id:oJG0X3EY0

(・(エ)・)(くそっ…自分で行くしかないクマー!)



――きゅきゅっ



ハイポスト付近でステップを踏む。



(・(エ)・)(幸いそんなに距離があるわけでもないクマー。
      フェイドアウェイ気味のシュートで、あわよくば後ろから僕を追って来る4番のファウルを誘う!)


――ずだっ



(,,゚Д゚)(フェイドアウェイか…!くそっ、この位置じゃ無理矢理チェック行ったらファウルになっちまう!)



( ´_ゝ`)(´<_` )「いけっ!」



――しゅっ…



(・(エ)・)(いけっ…)



その瞬間、クマーの視界にぬっ、と何かが現れる。

67 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:50:01 id:oJG0X3EY0


/ ゚、。 /「甘いっ!!」



――ばちぃっ!



<_;プー゚)フ「鈴木ダイオードっ…!」



(;><)「フェイドアウェイをブロック…!?」


从'ー'从「ブロックを避けるために後ろに跳んで放つシュートなのに…」


( ・∀・)「後ろへのジャンプが少しだけ甘かったかもしれない。それにしてもあれに届くなんて…」



ダイオードにブロックされ、力無く空中に舞い上がるボール。それに食らいつくために、ダイオードは再度跳ぶ。



(#´_ゝ`)「渡すかっ!ちゅーーーーー!のーーーーーーっ!!!」



――がしぃっ!



ゴール下から上がってきた兄者も全力でジャンプしてルーズボールにくらいつき、ダイオードと空中でぶつかり合う。
そして――

68 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:51:05 id:oJG0X3EY0


/;゚、。 /「むぅっ…おっ…」


(#´_ゝ`)「おらあああああぁぁぁっ!」



競り勝ったのは兄者だ。
しかし、強引にランニングジャンプを試みたことと、空中での競り合いに意識が向きすぎたこともあり、
兄者はバランスを崩し、そのままコートへ倒れ込む。その瞬間、倒れこみながらもクマーへのパスを送る。



(・(エ)・)「ナイスパスっ…」


(,,゚Д゚)「打たすかっ…!」


(・(エ)・)「かーらーのーナイスパスっ!」



――びゅっ



パスの先にはゴール下でちゃっかりノーマークになっていた弟者。



――ばしっ



(´<_` )「っしゃ、ナイsーー」

69 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:55:05 id:oJG0X3EY0

<ヽ`∀´>「打たせんニダっ!!!」



――バゴッ!



(´<_`;)「なん…だと…」



「い…今北のディフェンスがやべえーーーっ!」

「連続でブロックショットだ!」

「ルーズボールになるぞ!」



――バムッ…


ニダーのブロックしたボールはペイントエリアに落ち、クマーの近くでワンバウンド。



(・(エ)・)(このルーズをとってもう一本…オフェンスを組み立て直すクマー…)


(#,,゚Д゚)「おおおおおおっ!」

70 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:56:05 id:oJG0X3EY0

審判「ファウル!白4番、プッシング!」


(,,゚Д゚)「今のがファウル…!?」


(・(エ)・)(今の笛はラッキーだったクマー…)



(´・ω・`)「今北はずいぶんしっかりディフェンスをするようになってきたね。それだけじゃない…」


('A`)「ルーズボール争いみたいな細かいプレーにも全力だ……ですよね?先生」


(´・ω・`)「その通りだ。本当に強いチームというのは、いつ、いかなる場合であっても気を抜かない。
      そしてーーチームの不調もコート内で立て直すことができる」

  _
( ゚∀゚)「ギコとクーのポジションチェンジも、特に指示があったわけでもなさそうでしたしね」


ξ゚⊿゚)ξ「そういう意味では、今北はまた一つ壁を越えたってことになるわね…」


(=゚ω゚)ノ「ちょっと前までとは比べものになんねえヨウ…」


(*゚ー゚)「この試合を観て…なんとか突破口を見つけなきゃね…!」

71 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:56:48 id:oJG0X3EY0

――バスッ



( ´_ゝ`)「っし!」



――ウオオオォォォォォォ!いいぞいいぞ兄者!いいぞいいぞア・ニ・ジャ!



(´<_` )「流石だぜ兄者!gjだ!」


( ´_ゝ`)「おうっ!いいかお前ら!ここいらでばしっと止めるぞ!まだまだ全然ゾーンが機能してない!気合い入れていけよ!!」


ラウンジ一同「おおっ!」



――ダムッ…



川 ゚ -゚)(さて、状況を整理しよう)

72 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:57:50 id:oJG0X3EY0


川 ゚ -゚)(ゾーンの外から打てている今はいい。だが、攻めが単調になる前にいくつかのパターンで得点しておきたいところだ)


川 ゚ -゚)(守られたから新しい攻めに転じる――なんてのは結局、後手に回っているにすぎない。
     相手が今の攻め方の対策を練ってくる前に、奴らを撹乱する必要がある)


川 ゚ -゚)(そうすれば、ゾーンは自ずと崩壊する)



/ ゚、。 /「クーさん!ハイポです!」


川 ゚ -゚)「ああ!ダイオードっ!」




――びゅっ…ばしっ



ハイポストにフラッシュしてきたダイオードへパスを通す。

ボールがインサイドに入ったからといって、一気に囲みにくる様子はない。
全員がボールサイドに軽く寄る程度だ。

73 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:58:40 id:oJG0X3EY0


ダイオードの視野に、パスランを仕掛けるクーの姿が映る。



/ ゚、。 /「クーさん!」



ダイオードからクーへ、手渡しのパスが渡る。
そして、一気にゴール下へ侵入する。


( ´_ゝ`)「ちっ…ヘルプ!!」


川 ゚ -゚)( 計 画 通 り ! )



川 ゚ -゚)「ギコ!」


――びゅっ!


(,,゚Д゚)(たいしたセンスだぜゴルァ…)

74 名前:名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:59:34 id:oJG0X3EY0


(,,゚Д゚)(そもそもこいつらがこの1-3-1ゾーンでやりたいことは、コーナーでボールを封じることだ)


(,,゚Д゚)(オフェンスのボール回しにおいて重要な場所であるコーナーに守りの重点を置くことで、オフェンス側が使えるコートの面積を一気に狭くする…
     そしてコーナーを使えないというだけでオフェンス側は攻めの選択肢を削らざるを得ない…)


/ ゚、。 /(そしてコーナーを潰しにかかるのはゾーン中段の両ウイングの選手と、ゾーン下段の選手の二人…)


/ ゚、。 /(そしてその一人、4番の兄者は今、クーさんを止めるためにヘルプに出ている)



――ばしっ



(,,゚Д゚)「しゃあっ!」


<ヽ`∀´>(コーナーの守りは一人だけ。手薄ニダ!事実上のワンオンワン、ギコの突破力ならなんら問題ないニダよ!)

75 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:03:38 id:EYE2P56o0


(´<_` )「簡単に行かせると思うか!?」


(,,゚Д゚)「行ってやるよ!止めてみろやあっ!」



――ダムッ!


エンドライン沿いに、鋭いドライブ。


(,,゚Д゚)(どうだっ…!)



――キュキュキュキュ!



素早いスライドステップでギコの前に入り込む弟。



(´<_` )「よう、また会ったな」


(;,,゚Д゚)「んなっ!?」

76 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:06:40 id:EYE2P56o0

そして、一瞬だけギコの突破が止まる。

一瞬さえあれば大丈夫だ。そう――彼らにとっては。



――キュキュキュ!



( ´_ゝ`)「お待たせ、弟者」


(´<_` )「なんだ、兄者か」


( ´_ゝ`)「なんだとはなんだ、まったく」



――キュキュキュキュキュ!キュキュキュ!



(;,,゚Д゚)「ぐっ…(なんつーカバーの速さだよ…!)」



('A`)「カバーはっえ…」


(;^ω^)「流石兄弟のダブルチーム……おえ…」

77 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:10:02 id:EYE2P56o0
/ ゚、。 /(まずい…!)


/ ゚、。 /「ギコさん!一旦外に出してください!」



自分の持ち場を一旦離れ、オフェンスを組み立て直すためにダイオードが外に開く。


(,,゚Д゚)「くそっ…頼むダイオードっ!」



――びゅっ



川 ゚ -゚)「ばっ…待てっ!」



――ばちっ



(・(エ)・)「取りました!速攻!」


/;゚、。 /(トップの13番がここまでフォローに…!?)


<;ヽ`∀´>「速攻出させるなニダ!戻r…」



ギコからダイオードへのパスをクマーがインターセプト。

その瞬間にラウンジの1-3-1は一気にその形を変えた。

78 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:11:01 id:EYE2P56o0


ゾーンの中央を守るラウンジ⑥がボールサイドの逆サイドの前線へ駆け上がる。
そしてラウンジ⑥が前線へ走ったことにより空いた中央のスペースに逆サイドから武藤が入り込む。


一瞬で三線速攻の形が完成した。


そのあとは至極スムーズだ。

クマーから中央へ入ってきた武藤へ。
そして、武藤から先頭を独走するラウンジ⑥へ。



「なんっつー速攻だよ…!速すぎんだろ!」

「あの速攻こそまさしく速攻だよ!なんかうまく言えないけど、とにかくすげえ!」

79 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:12:53 id:EYE2P56o0


( ゚∀゚)「…なあ、こいつら敵なんだよな」


('A`)「どうしたんだ、ジョルジュ?」

  _
( ゚∀゚)「こいつらと同じ舞台に立って戦わなきゃいけないんだよな、俺たち」


(=゚ω゚)ノ「急になんだヨウwwまさかびびってんのかヨウ?」

  _
( ゚∀゚)「ちげえよ、こんなこと認めんの癪だけどよ…俺、見とれちまった…」


( ^ω^)「…僕もだお、こんなに綺麗でしなやかな速攻、初めて見たかもしれないお…」


(´・ω・`)(やはりそうか…)


<_プー゚)フ「ショボンせんせ、どーしたんすか?難しい顔して」


(´・ω・`)「うん、どうやらこの1-3-1ゾーンはね…」

80 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:13:57 id:EYE2P56o0
(■_■)「…元々この速攻が狙いだったのか…」


今北ベンチ一同「どういうことですか?監督…?」


(■_■)「コーナーでボールマンをダブルチームで潰すのが、このディフェンスの狙いだと思っていた…。
     ギコやクー達もおそらくそう思っていたのだろう」


今北ベンチ一同「今の速攻がその答えだ、と…?」


(■_■)「そうだ。いかに速く速攻のラインをうまくつなぐのか――その結果生まれたのがあのゾーンなのだろう」



( ・∀・)「――とまあ、いかに守りきるか・ボールを奪うか、ではなく、いかに早く攻めるか、に重きを置いたディフェンスなんじゃないかな、
       的な」


( ><)「むずかしくてよくわかんないです!」


( ・∀・)「コーヒーまだ?いつになったら買ってくんの?」


( ><)「……」



ε=ε=(;><)        【自販機】

81 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:14:45 id:EYE2P56o0

从'ー'从「ディフェンスにおいてもオフェンスにおいても、コーナーでの攻防が鍵になりそうですねえ~」


( ・∀・)「そうだね、コーナーがディフェンスの終点、そしてコーナーが全てのオフェンスの
       起点になっていると考えていいだろう」


从'ー'从「ゾーンディフェンスの利点は速攻を出しやすいことですが…その理由としては、プレイヤーの場所が
     ほぼ固定されていることが挙げられますもんね。そのおかげで速攻につなげやすいから」


( ・∀・)「ああ、そして当然だろうが、どの場所でボールを奪ってもあの流れるような速攻を出せるように、
       彼ら全員の頭にいくつものパターンがインプットされているんだろう。」


从'ー'从「『ここでボールをとったらこの動き』、『あそこでボールをとったらあの動き』…って具合に、ですか」


(;><)「コーヒー買ってきたんです!」ゼーゼー


( ・∀・)「これカフェオレじゃないか、僕は微糖派だよ。もう一回行ってきて」


( ><)「……………」



ε=ε=(;><)        【自販機】

82 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:16:04 id:EYE2P56o0

川 ゚ -゚)(ちっ、元から速攻狙いのディフェンスだったのか…)


(,,゚Д゚)(ディフェンスをすることよりもその先のオフェンスに意識を置いたディフェンス…さしずめ、超攻撃的ゾーンってところか…)


/ ゚、。 /(それなのにこのディフェンス力……なんてチームなんだ、ラウンジ学園…)


(,,゚Д゚)(もともとディフェンス重視のチームなんだ、組織としてのディフェンス力は相当なもんだ…。
     それなのに、一瞬ワンオンワンになったあの状況で、個人対個人のあの状況で!なんぜ抜ききれなかった…!?)



(´<_` )「ラウンジのディフェンスをあまりなめるなよ」


(,,゚Д゚)「なに……?」


(´<_` )「俺達がどれだけディフェンスの練習を積んできたと思ってる」


( ´_ゝ`)「嫌になるくらい多かったディフェンスの練習も、ずいぶんと増やした」


(´<_` )「朝も、昼も、夜も。ひたすらディフェンスさ。夢の中でフットワークをしていたことだって一度や二度じゃない」


(#´_ゝ`)「オナニー中にふとディフェンスの練習をしている自分の姿を思い描いてしまい、
       その瞬間に果ててしまったときのなんともいえないがっかり感がお前にわかるか!?」

(;,,゚Д゚)「お…おう?」


(;・(エ)・)「先輩、早くゾーン組んでくださいクマー!」

83 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:17:50 id:EYE2P56o0

川 ゚ -゚)「オナニーのくだりはさておき、だ」


川 ゚ -゚)「奴らが前回よりも格段にディフェンスを強化してきたというのはあながち嘘でもないようだな」


(,,゚Д゚)「ああ…抜いたのに追いつかれるとは思わなかったぜゴルァ」


(,,゚Д゚)「だが」


(,,゚Д゚)「本当に恐れるべきはディフェンスじゃねえ、そこから生み出されるあの速攻だ」


川 ゚ -゚)「うむ。あそこまで無駄なくスピーディーに繋がれてしまっては私も追いつきようがない」


川 ゚ -゚)「基本的にはコーナーはフィニッシュポイントとして使うのがベターだと思うのだが」


(,,゚Д゚)「同感だ。お前ならともかく、俺らじゃすぐに囲まれてみすみす速攻をやっちまうようなもんだ、悔しいがな」


川 ゚ -゚)「自分の弱さを受け入れるのも一つの強さだ。冷静になってきたじゃないか」


(,,゚Д゚)「なんとかしてあいつらを顔面ホワイトプランにしてやりてえだけだよ。
     リズムを崩してやることさえできればコーナーにも綻びが生まれてくるはずだ」


川 ゚ -゚)「オーケイだ、期待してるぞ。さあ一本だ」

84 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:19:04 id:EYE2P56o0


――ダムッ…



( ´_ゝ`)(今の速攻はまさしく狙い通りだった。いくら今北の選手が俊足でもボールのスピードの方が上なんだからな)


(´<_` )(コーナーで動きを封じることさえできれば、どこに出たパスでも反応して様々なパターンから速攻を出せるように
       練習は馬鹿みたいに積んできた!)


( ´_ゝ`)(このゾーンでは速攻で走る選手を固定しているわけじゃない…ボールをとった位置によってはセンターの俺だって
       先頭を走るときもある)


(・(エ)・)(まさしく超攻撃的ゾーン…!でもそれが活きるのはディフェンスからなんだ、絶対にサボらないクマー!)



――キュッ…



川 ゚ -゚)(ずいぶん前に出てきたな…長いスリーを警戒しているのか)


川 ゚ -゚)(だが、その時点で既に振り回されているのだということに気付けないということさ)

85 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:19:53 id:EYE2P56o0

川 ゚ -゚)「前に出過ぎだ一年生!それではゾーンの意味がないではないか!」


(・(エ)・)「よく言いますね!出てこなければ打つくせに!」


川 ゚ -゚)「ははっ!その通りだ!」



――ダムッ!



(・(エ)・)「ちっくしょ…!」


( ・∀・)「ドリブル一発で…!」


( ><)「一瞬でトップスピードに…!」


从'ー'从「お、珍しくまともなことを」


川 ゚ -゚)(まんまと挑発に乗ってくれるとはな。若い若い)



クマーをワンドリブルで抜き去ったクーはスリーポイント上で、ノーマークでシュートを放つ。

86 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:20:39 id:EYE2P56o0

(#・(エ)・)「うあああああっ!」



――びしっ…



川 ゚ -゚)「むっ……!?」


(・(エ)・)(指先はかすったはずだクマー!落ちろっ……!)


( ´∀`)「クール君のシュートを止めた…!?」


('A`)「リーチの差が出たか!」


(=゚ω゚)ノ(あの時俺が一本も止められなかったクーのシュートを…!)


(,,゚Д゚)「リバウンドだーっ!」


<ヽ`∀´>(この軌道は……!)


/ ゚、。 /(これは……いくらなんでも無理だっ!)


――ダンッ…


ボールはリングとは大きく外れたコート外に着弾。ほぼ真上からコートに叩きつけられ、高く跳ねる。

88 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:21:57 id:EYE2P56o0


――ピィッ!



審判「アウトオブバウンズ!白ボール!」



( ^ω^)「エアボール…?」


(´・ω・`)「あの7番…素直クールのシュートの特徴の一つは、尋常でなく高いアーチだ。それが裏目に出たね」

  _
( ゚∀゚)「ほとんど垂直に近い角度でボールが落ちてきますもんね」


ξ゚⊿゚)ξ「あの軌道じゃあ、ほんのわずかな誤差でも、落下点には大きなズレが生まれることになるわね」


(*゚ー゚)「逆に言えばあの高すぎるアーチであの成功率を誇っていることがそもそもすごすぎるんだよね…」

89 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:23:03 id:EYE2P56o0

(・(エ)・)「中学上がりたてだからって油断してるんですかクマー?」


川 ゚ -゚)「…はっ、言うじゃないか。いっちょ前にこの私を挑発するとは」


(・(エ)・)「挑発なんてものは対等に近い、もしくは格下が格上に使うものですよ?クマー」


川 ゚ -゚)「…ふん。だが、貴様の技術は認めざるを得ないようだ」


(・(エ)・)「それは光栄ですクマー」




エンドライン外からの今北のオフェンスで試合は再開される。ボールを出すのはクーだ。
ここはインサイドのニダーとダイオードの二人によるスクリーンプレーでニダーが確実にゴール下から得点する。


――うぉぉぉぉぉっ!いいぞいいぞニ・ダ・ー!いいぞいいぞニ・ダ・ー!正直迷惑!祖国愛!


<#ヽ`∀´>イラッ

90 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:24:25 id:EYE2P56o0


<ヽ`∀´>「ところでゴール下が随分手薄になってるけど大丈夫ニダか?」


( ´_ゝ`)「くっそ…」


( ´_ゝ`)(こいつの体の強さは一体なんなんだ…?こんな力強かったかこいつ!?)


<ヽ`∀´>(田守監督の地獄の筋トレのおかげニダ…)


<ヽ`∀´>(不思議なもんニダ。最初はあんなに嫌だった筋トレも、鏡で自分の体を見て体つきの違いが実感できたり…
      練習で体が強くなってきたのを実感できたりすると、どんどん楽しくなっていたニダ)


<ヽ;∀;>(田守監督には感謝してもしきれないニダ…)


(■_■)(あいつはすぐサボるし寮の規則も破りがちだったからな。あいつの大嫌いな筋トレを罰として与えていたのに、
      いつの間にか自分から進んで筋トレするようになってた、生粋のドM…まあ結果オーライか)


今北ベンチ一同(心の声が聞こえたぞ……!この人やっぱかなり適当なんじゃないか…?)


(■_■)「ん、どうかしたか?」


今北ベンチ一同「いっ、いえ!」

91 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:26:42 id:EYE2P56o0


( ´∀`)「今北のインサイド…強いモナね」

  _
( ゚∀゚)「ああ…」


<_プー゚)フ「力だけじゃない、ってのが厄介極まりなさそうっすね」


(-_-)「エクストを投入してインサイドの充実を図るべきか…?」


(・▽・)「そしたらアウトサイドのギコさんやクーさんはどうするんだよ!」


(-_-;)「そ、それは…うーん…」

92 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:28:08 id:EYE2P56o0


(・(エ)・)(インサイドのこの強さは予想外だったクマー…いくら有利な場所でボールを持ったからとはいえ
      兄者さんから普通に点を取ってくるなんて…)


(・(エ)・)(だけど、それなら簡単な話クマー。事前の情報を消去するだけ。
     『インサイドは弱いかも』なんて希望的観測は勝利の妨げでしかないクマー)


(・(エ)・)(そして心配するべきはそんなことじゃない…)



(,,゚Д゚)



(・(エ)・)(この4番クマー…いつまでそうやっておとなしくしているつもりクマー?)


(・(エ)・)(クマー…気をつけろよ。そして、頼むぞ…)


(´<_` )(あの4番は…ギコは!必ずその本性を現してくる!)


(・(エ)・)(わかってます、流石先輩。だからこそ今のうちにできるだけ点差をつけておきたい!だけど…突き放せない!)


(´・ω・`)(チーム力が本当に高くなっているね…やれやれ本当に厄介な相手だ)

93 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:29:07 id:EYE2P56o0

´<_` )「クマー!こいっ!」


(・(エ)・)「はい!弟者さん!」



――ビッ…ばしっ


(´<_` )「っしゃ!」



クマーから左45°の弟者へパスが通る。

弟者はボールを持った瞬間に素早く左右にフェイクを入れる。

マッチアップの今北⑧はワンオンワンからのドライブを警戒し、体勢をぐっと低く構える。
今北⑧がドライブのフェイクにかからないと見るや、すぐさまシュートフェイクに。今北⑧はシュートを打たせないために、シュートチェック。
つられてジャンプをするような愚行は決して犯さない。

しかしシュートチェックのために腕を伸ばしたことによって生まれた僅かな隙間に、弟者は強引に体を割り込ませる。



今北⑧「くそっ…ファウルだろ!?」


(,,゚Д゚)(ギリギリだ…うめえなあの野郎!)

94 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:29:53 id:EYE2P56o0

( ^ω^)「ファウルすれすれのプレーがちょいちょい目立つおね」


('A`)「それだけどっちもギリギリのところで戦ってるってことだろうな」



――パシュッ


――うぉぉぉぉぉっ!いいぞいいぞオ・ト・ジャ!いいぞいいぞオ・ト・ジャ!



「ラウンジもやり返したー!」

「すげえ!マジでどっちも一歩も引かねえ!」

「オフェンスでもディフェンスでも一進一退だ!」



その後、ラウンジ学園は固い守りの1ー3ー1ゾーンからの速攻、セットオフェンスからのコンビプレーにワンオンワンと
多彩なパターンから得点を重ねる。

しかし今北も全く引けをとらない。
クーのアウトサイドシュートにギコのワンオンワン、ニダー・ダイオードの連携プレーとこれまた多彩なパターンで得点を重ねる。

95 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:30:42 id:EYE2P56o0
ここで特筆すべきはやはり今北のディフェンス力の高さだろう。
守りを重視するラウンジとは対照的に、今北はどちらかと言えば攻めを重視しているチームであった。

その今北も、新チーム・新体制を迎えるにあたってディフェンスをしっかりと鍛え込んできていたというのは
ラウンジにとって唯一の誤算であった。


試合は、ラウンジの堅い守りと今北の不器用ながらも強い守りが。
そしてラウンジの鮮やかな攻めと今北の力強く華麗な攻めが拮抗したままハーフタイムを終えた。


そしてその均衡は第3クォーターに入ってからも崩れなかった。


第3クォーター残り2分。



――ぱしゅっ


川 ゚ -゚)「うむ」


(;・(エ)・)(また……!)


今北産大附今北 69 - 66 ラウンジ学園

96 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:34:07 id:EYE2P56o0


クーのスリーポイントで今北は同点の状況から脱出する。
ラウンジがディフェンスを変更してからはロースコアなシーソーゲームとなる。これは今北にとって完全な計算外。
試合運びとしてはラウンジが若干優勢だ。


ラウンジは弟ドライブから兄者へ絶妙なパスを捌き、そのまま兄者のポストプレーで加点。
さらに1-3-1ゾーンでのインターセプトに成功、瞬く間に速攻を決めてみせ連続得点。
すぐに再逆転に成功する。


その後の残り時間は双方のディフェンスが光り、無得点のまま第3クォーターは終了した。


――ビーーーーーッ!


審判「第3クォーター終了!2分間のクォーターブレイクに入ります!」



今北産大附今北 69-70 ラウンジ学園

97 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:35:15 id:EYE2P56o0


从'ー'从「もうずいぶん長い時間競ってますねえ~」


( ・∀・)「精神的な疲労もお互い相当なものだろうね。当然だがどちらも相手を引き離したい、しかしお互いに引き離せない」



――ラウンジベンチ――


(´<_` )「よおっし!」

( ´_ゝ`)「気持ち切らすなよ!このまま突っ走れ!!」

(;・(エ)・)ハァッハアッ

武藤「クマー…とにかく2分間休んでくれ。全力でだ」

(;・(エ)・)「ハアッ…は、はい……」

98 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:35:57 id:EYE2P56o0

――今北ベンチ――


(,,゚Д゚)(なぜノリきれない…?これだけ緊迫してるゲームだってのに…!)

(,,゚Д゚)(不甲斐ねえ…マジでイライラするぜ、自分によお!!)


<ヽ`∀´>「おいギコ、いつまで余裕を…!」


川 ゚ -゚)「黙ってろエラ張り」

<#ヽ`∀´>「っ……!」


川 ゚ -゚)「貴様の言いたいことはわかる。だが、それを一番わかっているのはギコだ」

<ヽ`∀´>「…それは確かにそうニダ…けど!」

川 ゚ -゚)「田守氏も私と同じ考えのはずだ。だから彼もギコに何も言わないんだ」

<ヽ`∀´>「……わかったニダよ…」



(■_■)(腹減ったなあ…)

99 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:40:03 id:EYE2P56o0
川 ゚ -゚)「試合の前の認識は改めるべきだろうな。彼らは、強い」

(,,゚Д゚)「……マネージャー」

今北マネージャー(男)「あ、ああ!どうしたギコ?」

(,,゚Д゚)「俺、いま何点?」

今北マネージャー(男)「ああ、えーっと…18点だな」

(,,゚Д゚)「くそ…少なすぎんだろちくしょ…」

川 ゚ -゚)「悔しいだの不甲斐ないだの思ってる暇があったら点を獲れ」

川 ゚ -゚)「それがお前の今の仕事だろう。ポジションを下げたのに得点力が落ちていては話にならん」

(,,゚Д゚)「そりゃそうだけどよ、わかってんだけどよ……」

川 ゚ -゚)「わかっていないだろう。デイフェンスではあの一年にいいようにやられて試合を壊した。
     点を取るためにポジションを変えたのに特に点を獲っているわけでもない」

<;ヽ`∀´>(いやいや……)

/; ゚、。 /(クーさん…きっついこと言うなあ…)

100 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:41:11 id:EYE2P56o0


( ^ω^)「えらい接戦だお」

(=゚ω゚)ノ「どう転ぶ…?」

('A`)「正直、ラウンジがここまで食らいついてるのは少し意外だな。いくらギコが大人しいとはいえ」

(´・ω・`)「同感だ。タレントは今北のほうが充実しているからね。ラウンジの組織力の賜物だ」

<_プー゚)フ「えーっと…?」
  _
( ゚∀゚)「巨人VS中日、的な?」

( ´∀`)「あ、なんかちょっとわかりやすいモナ」

101 名前:名も無きAAのようです:2011/10/24(月) 00:42:45 id:EYE2P56o0






第6章  完








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返信2011/10/24 12:59:34

10jigendaddyjigendaddy   第7章  決着、そして

108 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:04:37 id:Bz1tY9M.0





第7章  決着、そして






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109 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:05:23 id:Bz1tY9M.0


最終クォーターが始まる。
両軍の選手がそれぞれ緊迫した表情でコートに入ってくる。

点差は、1点。

どちらに転んでもおかしくはない。


(,,゚Д゚)(そう、どっちに転んでもおかしくない)

(,,゚Д゚)(それはなぜだ?)

(,,゚Д゚)(簡単だ。俺が何の役にも立っていないからだ)


今北の得点は現在70点。
その内訳は、

クーが24得点。
ニダー・ダイオードがともに12得点ずつ。
今北⑧が4得点。


そしてギコ、18得点。

110 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:06:29 id:Bz1tY9M.0

第3クォーター終了時で18得点という数字は決して少ないものではない。
そもそもガードというポジションが彼の仕事場だ。

しかし、彼は試合中しばしばゾーンに入る。
幾度となく爆発的な得点力を見せつけてきたギコであったが、それが一切ないこの試合で、彼は気づいていた。

ゾーンに入っている、あの感覚こそが彼にとっての最大の快感であったということに。

快感を味わえない試合。
その苛つきはことのほか大きく、それに加えてラウンジ学園の一年生選手、クマーの活躍ももはや妬ましい。



――ダムッ!


クーがドライブでゾーン内に進入、そしてすぐにアウトサイドのギコへとパスを捌く。


/ ゚、。 /「……!?ギコさんっ!」


(;,,゚Д゚)「えっ?…あっ!」


――ダンッ…


クーのパスは誰の手にも触れることなくコート外へ。

111 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:07:17 id:Bz1tY9M.0


<#ヽ`∀´>「ギコ!何ボーっとしてるニカ!?」

川 ゚ -゚)「よせ、試合中だ」



――ダムッ…


(・(エ)・)(何があったのかわからないけど、とにかくこの4番は今ボロボロだクマー…)

(・(エ)・)(……この機、逃すべからずーっ!クマー)


――ダムッ!


クマーの鋭いドライブ。
一瞬でギコの横に並ぶ。

112 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:08:01 id:Bz1tY9M.0


(,,゚Д゚)(くっそ、これ以上俺のところから行かせるわけには…!)


だが気持ちとは裏腹に、体はうまく動いてくれない。
ただでさえクマーが有利な体勢なのだ。
そんな状態で無理なディフェンスをするということは…


――ピィッ!


審判「ファウル!白4番!」


(#,,゚Д゚)「くっ…!」

113 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:09:22 id:Bz1tY9M.0


('A`)「3つめ…か」

( ^ω^)「ラウンジも明らかにギコのところから崩しにかかろうとしてるお」

(=゚ω゚)ノ「最終クォーターでファウル3つならこのまま出しておくだろうなヨウ」
  _
( ゚∀゚)「しっかしなんで交代させないんだろうな?正直、今日のギコのコンディションは悪いぞ」

( ´∀`)「彼の代わりを務められる選手がいないってことモナか…?」

(´・ω・`)「それもあるだろうね。だけどそれ以上に…みんな、ギコを信じているんだろう」

(´・ω・`)「チームメイトも、ベンチの選手も。そして…監督も。この逆境を、彼自身の力で乗り越えるんだ、と」

114 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:10:11 id:Bz1tY9M.0


ファウルからラウンジボールで試合は再開。
しかし、ラウンジ学園のシュートは外れ、攻撃失敗。今北ボールとなる。
だが。


「今北…攻めきれない!」

「ラウンジの執念がやべえーー!」

「ショットクロックも残り10秒きってるぞ!」



( ´_ゝ`)(ミスの後の失点だけは絶対に避けなくてはならん!)

(´<_` )(こういうクロスゲームだとミスの後の失点が致命傷になり得る!気合だ…根性だ…!)

(・(エ)・)(ここは絶対に譲らないクマー!)



ラウンジメンバー全員が同じ意識を持ち、堅いデイフェンスを展開する。
今北は、ボールを回すことで手一杯といった様子だ。

115 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:12:33 id:Bz1tY9M.0


そしてショットクロックの残りが3秒を示したところで――


川 ゚ -゚)「ダイオード、時間がない。勝負だ!」


右45度付近のクーから右ローポストのダイオードへとパスが通る。


( ´_ゝ`)(だーからっ!)

(#´_ゝ`)「そうはいかんざき!っつーの!!!」


――ビシッ


ダイオードがパスをキャッチした瞬間に兄者はダイオードの横に回りこみ、ボールをはたき落とす。
そしてそのボールはダイオードの大腿部に当たり、サイドライン方向へ。


ショットクロック、残り2秒。


/ ゚、。;/(しまった……!)

116 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:14:32 id:Bz1tY9M.0

(,,゚Д゚)(くっそ、攻めきれなかったか…)



ボールは既にコート外の空中にある。
このまま落ちれば、アウトオブバウンズとなる。
ボールはダイオードの体に触れているので、アウトオブバウンズになればラウンジボールとなってしまう。


川 ゚ -゚)「ちいっ!」


クーがボールに跳びつく。


川 ゚ -゚)(届くか…?)


伸ばした右腕がボールに届く。
ショットクロック、残り1秒。

117 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:15:40 id:Bz1tY9M.0


川 ゚ -゚)(ここから誰かにパスを出す時間はない…このままではヴァイオレーション…ならば、やることは一つしかない)


体は、空中。
クーの体を支えるものは何もない。
そんな状態で……



――びゅっ


('A`)「強引に…打った!?」


(=゚ω゚)ノ「いや、むしろ投げてるヨウ!」

(-_-;)「あれじゃあほとんどワンハンドパスのフォームじゃないか…!」

<_プー゚)フ「だけど…あの軌道は…!」

( ^ω^)「相変わらずの高いアーチ…狙いにいってるお…!」

( ´∀`)「まさかこれが…」
  _
( ゚∀゚)「入っちまう、なんてことは…ねーよな…?」

118 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:16:54 id:Bz1tY9M.0

――ビーーーッ!


ショットクロックのブザーが鳴り、24秒の経過を知らせる。

しかしシュートは放たれた。
長い滞空時間。
クーはコート外に転げ落ちる。
そのままごろりと体が回転するが、すぐに体勢を立て直し、ボールを見上げる。



川 ゚ -゚)(どうだ…?)



自らの放ったシュートの軌道を眺め、落下地点を予測する。



川 ゚ ー゚)「………ふっ」



自然と、笑みがこぼれた。




――パシュンッ!

119 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:18:21 id:Bz1tY9M.0


――ウオオオオォォォォォオオッ!!


会場が、沸く。


今北産大附今北 72-70 ラウンジ学園



(;´_ゝ`)「……………っ!」


(´<_`;)「~~~~~っ!」


(・(エ)・;)「まじ……クマー…?」


<ヽ`∀´>(なんて奴ニダ……)


/ ゚、。 /(すごい…。ホントにすごいぞこの人は…!)

120 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:20:01 id:Bz1tY9M.0


(;^ω^)「入っ…た…」


('A`)「冗談だろ!?」


(=゚ω゚)ノ「あんな投げ打ちで入るわけが…!」


<_;プー゚)フ「マ、マグレに決まってるっすよあんなの!」


(´・ω・`)「確かに今のシュートはマグレかもしれない…が」


(´・ω・`)「あの崩れた体勢の中でも、彼は点を取ろうとしてあのシュートを打った。決めようと思い、打ったんだ。
      たいしたものさ、あの状態でそんな意識を持てるなんて、ね」

121 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:21:06 id:Bz1tY9M.0

川 ゚ -゚)(あれが入るとはな…随分とツイている)


川 ゚ -゚)(マグレであっても結果オーライ…いや、むしろマグレであるということの方が大きいな)


川 ゚ -゚)(「ツキはこちらにある」という印象を植え付けることができる。ラウンジにはもちろん…我々にも、だ)



(,, Д )(――――……)


(,, Д )(俺は何をしている?)



(,, Д )(クーがあそこまで体を張って…がむしゃらに得点しているのに…)



(,, Д )(何をしている…俺は…誰だ…?)


(,, Д )(俺は…)

122 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:22:24 id:Bz1tY9M.0


川 ゚ -゚)「気合い入れて行けよ、エース。このディフェンスが肝心だ」



ぽん、とギコの肩を軽く叩く。



(■_■)(絶妙なノせ方だな…まったく。心でも読めているのか?)



――ダムッ…


(・(エ)・)「今のは忘れましょう!確実に一本!」


(・(エ)・)(この4番の所から仕掛けてみるか…?だけど僕の体力もちょっとそろそろきついクマー…どうする…)

123 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:23:48 id:Bz1tY9M.0


(,, Д )(エース…か)


(,, Д )(ありがとよ、クー)


(,, Д )(ラウンジ学園…)


(,,゚Д゚)(俺らの…邪魔すんじゃねえっ!!!!)



――キュキュッ


(・(エ)・)(…抜きづらいクマー…ディフェンスが少し良くなってきたクマー。油断せずに…)

124 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:24:46 id:Bz1tY9M.0


――ばしっ…


(,,゚Д゚)「どうした考え事かっ!?」


(・(エ)・)(んなっ…スティール!いつの間にっ!?)


(,,゚Д゚)「おおっ!!」


――ダムッ!


「ターンオーバーだ!」

「今北の速攻ーーっ!」

125 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:25:47 id:Bz1tY9M.0

――ダダムッ!


(・(エ)・)(突っ込んできた…!)

(,,゚Д゚)「お前に俺を止められるかっ!?」

(・(エ)・)(ブロックできなくても…楽には打たせんクマー!)


――びゅっ…


(・(エ)・)「えっ…(パス…?)」


視線の先には。



川 ゚ -゚)


(・(エ)・)(7番……!)

126 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:27:28 id:Bz1tY9M.0



(,,゚Д゚)「突き放すならここだ、そしてお前なら決める。…そうだろ?」



――ばしっ



川 ゚ -゚)「ああ」



――しゅっ…


「速攻からスリー…!」

「まさか連続で…!?」

「有り得るって!あの7番がノーマークで外すわけねえ!」



――ぱしゅんっ!



今北産大附今北 75-70 ラウンジ学園

127 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:28:17 id:Bz1tY9M.0


――ビーーーッ!


審判「タイムアウト、紫!」



(・▽・)「第4クォーターが始まって1分も経ってないのにタイムアウトか……」

(-_-)「仕方ないだろうね、ラウンジは1点リードしていた状況を1分足らずで5点ビハインドにされたんだ」

ξ゚⊿゚)ξ「それもあると思うわ、だけど…」

(*゚ー゚)「それだけじゃない、よね。たぶん…」

<_プー゚)フ「あの4番…っすか」

('A`)「だな。急にキレが戻ったように見えた」

(=゚ω゚)ノ「上から見てる俺たちでもわかったんだ…コートの上ではもっとはっきりわかっただろうヨウ…」

128 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:31:13 id:Bz1tY9M.0


――ラウンジ学園ベンチ――


(・(エ)・;)「すみませんクマーっ!」

( ´_ゝ`)「なに、気にするな」

(´<_` )「このまま何事もなく終わってくれるかと思ったが…さすがにムシがよすぎたか」

武藤「エマージェンシー、ってやつだな」

ラウンジ監督(危ない流れを切るためにタイムアウトを取ったが…あの4番が‘あの‘爆発的な得点力を発揮してきたとしたら…
       一体どう指示を出せばいい!?くそ…これだけ監督をやってきておいて、何も的確なことを言ってやれないなんて…!)

129 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:33:44 id:Bz1tY9M.0


( ´_ゝ`)「ディフェンスだ」

( ´_ゝ`)「相手が何をしてこようが、ギコがばしばしシュートを打ってこようが、俺たちのやることは決まっている」

(´<_` )「俺たちはラウンジ学園のプレーヤーだ。誇りを持ってディフェンスしよう。そして、誰であろうと止めてやろう」

(・(エ)・;)(残り9分間…あの4番を相手に脚が動いてくれるのか…!?)


( ´_ゝ`)「いいか!?やることは一つだ!集中していくぞ!」


( ´_ゝ`)「円陣組むぞ!ラウンジーーーーーーーーーーーッ!!」


ラウンジ一同「ディーーーーーフェンッ!!」

130 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:36:37 id:Bz1tY9M.0


――今北ベンチ――


(,,゚Д゚)「ふうー……」

川 ゚ -゚)「ずいぶん遅かったな」

(,,゚Д゚)「ああ、待たせたな」


――ぱんっ


静かに、ハイタッチを交わす。


(■_■)「ギコ、いい知らせと悪い知らせがあるぞ」

(;,,゚Д゚)「……悪い知らせからお願いしますw」

(■_■)「ここまで競る試合となった原因になったのはお前だ。要するに、皆がしんどいもヒヤヒヤさせられたおかげで
     私の血圧が上がってるような気がするのもぜんぶお前のせいだ」

(,,゚Д゚)「…はい(監督なのにこんなこと言っていいのか…?)」


(■_■)「さて、そしていい知らせのほうだが…」

(■_■)「お前はプレイヤーとして一つの壁を越えた。あえてお前を交代させなかったのもそのためだ。
      本来ならこんなことは今言うべきではないが…よく乗り切った」

131 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:37:21 id:Bz1tY9M.0

川 ゚ -゚)「皆に言っておくことがある」

川 ゚ -゚)「さっきの私のシュートだが、あれはマグレだ」

(;,,゚Д゚)(そうだったの!?)

川 ゚ -゚)「だが、運というのも案外馬鹿にできないものさ。流れはこちらにある、ということなのだからな」


川 ゚ ー゚)「この試合、このままもらうぞ」


(■_■)「よし、何も言うことはない。今のお前たちに敵うやつなどいない。全力で蹴散らしてこい!」


今北一同「はいっ!!!!!」


――ビーーーーーーーーッ!


審判「タイムアウト終了です!」

132 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:38:44 id:Bz1tY9M.0


(,,゚Д゚)「よう」

(・(エ)・)「……なんですか」

(,,゚Д゚)「敵に言うのもなんだが…ありがとよゴルァ」

(・(エ)・)「…はい?」

(,,゚Д゚)「おかげさまですげぇいい気分だ。そしてすまねえな」



(,,゚Д゚)「長い前座になっちまったが、ここからは俺の時間だ」


(,,゚Д゚)「どうか残りの2戦、全力で戦ってくれ」

(・(エ)・)「…うちは負けませんよクマー」

133 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:39:32 id:Bz1tY9M.0


――びっ…


クマーからハイポストへのパスが出る。
パスを受けたのは兄者。
ダイオードに体を上手く当てられ、ポストプレーに持ち込むのは難しい。
そう判断するや否や、外角の弟者へボールを捌く。

そして自身はパスランを試みようとするクマーをフリーにすべく、ギコへとスクリーンをかける。


(,,゚Д゚)「ファイトオーバーだゴルァ!」



クマーと兄者の狭い間を強引に通過し、弟者からのパスは通させない。



( ´_ゝ`)(それだけだと、思ったか?)



すぐさまスクリーンの構えを解き、ハイポストでポストアップ。
弟者はハイポストへ高めのパスを出し、すぐにパスランをする。

134 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:40:41 id:Bz1tY9M.0

しかし――



/ ゚、。 /「読まれていないとでも、思いましたか?」



ローポストから飛び出してきたダイオードがこれをインターセプト。


(;´_ゝ`)「なんだとっ!?」


「流石兄弟が……!!」

「止められた!?」

「なんだあの14番は!一年生?冗談だろ!」



/ ゚、。 ;/(正直、ヤマカンで飛び出したんだけどね…)

/ ゚、。 /(だけどさっきクーさんが言っていた通り…確かにツキがある!このまま一気に流れに乗らせてもらう!)

135 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:42:43 id:Bz1tY9M.0

/ ゚、。 /「速攻!」


川 ゚ -゚)「ダイオード、出せ!」


/ ゚、。 /「はい!」



――ビッ…ばしっ



ダイオードがパスをインターセプトするや否や、ギコが一気に速攻の先頭を駆け上がる。
そしてクーはカタカナの「ノ」を逆からなぞるコースで中央へとボールサイドカット。
ダイオードからパスを受け、速攻を繋ぐ。


川 ゚ -゚)「ギコ!」

(,,゚Д゚)「おおっ!」


――びゅっ…ばしっ


そしてクーからフロントコートのギコへスピードのあるパスが通る。

136 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:43:27 id:Bz1tY9M.0

――キュキュキュ!


(・(エ)・;)「行か…せるかっ!」セ゛ェセ゛ェ


(,,゚Д゚)「(これに追いついてくるか…)やるじゃねえか!だがヘバってきたんじゃねえか!?」


――ダムッ!


パスミートにより勢いのある状態からの鋭いドライブ。


(・(エ)・)(右…!動けよ僕の脚っ!!)


――がくん


(・(エ)・;)「!?」


(,,゚Д゚)「もらったぁっ!」


――どすんっ


(・(エ)・;)「痛っ…」


クマーを抜き去り、レイアップの体勢に入るギコ。
そして踏ん張れず、派手に転倒するクマー。


――ザシュッ

137 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:45:23 id:Bz1tY9M.0



(・(エ)・)「く……っそ」

(,,゚Д゚)「無理はやめろ。膝、笑ってんぞ」

(・(エ)・)「…まだまだ、いけますよ」

(,,゚Д゚)「…手加減しねえからなゴルァ」



――ダムッ!



「また今北の速攻だ!」

「ラウンジにゾーンを組む時間を与えねえ!」

「あの4番、ドライブが鋭いだけじゃない、…強いっ!」

138 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:46:46 id:Bz1tY9M.0

――きゅきゅっ


(・(エ)・)(ミドルシュート…!)



――ずだっ


(・(エ)・)「チェーーック!」


――がくんっ


(・(エ)・;)(跳べない…?)

(・(エ)・)(くそっ…腕だけでも!とにかくシュートコースを塞ぐんだ…)



自身のリーチの長さを活かし、跳べないまでも必死に腕を伸ばしてシュートチェックを試みる。


(,,゚Д゚)「甘ぇっ!」


――しゅっ…


(・(エ)・)(フォームがめちゃくちゃだ!リバウンドを…)


――バスッ


(・(エ)・;)「……………!?」

139 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:47:42 id:Bz1tY9M.0



<_;プー゚)フ「あれが決まんのかよ…」
  _
( ゚∀゚)「左手で13番のチェックを押しのけながら右腕だけでシュート…」

( ´∀`)「僕たちインサイド陣がよくやるやつモナね…」

(=゚ω゚)ノ「そのプレーをミドルレンジで…」

('A`)「ていうか指がまともにボールにかかってなかったぞ…よくあれでまともなシュートにできたな…」

( ^ω^)「信じられんお」

140 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:49:15 id:Bz1tY9M.0

(・(エ)・)「くそ…(脚が…軽い…?フワフワするぞ…)」

( ´_ゝ`)「クマー、もういい。よくがんばってくれた」

(・(エ)・)「兄者さん…!?何言ってるんです、僕はまだいけますって!」

(´<_` )「悔しいが、あいつの…ギコの言う通りだ。あと2戦ある。お前に壊れてもらうわけにはいかない」

(・(エ)・)「弟者さん…でもっ!」


( ´_ゝ`)「そんでもって、お前を下げるからといって試合を投げるわけじゃあない。
       そして俺達の目的は今北を倒すことじゃない、インターハイに行くことだ。安心して休んでくれ」

(・(エ)・)「流石先輩……」



――ビーーーーーッ!


審判「メンバーチェンジ!紫!」


(。(エ) )「あとは…頼みます。クマー」

141 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:50:31 id:Bz1tY9M.0

限界を迎えたクマーに代わり、ラウンジ学園は二番手のポイントガードを投入する。
技術も体力もある選手であったが、それでも今のギコを抑えることは難しかった。


そして……


――ビーーーーーッ!


審判「試合終了!スコア通り、白!」

終わってみれば、103-84と圧倒的な点差で今北が勝利を収めた。


圧巻だったのは、やはりギコだ。
第4クォーターだけで19得点・4アシストという、怪物じみた成績を残したのが印象的だった。

142 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:51:59 id:Bz1tY9M.0

――今北ベンチ――


(*,,゚Д゚)「おっしゃあ!」

<*ヽ`∀´>「初戦圧勝ニダ!」

/* ゚、。 /「このまま突っ走りましょう!」

川 ゚ -゚)「まったく…まあよしとしようか」



――ラウンジ学園ベンチ――


(・(エ);)「先輩方!監督!…すみませんでしたっ!」

( ´_ゝ`)「頭を上げてくれ、クマー。お前は悪くない」

(´<_` )「不甲斐ない3年生で本当にすまん…残りの2試合、もう少しだけ…俺達についてきてくれ!」

( ´_ゝ`)「阿凡高校にVIP高校…もう一試合も落とせない。絶対に…勝つ!」

(・(エ)・)「…はいっ!」

143 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:52:53 id:Bz1tY9M.0



('A`)「強いな…今北」

( ^ω^)「あれが一週間後の僕らの対戦相手…」
  _
( ゚∀゚)「もう何遍も負けてるんだ、全国への切符はいい加減俺たちがもらうぜ」

(=゚ω゚)ノ「…帰って練習するヨウ!」

( ´∀`)「そうモナね、体が疼いて仕方ないモナ」

(´・ω・`)「そういうと思ったよ。体育館はとってある。さあみんな、学校に帰ろうか」



.

144 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:54:04 id:Bz1tY9M.0



――VIP高校体育館――


('A`)「ふぅ。よし、そろそろ上がるか」

('A`)「ショボン先生、お願いします!」

VIP一同「お願いします!!」

(´・ω・`)「うん、お疲れさま」


(´・ω・`)「さて、決勝リーグの残り2戦は来週の土日を使って行われるわけだが」

('A`)「土曜日に今北戦、日曜日にラウンジ戦…か」

(´・ω・`)「セリフとらないでよ…」

('A`;)「スンマセン…」

( ^ω^)「やるしかない、お!」

(´・ω・`)「いい心構えだ、内藤くん」

145 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:55:09 id:Bz1tY9M.0


(´・ω・`)「早速だが作戦を発表しよう」

(=゚ω゚)ノ「作戦…?」

(´・ω・`)「確実に勝つための作戦だ。まずはラウンジ対策から」


(´・ω・`)「1-3-1ゾーンの厄介さは今日見た通りだ。コーナーに不用意にボールを回すことのないようなパス回しを
     意識しよう。そしてセットオフェンスではインサイドから崩したい」
  _
( ゚∀゚)「俺らか…」

( ´∀`)「シューターの皆がやりやすいように、僕らで点を取ってゾーンを縮めさせる必要があるモナね」

<_プー゚)フ(中でひきつけて外に捌く…俺にぴったりじゃねーか!)

(´・ω・`)「そして、今日の今北が終盤でやってのけたことをうちもやりたいところだ」

ξ゚⊿゚)ξ「ターンオーバーからの速攻を狙いにいく、ということですか?」

(*゚ー゚)「確かにいくら強いゾーンでも組むことができなければ意味がないですもんね」

(´・ω・`)「その通り。いくらラウンジのゾーンが厄介であるとはいえ、やることは基本的にはいつも通りさ」

146 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:56:03 id:Bz1tY9M.0


( ^ω^)「というか、なんで日曜のラウンジ戦の対策を先に…?」

∟(´・ω・`)9m「いい質問ですねえ!」


(´・ω・`)「池上先生じゃんか…誰かツッコんでよ」


( ^ω^)「いやいやまさかこのタイミングでふざけられるとは思ってもいませんし」


(´・ω・`)「…まあいいや、理由は簡単。僕の趣味さ」


(´・ω・`)「重要なことは最後に話したい、っていうね」



(´・ω・`)「では今北戦の作戦を発表する」


( ^ω^)ゴクリ…

147 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:56:54 id:Bz1tY9M.0




(´・ω・`)「今北戦では、オフェンスの主軸を内藤くんに任せようと思う」


( ^ω^)「………………」



(  ω )゜ ゜スポーン

 

( ^ω^)「…………」



(^ω^)



.

148 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:57:39 id:Bz1tY9M.0







                                      
                                                                    
             _ - ― = ̄  ̄`:, .∴ '        (  ^ω) <ブベラッ!
         ξ, -'' ̄    __――=', ・,‘ r⌒>  _/ /
        /   -―  ̄ ̄   ̄"'" .   ’ | y'⌒  ⌒i
       /   ノ                 |  /  ノ |
      /  , イ )                 , ー'  /´ヾ_ノ
      /   _, \               / ,  ノ
      |  / \  `、            / / /
      j  /  ヽ  |           / / ,'
    / ノ   {  |          /  /|  |
   / /     | (_         !、_/ /   〉
  `、_〉      ー‐‐`            |_/



ξ゚⊿゚)ξ「こっちみんな」

149 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:58:42 id:Bz1tY9M.0



(#)ω^)(いやいやいやいやありえんお!無理だお!ていうかなんで殴られたのかよくわからんお!)

(´・ω・`)「そして、ファーストアタックだが…実はこれももう決めてある」



(´・ω・`)「長岡くんが必ずジャンプボールに勝つ。そして速攻を仕掛け…一発目は内藤くんのスリーだ」



( ^ω^)「………」

(;^ω^)「はいいいいいいいいいいっ!?」

150 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:03:27 id:Bz1tY9M.0
('A`)「………!」

(=゚ω゚)ノ「………(なるほど…)」

(;^ω^)「な、なおさら無理ですおっ!」

(´・ω・`)「なぜだい?」

( ´ω`)「だって僕はスリーが入りませんお…」

(´・ω・`)「この1週間でマスターしてもらう」

(;^ω^)「無謀すぎですお!そんな計画で大丈夫か?」

(´・ω・`)「大丈夫だ、問題ない」


(´・ω・`)「今北戦、VIP高校のファーストアタックは⑤内藤が左コーナーからのスリーポイント…これで決まりだ。
     左コーナーからのスリーだけマスターしてほしい。少なくとも最初の一本を自信を持って決められる程度には、ね」

( ^ω^)「でも…」

(=゚ω゚)ノ「悪くないと思うヨウ」

(;^ω^)「い…イヨウ!?」

('A`)「俺も賛成だ」

(;^ω^)「ドクオまで!?」

151 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:05:04 id:Bz1tY9M.0

('A`)「いいか、ブーン。俺らがいつも一発目に一番よく狙うのはなんだ?…イヨウのスリーだろ」

( ^ω^)「イヨウを囮に使うってことかお?」

('A`)「それもある。だけどそれだけじゃない」



('A`)「お前が強気にスリーを打ってくる選手だ、なんてデータ、うちでさえ持ってないんだぞ」



( ^ω^)「!」

('A`)「最初の一本を決めてみろ。今北の連中はどんな反応すると思う」

( ^ω^)「………」

( ^ω^)ウズウズ

('A`)「…決まり、だな」

152 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:06:27 id:Bz1tY9M.0



<_プー゚)フ「苦肉の策…っすか?」

(´・ω・`)「ん?」

<_プー゚)フ「各選手一人ひとりの強さから見て、おそらく今北の方が格上――だから、
       『今北に勝つために』こうやって戦略を練っている…ってことっすか?」

(´・ω・`)「初めに言っただろう?『確実に勝つための作戦だ』、って」


(´・ω・`)「君が言いたいことはわかるよ。だけど、タレントの強さではうちは今北にも引けを取らない…
     僕はそう思っているよ」


(´・ω・`)「さあ、内藤くん。…やってみるかい?」


( ^ω^)「…やりますお。いや、やらせてくださいお!」


( ^ω^)(僕が今北戦の一発目でスリーを決めることができれば…今北の選手は試合が終わるまで
       僕のスリーを警戒せざるを得なくなるはずだお)

( ^ω^)(そうしたら、ドクオやイヨウ…それにジョルジュ、モナー。そしてエクスト、ヒッキー、トラオ…
       みんなにかかる負担を減らせられるんだお)

( ^ω^)(僕だって…みんなに頼られるような選手になりたいお!!)

153 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:11:27 id:Bz1tY9M.0






(´・ω・`)「とりあえず…っと。全体練習はこれで終わりだ。各自、個人練習に入ってくれ」


VIP一同「はいっ」

('A`)「っし、じゃあ一旦締めるぞ!VIP高ーーーーーーっファイッ!」


VIP「おおおおおおおおおっ!」


――ダンッ!ダンッ!ダンッ!





.

154 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:12:09 id:Bz1tY9M.0

そして個人練習の時間。



( ^ω^)「…とは言ったものの」

( ^ω^)(…さて、何から始めたらいいのかお…とりあえずシューティングでも…)


(´・ω・`)「内藤くん」

( ^ω^)「あ、はいですお」

(´・ω・`)「今日から1週間、練習後にスリーのシューティング300本だ。毎日やってもらうよ。
     もちろん300本決めるまで、だ。そして場所は左コーナーからだけでいい」

(;^ω^)「300…」


(=゚ω゚)ノ「海南の神は一日500本、だヨウ」

('A`)「クズ高の車谷は一日1000本、だっけか?」
  _
( ゚∀゚)「それに比べりゃ全然たいしたことないだろww」

( ´∀`)「がんばるモナ、内藤君!」

(;^ω^)「あう…」

( ^ω^)「だがしかしやってみせよう」

155 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:14:04 id:Bz1tY9M.0





(´・ω・`)「あ、あとそれから内藤くん」

( ^ω^)「はいですお」

(´・ω・`)「シューティングに入る前に…と」シュルリ

( ^ω^)ブルリ(あ、なんかいやな予感)




.

156 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:15:23 id:Bz1tY9M.0


/ /____ /|     ヽ、\ ) 
 l |、.__ 〈/   -‐ ト、  )
 l |、  ̄入       、_`j 
 ヽ\_〈::::::\__、__ノ      
.\  ̄/\::::::/ l |∧_∧     
  ̄ ̄l   ̄ //( ´・ω・)      
    /     //人 ` ニニヘ、
__/   _/    `ヽ \    ___/ヽ
/    ̄ /|           `¨\ ̄ ̄ ̄〈_/,、 \
     / /              \.   (__,. ‐-  l、
    , ' /、.: :`ヽ..,____..  -‐::::::i:‐:..、 ヽ   (___,.   |ハ
    / l/ ̄ \:::::::::::::> "´    ̄  `ヾ:、Y ‘ー┬r‐' |
  ./l /: :   ` 匸´___/__,..-  ` .、___ |  /│|__,ノl
 ∧/: : :     /  }/、        |  } ││|__ノ
 | |: : : :   
 {   /  )   ,  '"^ト-〈 │ | |__/
 | |\:_:_   ノヽ._/ー一^ ー‐´   │  V l | |、
 | |    ̄`ヽ: : i     ,     ,ノ、__,ノ  l |/|
 | |        ∨ `     〈  _/ |  |   | l !
 ! |  |     ∨       ̄ ゙,  ,!、__\ | | |
..││  l     |, -- 、    -┴‐' ヽ.  ̄\ !__|__



(´・ω・`)「ふう」

( ^ω^)「えっ」

(´・ω・`)「この時期はやっぱ暑いね、スーツ」

157 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:16:26 id:Bz1tY9M.0



             ∧_∧
            (・ω・ `)
            / `ニニ´彳 `` ー 、
        _,ノ´、,  ,..>、リ,. -- 、. ヽ--、
        /     ̄´   {-_,.  -、 、,'  ヽ
      /   〃,..     'r  _,.. 、}>、.. r-{.
     /、  _,..イ´      ト. ´   i  ´   }
     /  ゙ー'´ }ヘ     _,..ノヘ`ー- ...ィ! ',  ハ {   
    ,' ,'     リヾニ=ニ´ ,. ‐'' h ー 、 ハ リ  ノ}   
   ,'八  ,  / \ミヽ、ヽ.   |!  } 彡N  ', ハ  
   }  (.,/    ∨ ヽ('' ´`` /´`'!,∨ ! ,.'  i
   ,ハ',  ii      {   入__ _ノ.__,ノ |  ∨  ,{
   i : v リ     /、  {   ゚ ´,| |   |,   }
   { Y, ,'    ィ‐‐-ミ、_`',      リ }   ,'   ヽ
    iヽ !   ,' :   ハ`ヽ、..__,/-',〉-‐‐y    ,}
    }. ∨   ./ ノ  /  ∨' ,.  _,./ !  `''"i ', {ノ'′
    ',  `ヽ_,..{,'  ノ   i   /´ 、  ヽ、.__ ,〉 ト,)
    ',  r‐ヤ  '     人ノ    >‐‐イ / ` }
    ヽ、∨       /`ヽ、 /   ハ , /
      y' ,'     ; /     `{   ,/-‐ /
      i      i'    /' ,/  ,.. ´
        i       ,リ   /-'" ,. '´


(´・ω・`)「よいしょっと」


( ^ω^)「ウホッ!いい男……じゃなくて」

( ^ω^)「なぜ服を脱ぐのですかそしてなぜこっちに向かってくるのですかぎゃああああ!」

158 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:18:40 id:Bz1tY9M.0




          /⌒丶         /⌒\
         /´    ヽ       /、   ヽ
         | /    |     /  /    |
     .    |     .|     | ,/ .   | 
         |      |∧_∧ / ノ    ,| 
     .    |     |(´・ω・`)     丿
         ノヽ`   ノヽ   /  `   /   
        /   ,/ソ         \ /
       (       ,/    `´   |  
        \   イ  ´         | 
         \  ヽ \    八  ノ    
           ヽ    ` ー ´人` /    
            \     / ´,、ヽノ     
           ノ⌒    /      |
          /            ノ_
          | ノ     ヽ    丿 \
       /⌒l |.          /     \
       /  l,丿 ,       ■     .  \
      |  /  ´      /⌒`l        \ 
     丿 /   ,     ./   ヽ   ヽ    | 
    /  |,   |    /      )\      ヽ 
    ヽ ノ    ヽ__,/      . (  _\_     |
    (_)__)|___,/          (__)_)_)ヽ、__/






(´・ω・`)「や ら な い か」


( ^ω^)「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」

((( ^ω^)))(チーム発足当初の恐怖が……!)

159 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:21:12 id:Bz1tY9M.0



(´・ω・`)「……何か勘違いしてないかい?」


( ^ω^)「え」


(´・ω・`)「ワンオンワン、だ」


( ^ω^)「僕がですかお?」


(´・ω・`)「もちろん。君にオフェンスの軸になってもらうとさっき言ったばかりじゃないか」


( ^ω^)「…相手はまさか…?」




(´・ω・`)「ああ。僕だ」



.

160 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:22:02 id:Bz1tY9M.0



('A`)「まじか…。そういや、ショボン先生が実際にバスケするとこ見るのなんてめったにないよな」

(=゚ω゚)ノ「ときどきヒマそうにシュート打ってるくらいだもんなヨウ…」
  _
(;゚∀゚)(ウホッ!…って冗談抜きで!…なんだよあの体…!線が細いのに…太い!?つーか…なんて筋肉してんだよ!?)

(*´∀`)(僕も痩せたらあんな風になれるのかなあ…モナ)


(´・ω・`)「内藤くん、君には平面でのエースになってもらいたい」

( ^ω^)「平面でのエース?」

(´・ω・`)「そうだ。ドライブ・カットイン・ミドルシュート…。派手なプレーよりもむしろ。これらの
     堅実なオフェンスを徹底的に磨くだけで、君は今よりもっと上手く、そして強くなる」


(´・ω・`)「君の脚に敵う選手はそうそういないからね。使わにゃ損損、さ」

161 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:23:52 id:Bz1tY9M.0





( ^ω^)「ところで」


(´・ω・`)「ん?」


( ^ω^)「おっさん服着ろお」


(´・ω・`)「僕はまだ25だ」ムクリ…


( ^ω^)「なんで悪口言ってるのにチンコ勃ってんですか」


(´゚ω゚`)「何言ってるんだよ恥ずかしいなあ。やめてくれよ、まったく」ムクムク…


( ;ω;)「もうやだこのひとおおおおおおおおっ!!」




.

162 名前:名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:24:42 id:Bz1tY9M.0










第7章 完










.

返信2011/11/06 13:14:24

11jigendaddyjigendaddy   第8章 内藤ホライゾン強化週間

177 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 21:57:55 id:alq1PSD60





――AM6:42 VIP高校体育館――





( ^ω^)「おおっ!」



――ダムッ!



(´・ω・`)「甘いよ」



――キュキュキュっ!




(;^ω^)「あーっもう!これだけのハンデがあるのになんで一本も決められないんだお!?」

178 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 21:59:06 id:alq1PSD60




(´・ω・`)「全てのプレーが正直すぎだよ、内藤くん。昨日も言ったばかりじゃないか」


( ^ω^)「わかってはいるんですお…だけど実際にそれを動きに組み込むとなると…」


(´・ω・`)「君にはとにかく時間がない。体で感覚をつかんでもらうしかないんだ、だからこうしてずっとワンオンワンの
     練習をしているんだよ」


( ^ω^)(そうだお…こんな朝っぱらから練習に付き合ってもらって…僕ですら眠たくて仕方ないのに
       ショボン先生は仕事もしながら…)






.

179 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:00:43 id:alq1PSD60



( ^ω^)(しかし…)








(;^ω^)「亀甲縛りだけは、なんとかなりませんかお?」


(´・ω・`)「なんで?素敵だろう」





.

180 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:02:26 id:alq1PSD60







  第8章 

       内藤ホライゾン強化週間






.

181 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:03:17 id:alq1PSD60

――数日前。


(´・ω・`)『とりあえずやってみよう。内藤くんの先攻でいいよ』


( ^ω^)『はいですお!』




数分後……。


( ;ω;)コテンパン


(´・ω・`)『うーん…だいぶ手は抜いたつもりなんだけどなあ…』


('A`;)『…………』


(;=゚ω゚)ノ『…………』

  _
(;゚∀゚)『…………』


(;´∀`)『…………』


<_;プー゚)フ『…………』


ξ;゚⊿゚)ξ(いつもなら……

ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっとブーン!なんにもやらせてもらえてないじゃない!気合い入れて行きなさいよバカタレーっ!」

ξ;゚⊿゚)ξ …とか言っちゃってそうだけど…)


(;*゚ー゚)(うますぎ……)

182 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:06:04 id:alq1PSD60


――ばちんっ



(;^ω^)『おっ…』


(´・ω・`)『不用意にボールを止めない。スティールしてくれと言わんばかりの無防備さだよ』


( ^ω^)『……もう一本!ですお!』



――ダムッ!


――キュキュっ!


――どかっ!



(;^ω^)『ゲェーッ!?いつの間に前に!?』


(´・ω・`)『オフェンスファウル、だね』


(´・ω・`)『今度はボールに意識が行きすぎてるよ。ボールの扱いに意識が向いているようじゃまだまだだ』

183 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:07:27 id:alq1PSD60

('A`;)『レベルが…違いすぎる』


(;=゚ω゚)ノ『ショボン先生…何者なんだヨウ…』

  _
(;゚∀゚)『まるで初心者VS経験者じゃねーか…』



( ^ω^)(抜けないなら…!)


(´・ω・`)『抜けないならシュート、だろう?』



――ばちぃっ!



(;^ω^)『!!』


(´・ω・`)『我ながらナイスブロック、だね』


( ^ω^)『これじゃ力の差がありすぎて…逆に練習にならないんじゃ…』


(´・ω・`)『やれやれ、もう弱音を吐くのかい?』

184 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:09:30 id:alq1PSD60


(´・ω・`)『これはある意味、荒療治ともいえる』


(´・ω・`)『内藤くん、一年生のときと比べれば君は確かに上手くなった。順調に成長しているさ。
     だけど今北やラウンジに勝つためにはそれじゃ足りないんだ。もっと爆発的な何かが必要なんだよ。
     …君には、ここいらで一つの壁を超えてほしい』


(´・ω・`)『シンプルな話だけど、もっと速く。もっと強く。そして…もっと上手く。ね』


( ^ω^)(確かにショボン先生は僕なんかより何倍も上手いお…)


( ^ω^)(だけど…だからこそ!ショボン先生から少しでも技術を盗むんだお!)


( ^ω^)(スピードだけなら…負けてないはず、だお。だったら…!)



――ダムッ!



(#^ω^)『スピードで勝負っ!だおーーーー!』


(´・ω・`)『はい、またボールがお留守』



――ばしっ



( ;ω;)『おーーーーーーーん!!』

185 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:11:05 id:alq1PSD60





(´・ω・`)『うーん…よし、じゃあこうしよう』


(´・ω・`)『しいさん、ちょっといいかな』


(*゚ー゚)『はい、なんですか?』


(´・ω・`)『ちょっと体育倉庫についてきてくれるかな、探したいものがあるんだ』


(*゚ー゚)『あっ、はい!わかりました』




.

186 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:13:59 id:alq1PSD60



『あ、あったあった』

『探し物ってこれですか?一体何に使うんですか?』

『簡単だよ。しいさん、いいかい?僕の言う通りに…ゴソゴソ』

『はい!えっと…こうですか?ゴソゴソ』

『そうそう、そんな感じで。あ、もう少しきつめに頼むよ。ゴソゴソ』

『す、すみません!…こんな感じですか?ゴソゴソ』

『おうっ!そう!そうだ!そんな感じだ!ハァハァ…』

『先生!大丈夫ですか?んっ…苦しそうですけど…ゴソゴソ』

『んっ…はぁ、大…丈夫…だよ。ハァハァ』




.

187 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:16:57 id:alq1PSD60

( ^ω^)『一体何をしてるんだお?』


('A`)『男と女が体育倉庫で……ハッ、マサカ!』


(=゚ω゚)ノ『ショボン先生に限ってそれはないんじゃないかヨウ…?』

  _
( ゚∀゚)『……確かにwww』


(´゚ω゚`)『ふー、お待たせ』


VIP一同(なんか亀甲縛りのおっさん出てきたーーーーー!)


(*^ー^)『上手だ、って褒められちゃった!』


ξ#゚⊿゚)ξ『教え子に何やらせとんじゃーーーーいっ!』


(´゚ω(#`)『ゴエエエエエエエエエエエエエッ!』


(´・ω(#`)『ツンさんすまない。とりあえずもちついてくれ。痛いから。ほんとに痛いから。
      得点板で殴るのだけはやめてくれ。重いでしょ、下ろしなさ…下ろしてください』

188 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:19:33 id:alq1PSD60

(´・ω(#`)『とりあえずハンデだ、内藤くん。第一関門ともいう』


(´・ω(#`)『ご覧の通り僕は両腕が使えない。いろんな所がこすれて満足に動けない。
      この状態でディフェンスをしよう』


<_プー゚)フ『両腕を縛られた状態でディフェンス…!?』


( ´∀`)『タマタマにも刺激がくるモナ!』


(-_-)『さすがにそれは…』


(´・ω(#`)『大丈夫さ。この状態で、たぶんようやくいい勝負だ。それに…』




(´・ω(#`)『これでも、その辺の高校生より上手い自信はあるよ』






( ^ω^)(すごい自信だお…でも全然キマってないお)

189 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:20:30 id:alq1PSD60




( ^ω^)(まあそれはおいといて)


( ^ω^)(ショボン先生に限ってナメている、ってことはなさそうだお…だから悔しいけど、
       これが現実なんだお)


( ^ω^)(…となったら僕のやることは一つ!まずはハンデなしで相手をしてもらえるようにする!
       それだけだお!)





.

190 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:22:09 id:alq1PSD60


( ^ω^)『ところで』


(´・ω・`)『ん?』


( ^ω^)『わざわざ亀甲縛りにする意味はあるんですかお?』


(´^ω^`)『ないよ。ただの趣味さ』



( ;ω;)『変態だーーーーーーーーーっ!!!』





―――――――――――

191 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:23:13 id:alq1PSD60


( ^ω^)(今日で特訓は3日目…)


(;^ω^)(だけどまだショボン先生の亀甲縛りを解くまでには至ってないお。それどころかまだ一本も決められていないお…)



――キュキュッ!



(´・ω・`)


( ^ω^)(ドライブを仕掛けても全部前に回り込まれちゃうお…)


( ^ω^)(しかも全部、胴体の正面で受け止められてるお…。つまり、まだまだ余裕を持って守られてるってことだお)


( ^ω^)(ドライブから急ストップでジャンプシュートをしようとしても…!)


(´・ω・`)「…っ!」



――きゅっ!



(;^ω^)(すぐに距離を詰められてベッタリ張り付かれるお…これじゃあ膝を曲げられないからシュートができない…!)

192 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:24:05 id:alq1PSD60

(´・ω・`)「だから正直すぎるんだってば、内藤くんのプレーは。とりあえず、フェイクがフェイクでしかない」


(;^ω^)「???」


(´・ω・`)「形だけのフェイクになってしまっている、ってことさ。中途半端なんだよ」


( ^ω^)「????」


(´・ω・`)「うーん、言葉で伝えるのはやっぱり難しいかな。それじゃあ例えば、だ。ボールを持ってみてくれ」


( ^ω^)「はいですお」


(´・ω・`)「その状態から、左にワンフェイク入れてから右に抜いてみてくれ」


( ^ω^))「はいですお」クイッ


(´・ω・`)「ストップ、そこだ」

193 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:24:49 id:alq1PSD60


(´・ω・`)「例えばだよ、内藤くん。実際に試合中、君がドライブを仕掛けるとしよう」


(´・ω・`)「そして今のように左にワンフェイクを入れるとしよう」


(´・ω・`)「だがもし、そのとき相手の左側に隙があったとしたら?隙があるなら抜くべきだよね?」


(´・ω・`)「しかし小さいフェイク…それも、今のように『攻める意志のないフェイク』ではそういった隙も突けない」


(´・ω・`)「シュートフェイクだってそうさ。形だけのシュートフェイクじゃあ意味がない。
      シュートフェイクを入れて、そのとき相手に隙があれば迷わずシュートを打てばいい」


(´・ω・`)「実際に『シュートを打たれるかもしれない』、『ドライブで抜かれるかもしれない』、そうやって相手に
     プレーの残像を刷り込ませることでフェイクは活きてくるんだ」


(´・ω・`)「常に攻め気を忘れないようにしよう。君はフォワードなんだからね」


( ^ω^)「はいですお!」

194 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:27:39 id:alq1PSD60


――ガラガラ…



('A`)「はよーーっす」


( ´∀`)「おはようモナー」


( ^ω^)「おっ!ドクオ、モナー!おはようだお!」


('A`)「おう、しっかし早いな…まだ7時だぞ?」


( ´∀`)「すごい汗モナ…一体何時からやってるモナ?」


( ^ω^)「最近は4時起きだお!ランニングして、VIP公園でハンドリング練習とドライブ練習、シュート練習してから
       ショボン先生に挑んでるんだお!」


(´・ω・`)(どおりで…)

195 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:28:27 id:alq1PSD60
――ガラガラ…


(=゚ω゚)ノ「うーーす」

  _
( ゚∀゚)「おうブーン!今日もショボン先生を縛ったのか!?ww」


( ^ω^)「ちょwwwww」


( ^ω^)(他に縛る人がいないから仕方ないんだお…さすがのショボン先生も自分で自分を縛るのは無理だし…)


(´゚ω゚`)「だいぶ短時間で縛れるようになってきたよね」ムクムク…


( ^ω^)「やめてください」





('A`)「っし、俺らは俺らで練習すっぞー」


(=゚ω゚)ノ「おう!」










196 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:29:29 id:alq1PSD60

(´・ω・`)「早いところ亀甲縛りを解けるような状況にしてほしいところだね。これじゃあずっと内藤くんのオフェンスだから
      いつまで経ってもディフェンスの練習ができないよ?」


( ^ω^)「はいですお!」


( ^ω^)(冷静に考えるんだお…!)



現状、ショボンは両腕を使うことができない。
よって、ブーンを止めるには真正面に回りこみ、胴体を使って止めるほかに手段はない。



――ダムッ、ダムッ!



(´・ω・`)(……おっ、テンポを変えてきたな)


( ^ω^)(クロスオーバーの左右への振り幅を速く、大きく…)


( ^ω^)(かつ、ドリブルは強く、低く…)


( ^ω^)(隙が左右のどちらに生まれてもすぐに反応できるように集中!)


( ^ω^)(目線も一箇所に集中させないお。隙あらばシュートにいけるように…)

197 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:31:37 id:alq1PSD60


( ^ω^)(そして…!)


( ^ω^)「勝負っ!だおっ!」



――ダムッ!



(´・ω・`)「右!だから甘いってb…」



――ぎゅっ



( ^ω^)「かーらーのぉっ!」



――しゅっ



(´・ω・`)「…フェイドアウェイ…!」

198 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:33:38 id:alq1PSD60

――がつんっ



(;^ω^)「あう…入らんお…」


(´・ω・`)「内藤くん」


(;^ω^)「おっ…すみません、入りませんでしたお…」


(´・ω・`)「これ。ほどいてくれるかい?」


( ^ω^)「……え?」


(´・ω・`)「今のでいいんだよ。ワンオンワンで大切なのは、相手を抜き去ることじゃあない」


(´・ω・`)「一発で置き去りにできるならそれが一番さ。ノーマークでゴール下まで行くことができれば
     シュートも簡単だ」


(´・ω・`)「だけど試合ではそうは行かない。簡単に相手を置き去りにするなんてよほどの実力差がなければ出来ない。
      そして抜いたとしてもヘルプが来るのが自然だ」


(´・ω・`)「大切なことは、少しでも高い確率で決められるような状況でシュートを打つことだよ」


(´・ω・`)「それに気づくのに3日かかるとは…」


(;^ω^)「あう…すみませんお」

199 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:35:11 id:alq1PSD60



<_プー゚)フ(…つーか、なんで誰もアドバイスしてしてあげなかったんすか?)ヒソヒソ


(=゚ω゚)ノ(ばっか、俺らが教えてもなんも意味がねーだろーがヨウ)ヒソヒソ


('A`)(あいつが、自分自身で感覚を掴むしかないんだよ)ヒソヒソ


<_プー゚)フ(ア、ナルほど)ヒソヒソ

200 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:36:07 id:alq1PSD60


( ^ω^)「おっし、こっからが…」


(´・ω・`)「続きは放課後、だね」


( ^ω^)「え?」


(´・ω・`)「時間、時間」



――ちーんぽーんかーんとーん…



(;^ω^)「ハッ!これは間違いなく予鈴!」


( ^ω^)「てか、え?みんなは?」


(;^ω^)「えっ!いねえし!」

201 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:38:32 id:alq1PSD60


(´・ω・`)「もうみんな切り上げて教室に向かったよ?」


( ^ω^)「あんの薄情者どもがあああああっ!」


(´・ω・`)「ちゃんと声かけてくれてたよ、君は気づいていないようだったけど」


( ^ω^)「気づいてたなら教えてくださいおwwwwww」


(´・ω・`)「ほらほらしゃべってる暇があったら急ぐ」


(´゚ω゚`)「遅刻するようなことがあったらおしおk…(;^ω^)「お疲れさまでしたおおおおおおおおおお!」



(´・ω・`)「やれやれ、まったく」

202 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:39:48 id:alq1PSD60

教師「…つまりここでバルキスの定理が使えるわけだな」


('A`)「ふああ…・・・」


('A`)(最近は朝練もハードにやってるから眠いな…ちょっとだけ寝ちまおうかなあ…)


('A`)(ブーンのやつは…あれ、そういや最近あいつ居眠りしてないな)


(◎^ω^)「…………ブツブツ」


('A`)(イヤホンに…携帯か。音楽でも聴いてんのか?授業聞けよなまったく…)


(◎^ω^)(右、左、右、右…わかりやすいのだけでこんなにフェイクを…あっ、なるほど、斜め後ろに
       ステップバックするのもありだおね…)


(◎^ω^)(文明の進歩はすばらしいものだおね、こうやって携帯で動画サイトも観られて…)



ブーンが見ていたのは動画共有サイト。
ワンオンワンのイメージトレーニングのために、いろいろな選手のプレーを何度も何度も見返していたのだった。

203 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:41:34 id:alq1PSD60

教師「内藤くん」


(◎^ω^)(おおっ!このドライブインは使えそうだお!)


教師「……内藤くん?」


(◎^ω^)(しかしずっと動画再生してるから電池がすぐなくなるお…)


教師「ナイトオオオオオオオオオッ!!!」


(◎;^ω^)「はあああああああああああああいっ!?」


教師「…携帯、没収ね。放課後、職員室に取りに来なさい」


( ^ω^)「ごめんなさいですお……」


('A`)(あーあ、あのばかww)


教師「鬱田ぁ!お前もよそ見してるんじゃあないっ!」


('A`)「フヒヒwwwwサーセンwwwwwコポォwwwww」


教師「きめぇ…」

204 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:43:17 id:alq1PSD60

――放課後。



('A`)「っし、いったん締めるぞ!個人練習に入ってくれ!」











( ^ω^)「ふっ!」



――しゅっ…



( ^ω^)(これはいい感じだお!)



――がしゅっ



( ^ω^)(おっし!)

205 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:45:16 id:alq1PSD60



ξ゚⊿゚)ξ ピピピッ!


ξ゚⊿゚)ξ「アーチが低い!リングの奥側に当たってるじゃないの!あれじゃあちょっとズレただけで
      リングに嫌われるわよ!スリーポイントはあんたが思ってる以上に繊細なんだからね!」


( ^ω^)「おっ…すまんお…もう一本!」




( ^ω^)「ほっ!(アーチを高く!)」



――しゅっ



(;^ω^)(あっ…)



――がつっ

206 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:47:15 id:alq1PSD60
ξ゚⊿゚)ξ ピピピッ!


ξ゚⊿゚)ξ「今度はジャンプが低い!それに体が流れてる!そんなんで入ると思ってんの!?」


( ^ω^)「うっ…すまんお」



現在ブーンの行っているシューティングは少々特殊なものだ。
きたるべき今北戦に備えた作戦は、「最初の一本を速攻に持ち込み、ブーンが左コーナーからスリーポイントを放つ」というもの。
よって、そのための練習を考えた結果、このような形式で行うことにした。



( ^ω^)「もう一本だお!」



ハーフライン付近でスタンバイ。



ξ゚⊿゚)ξ ピッ!


⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「ゴーーーーッ!」



ホイッスルを合図に、スタート。
試合開始直後の速攻をイメージしたものだ。

208 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:48:15 id:alq1PSD60

一年「内藤さん!」



そして速攻のタイミングでパスを出し…



( ^ω^)「おっ!」



――ばしっ


左コーナーでキャッチ。そのままシュートを放つ。
可能な限り試合と同じ状況を作ろうという試みだ。
そして……。



ξ゚⊿゚)ξ ピピピッ!


ξ゚⊿゚)ξ「あんたバカ!?今のが速攻のダッシュ!?ちんたら走ってんじゃないわよ!」


(;^ω^)「おっ…」


ξ゚⊿゚)ξ「それから!速攻なんだからちゃんとサイドラインまで広がって走りなさい!疲れてるのはわかってる!
     だけどここで手を抜いてたらなんにも身につかないわよ!」


( ^ω^)「了解だおっ!」



シュートのフォーム、ボールの軌道。
そして走る際のスピードやライン取りにまで厳しくチェックが入る。

209 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:49:02 id:alq1PSD60


ξ゚⊿゚)ξ「さあ!もう一本!」


ξ゚⊿゚)ξ ピッ!



⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「おおおっ!」


一年「内藤さん!」


――びっ…



( ^ω^)「おっ!」



――ばしっ



( ^ω^)(スピードがついているせいで体が流れていきそうになっている…そのベクトルを!…膝を使って全て下へ!)


ξ゚⊿゚)ξ(よっし!いい感じ!膝もよく曲がって…)


( ^ω^)(溜めた力を…伸び上がる力も利用して一気に上へ!そしてその勢いをそのままボールに伝えて…!)

210 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:49:54 id:alq1PSD60




(=゚ω゚)ノ「でいっふぇーんす、だヨウ」ピョン


(;^ω^)「んおおおおっ!?」



――がつっ…






.

211 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:50:58 id:alq1PSD60



(;^ω^)「イイイイイイイイヨウ!?いきなりなんなんだお!?邪魔しないでくれおー!!」


(=゚ω゚)ノ「本番じゃあ相手がチェックに入ってくることだって十分にあり得るヨウ?そういうこともイメージしてやんなきゃヨウ」


( ^ω^)「おっ…(そうだったお…)」













(;^ω^)ゼーッゼーッ



――PM9:12


.

212 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:51:52 id:alq1PSD60


(;^ω^)「なんとか…300本終わったお」


ξ゚⊿゚)ξ「お疲れさま、はい。ポーション」


( ^ω^)「ポーションうめえwwwwwww」


一年「お疲れさまでした!お先に失礼します!」


( ^ω^)「お疲れさまだお!付き合ってくれてありがとうだお!」


ξ゚⊿゚)ξ「この後はショボン先生とワンオンワンの練習ね」


( ^ω^)「だおー…。何時に帰れることやら…」


ξ゚⊿゚)ξ「ショボン先生は残った仕事を済ませてから来るって言ってたわね」


( ^ω^)「そうかお。んじゃそれまでストレッチでもしておくかお」


ξ゚⊿゚)ξ「付き合うわよ」


( ^ω^)「ありがとだお」

213 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:53:03 id:alq1PSD60

( ^ω^)「しっかしなかなかハードなシューティングだお…」


ξ゚⊿゚)ξ「そうねえ…でも『一発目を作戦通りに決める』ことに関しては最適な練習だと思うわよ」


( ^ω^)「もう試合まで数日しかないのに…課題は山積みだお」


ξ-⊿-)ξ「大変ねえ…ヘタクソなのも」


( ^ω^)「…だお」


ξ;゚⊿゚)ξ「いっ!今のは違うのよ!?ブーンがヘタクソって言いたいんじゃなくて!このチームの中では
      ヘタクソって意味よ!?ドクオはほんとにすごい選手だしイヨウのスリーはすごいしモナーの
      ポストプレーは安定感があるしジョルジュの身体能力だってすごいしヒッキーやトラオは
      燻し銀的な選手だしエクストに至ってはルーキーだなんて思えないし!
      チームのメンバーの中ではイマイチだけど県ベスト4のチームのメンバーなんだから!
      中の上的な実力は持っていると思うわよ!?」


( ^ω^)「結局ヘタクソって言ってるじゃないかおwww」


ξ;゚⊿゚)ξ「いっいやっだからそういう意味じゃなくて!えっとえっと…!」


( ^ω^)「…いいんだお」


ξ゚⊿゚)ξ「…え?」

214 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:54:44 id:alq1PSD60

( ^ω^)「今回の作戦は…何度考えてもやっぱり僕が一番適任なんだお」


( ^ω^)「今北がイヨウのスリーを警戒してくるのは考えなくてもわかるお。
       ドクオもあまりスリーを打つタイプじゃないけど、ギコにマッチアップされたら簡単には狙えないお」


ξ゚⊿゚)ξ「…だから、ブーンが打つことになったんでしょ?」


( ^ω^)「『イヨウ以外の選手がスリーを打つ』…という条件だけでなら、エクストでもよかったはずだお。
       むしろ…エクストの方が僕よりスリーが入るんだからピシャリなはずだお」


( ^ω^)「だけど、エクストが全国大会を経験している選手だってことは今北も調べてあるだろうし…
       今までの試合のビデオなんかを観ても、エクストが只者じゃないってことは一目瞭然だお」


( ^ω^)「エクストを今までスタートで起用した試合はないお。そんな中、いきなりエクストがスターティングで
       出てきたら…『何かやってくるのかもしれない』って警戒されちゃうお」


ξ゚⊿゚)ξ「……『かもしれない』の可能性すらも消すために、ってことね」


( ^ω^)「だお」

215 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:56:41 id:alq1PSD60

( ^ω^)「今回の作戦では…スターティング5人の中で一番へたっぴな僕が、初めてみんなの力になれる試合に
       なるかもしれないんだお」


ξ゚⊿゚)ξ「確かに、今北のディフェンスにブーンを意識させることができれば、だいぶ攻めやすくなるでしょうね」


( ^ω^)「だお!僕はいつもいつもみんなに助けられてばかりだったお!これで最後の夏だお…最後くらい!」


( ;ω;)「最後くらい…一回くらい…僕は…みんなの力に……エグッ」


ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、ちょっといきなり泣かないでよ…!」


ξ゚-゚)ξ「……ふぅ」


ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、聞いて」


( ;ω;)「お?」

216 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:57:54 id:alq1PSD60
ξ゚⊿゚)ξ「あんたは、自分を役立たずだと思ってるようだけど、それは違うわよ」


ξ゚⊿゚)ξ「あんまりダラダラ長ったらしく言うのも嫌いだから、率直に言うわね」


ξ゚⊿゚)ξ「このバスケ部がこうしてインターハイをかけて戦っているこの状況。そう、私たちに今があるのは
      全部。ぜーんぶ。あんたのおかげなんだからね」


ξ゚⊿゚)ξ「何度も何度もバラバラになりかけて。ケンカして。揉めに揉めて。それでもみんながバラバラにならなかったのは、
      あんたがいたからよ」


ξ゚ー゚)ξ「これだけは胸を張って言えるわ。ブーンがいなかったら…今のVIP高バスケ部はなかった、って」


( ;ω;)「ツン……」


( ^ω^)「技術的な点については一切触れられていない件について」


ξ;゚ー゚)ξ ギクリ


( ^ω^)「核心を突かれたからであろうか、あからさまな動揺を見せている件について」


ξ;゚⊿゚)ξ「な、なんのことかしら…そ、そういえばショボン先生遅いわね…」


( ^ω^)「論点のすり替えが行われようとしている件について」


ξ゚。゚)ξ

217 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 22:59:20 id:alq1PSD60




( ^ω^)「…ツンを言葉責めにできたのって、何年ぶりかおねwwwww」


ξ*゚⊿゚)ξ「なっ…うるさいわねっ!」


( ^ω^)「…ツン」


ξ*゚⊿゚)ξ「…な、なによ!」


( ^ω^)「僕は…今北戦までに。絶対に、絶対に。うまくなってみせるお」


( ^ω^)「一緒に、インターハイに(´・ω・`)「ふー、ごめんごめんお待たせ」




.

218 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 23:02:00 id:alq1PSD60


ξ-⊿-)ξ=3「…はあ。お約束ね……」


(´・ω・`)「…ん?なんか邪魔しちゃったかな…?」


ξ*゚⊿゚)ξ「そっそんなことナイデスヨ!お先に失礼シマッス!!!!オツカレサマデシタ!!!!」


( ^ω^)「おっ…!ツーン!おつかれだおー!気をつけて帰るんだおー!」


(´・ω・`)「なんか…すまないねw」


( ^ω^)「?何がですかお?」


(;´・ω・`)「いや、なんでもないよ…」


(´・ω・`)「さて、シューティングは終わっているかい?」


( ^ω^)「なんとか終わりましたお」

219 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 23:05:09 id:alq1PSD60


(´・ω・`)「そうかい。じゃあ早速だが…」


(´・ω・`)「左コーナーっ!」



突然ボールを拾い、左コーナーへ山なりのパスを出すショボン。



( ^ω^)「っ!……おっ!」



すぐさまショボンの意図を察し、ボールを追うブーン。



⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「おおおおおっ!」



――ばしっ



( ^ω^)(練習どおりのフォームで…!ディフェンスのチェックも想定して…!)

220 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 23:06:12 id:alq1PSD60


――しゅっ



(´・ω・`)「………!」


( ^ω^)「いい感じ…だおっ!」



――ぱしゅっ!



(´・ω・`)(……驚いたね)


(´・ω・`)「ナイスシュート。練習の成果も見せてもらったことだし、早速ワンオンワンだ」


( ^ω^)「はいですお!」


(´・ω・`)「今日からは亀甲縛りも解除だ。オフェンス・ディフェンスは交互にやろう。…僕からでいいかい?」

221 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 23:07:30 id:alq1PSD60

( ^ω^)「はいですお!よろしくお願いしますお!」



(´゚ω゚`)



(;^ω^)「!?」


(´・ω・`)「…どうしたの?内藤くん」


(;^ω^)「(気のせいかお…?)な、なんでもないですお!」


(´・ω・`)「じゃあ…行くよ?」



――ダムッ!



(´゚ω゚`)「シャアッ!!!!」


( ^ω^)「ちょっ…(はやすぎ…)」


(´゚ω゚`)「遅いわぁぁっ!!!!!」


(;^ω^)「んな…(どっから跳んd…!?)」


(´゚ω゚`)「カァッ!!!!!!!」



――ガコォッ!



(;^ω^)「ボースハンドダンク…!?」

222 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 23:08:47 id:alq1PSD60




(´・ω・`)「ディフェンスの一歩目が遅いよ。最初の一歩目が出るか出ないかは非常に重要だ」


(´・ω・`)(……内藤くん。)



――( ^ω^)「一緒に、インターハイに(´・ω・`)「ふー、ごめんごめんお待たせ」




(´゚ω゚`)(あんなタイミングよくたまたま出てくるとでも思ったかい!?)


(´゚ω゚`)(あの状況はね……こういうことだったのさ!)



.

223 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 23:09:50 id:alq1PSD60


――回想(´゚ω゚`)――



  【壁】
  
――(;^ω^)「なんとか…300本終わったお」


――ξ゚⊿゚)ξ「お疲れさま、はい。ポーション」




  【壁】`)

――( ^ω^)「ポーションうめえwwwwwww」


―― 一年「お疲れさまでした!お先に失礼します!」


( ^ω^)「お疲れさまだお!付き合ってくれてありがとうだお!」


  【壁】゚`)

――ξ゚⊿゚)ξ「この後はショボン先生とワンオンワンの練習ね」


――( ^ω^)「だおー…。何時に帰れることやら…」


.

224 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 23:10:36 id:alq1PSD60


  【壁】ω゚`)

――ξ゚⊿゚)ξ「ショボン先生は残った仕事を済ませてから来るって言ってたわね」


――( ^ω^)「そうかお。んじゃそれまでストレッチでもしておくかお」



  【壁】´゚ω゚`)

――ξ゚⊿゚)ξ「付き合うわよ」


――( ^ω^)「ありがとだお」



――(´゚ω゚`)回想終了――

225 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 23:11:31 id:alq1PSD60





(´゚ω゚`)(ぜーーーんぶ丸聞こえだったってことさァァァァァァーーーーッ!!!!)


(´゚ω゚`)(嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬)


(´゚ω゚`)(ShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShit)


(´゚ω゚`)(嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬)


(´゚ω゚`)(内藤くん…今夜は…容赦しないッッ!!!!!)


( ;ω;)「なんかよくわからないけどショボン先生が怖いおーーーーーーーんっ!!!!!!」





.

226 名前:名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 23:12:39 id:alq1PSD60





第8章  完







.

返信2011/11/06 13:17:53

12jigendaddyjigendaddy   第9章 改めまして、VIP高校のスモールフォワードを務めさせていただいております内藤と申します。申し訳ありません、ただいま名刺をきらしておりまして。

233 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:00:27 ID:Ih/htjWo0




第9章 


改めまして、VIP高校のスモールフォワードを務めさせていただいております内藤と申します。
申し訳ありません、ただいま名刺をきらしておりまして。




.

234 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:01:32 ID:Ih/htjWo0


――AM8:43 VIP高校体育館



<_プー゚)フ「………………」



呼吸はずいぶん落ち着いた。
汗はまだ流れるが、先ほどと比べれば幾分かましだ。



<_プー゚)フ「……………」



仰向けに寝そべりながら無言で体育館の天井を眺める。
やはり体育館の照明は直視するには眩しい。



<_プー゚)フ「はーぁ…っと」



己を引き戻すかのように敢えて大きくため息をつき、寝そべった状態から跳ね起きで立ち上がる。
近くに転がっていたボールを拾い上げ、ミドルレンジからひょい、とシュートを放った。



――がつっ



<_プー゚)フ「………ちぇ」


<_プー゚)フ「俺もそろそろ…行くか」

235 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:02:32 ID:Ih/htjWo0


――――――――――――――



時は少々戻って、朝7時。



――ダムッ…ダダムッ



( ^ω^)「ほっ」



――ざしゅっ



( ^ω^)「ふんっ」



――ぱしゅっ



( ^ω^)「ふぅ」

236 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:07:00 ID:Ih/htjWo0

( ^ω^)(いよいよ今日の午後は今北戦だお…)


( ^ω^)(万が一、ケガでもしたらいけないからってことで、ショボン先生とのワンオンワンは今日はなし)


( ^ω^)(できる限り体を休めてあげるように、とも言われたけど…)


(;^ω^)(体を動かさずにはいられないお…)


( ^ω^)(緊張…は、してるお、もちろん。だけどそれよりも…)



( ^ω^)(疼きが、抑えられないお)




――ガラガラ…



( ^ω^)「おっ…(ドクオかお?)」



しかし。



<_プー゚)フ「…おはよございまっす」



内藤の視線の先にいたのは、意外な人物だった。

237 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:09:27 ID:Ih/htjWo0




( ^ω^)「……おはようだお」


<_プー゚)フ「…絶対にいると思いましたよ」


<_プー゚)フ「ショボン先生からもおとなしくしとけ、って言われてたのにw」


( ^ω^)「おっおwどうにも落ち着かんくていかんおww」


<_プー゚)フ「今日はとうとう今北戦っすもんねww」




( ^ω^)「エクスト」


<_プー゚)フ「はい?」


( ^ω^)「…僕に、何か言いたいことがあって来たんじゃないかお?」


<_プー゚)フ「…………」

238 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:10:36 ID:Ih/htjWo0


――<_プー゚)フ『苦肉の策、っすか?』

――<_プー゚)フ「各選手一人ひとりの強さから見て、おそらく今北の方が格上――だから、
       『今北に勝つために』こうやって戦略を練っている…ってことっすか?」



( ^ω^)「さすがに気づかないわけがないお。君がショボン先生に噛み付くなんて。
       まだ出会って数ヶ月だけど、普段のエクストならそんなことしないお」


( ^ω^)「…不満なんだお?今北戦での作戦に、僕が選ばれたことが」


<_;プー゚)フ「……!」



( ^ω^)「エクストの気持ちはわかるお。僕より君の方がずっと上手いお。
       技術だけじゃない、経験的な面でも、きっと君は僕より遥かに優れてるお」


( ^ω^)「だけどだからこそ、なんだお」


( ^ω^)「君がスターティングで出ていくようなことがあれば、今北は必ず警戒してくるお。
       だから、僕なんだと思うんだお」

239 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:13:29 ID:Ih/htjWo0


<_プー゚)フ「…本当は…作戦うんぬんじゃないっす」


( ^ω^)「お?」


<_プー゚)フ「嫌われるの承知で正直に言います。このチームで俺がスタメンの座を奪うのなら、
       それは内藤さん。あんたのとこだと思ってます」


( ^ω^)「…その通りだお」


<_プー゚)フ「俺は、自分のスキルに自信がある!それに多少なりとも、『勝てるバスケット』で
       戦い続けてきた経験だってある!」


<_プー゚)フ「そのチームで俺はエースだった!全中では二回戦で負けちまったけど…声をかけてくれた
       高校はいくつもあった!」


<_プー゚)フ「それでも俺はこのチームを選んだ!このチームで戦いたかったから!」


<_プー゚)フ「それなのに、出られない!いや、出られてはいるけどあんな出場の仕方、俺の思ってたのと違う!」


<_プー゚)フ「今回の作戦のことだってそうだ!俺だったらわざわざあんな苦肉の策で戦わなくても、渡り合える!」


<_プー゚)フ「俺だけに限った話じゃないです、それに野球でもサッカーでもなんでも!誰だってスタメンで出たい!
       自信があるならなおさらだ!それなのに…!」


<_プー゚)フ「自分の方が上手いんじゃないか、って思うような先輩がスタメンで出てるなんて…納得できなっすよ!
        俺にだってプライドはある!!」

240 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:15:08 ID:Ih/htjWo0

( ^ω^)「言いたいことは、わかったお。っていうか…わかってたお」


( ^ω^)「だけど、一個だけ言わせてほしいお」


( ^ω^)「君はいま…『自分なら今北相手でも渡り合える』、そう言ったおね?」


( ^ω^)「高校バスケをなめちゃいけないお」


<_プー゚)フ「なっ!?あんたそのレベルでよくそんなこと…!!」


( ^ω^)「選手としてのレベルは関係ないお。僕は君よりも長く高校バスケの世界にいるお。
       だから、わかるんだお。そういう驕りは、きっとチームにとって命取りになるお」


<_フー )フ「!!!!」


<_フー )フ「…内藤さん。」


<_プー゚)フ「俺と、ワンオンワンしてくださいよ」


<_プー゚)フ「現実、教えてあげますから」


( ^ω^)「……わかったお」

241 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:16:26 ID:Ih/htjWo0

――ダムッ…



<_プー゚)フ「内藤さんの先攻でいいっす」


( ^ω^)「おk」



――きゅ…



( ^ω^)(…とは言っても試合前にケガなんてしようものなら……)



――キュキュキュキュ!



(;^ω^)(んおっ!こいつ…!)



<_#プー゚)フギリ…



( ^ω^)(本気の本気…ってことかお!)

242 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:18:27 ID:Ih/htjWo0


( ^ω^)(余計なことなんか(大事なことだけど)…考えてる場合じゃないお!)



( ^ω^)「エクスト!僕も…君と同じ考えだお!だけど……僕にだってプライドはあるお!」


<_プー゚)フ「じゃあプライドとプライドのぶつかり合いってことっすね!俺は本気でいきますから!」


(#^ω^)「……僕も…本気だおっ!」



――ダムッ!

244 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:22:07 ID:Ih/htjWo0


<_;プー゚)フ「ハァッ、ハァッ」


(;^ω^)ぶん「ゼッ……ハァッ…」


<_;プー゚)フ「……俺の…負けっすね…」


<_プー゚)フ「この一週間で……そんなに上手くなってたなんてズルいっすよ…」



<_フー )フ「………すんません、会場、先に行っててください。ボールはどうせ教頭が運ぶんですし」


( ^ω^)「エクスト…」


<_プー゚)フ「内藤さん、敗者にかける言葉はないんすよ」


<_フー )フ「ちょっとだけ、考え事したいんです…すんません」


( ^ω^)「…わかったお。居眠りして遅刻するなおw」


<_プー゚)フ「大丈夫っすw」

245 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:23:25 ID:Ih/htjWo0



( ^ω^)「エクスト」


( ^ω^)「僕は、君の気持ちも背負って試合に臨むお。今日は絶対にハードな試合になる。だから君の力が絶対必要になるお。
       そのときは、手を貸してほしいお」


<_プー゚)フ「…それは、勝者としての言葉っすか?」


( ^ω^)b「頼りない先輩として、そして、チームメイトとして、だお」


<_プー゚)フ「…っす」


( ^ω^)「じゃあ、先に会場に向かってるお」


<_プー゚)フ「はい。あっ……内藤さん!」


( ^ω^)「お?」


<_;プー゚)フ「生意気なこと言って…失礼なこともたくさん言って!ほんとにすみませんでした!」


d( ^ω^)b「大丈夫、気にしてないお」


( ^ω^)「んじゃ、あとで、だお」

246 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:25:17 ID:Ih/htjWo0


――ガラガラ……ガタンッ



エクストはふぅ、と溜息をつき、コートに寝転がった。



<_プー;)フ「ちっくしょーーーーーー!」


<_プー;)フ「ちくしょう…」


<_プー゚)フ「ちくしょう…かなわねえや、くそっ」





――――――――――

247 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:26:45 ID:Ih/htjWo0

――ニュー速市立スポーツセンター



「「「ざわ…ざわ…」」」



試合開始まではまだしばらく時間がある。
にもかかわらず、観客席は多くの者で埋まりかけていた。



( ><)「すごい人なんです!」


从'ー'从「全国大会でもないのに…でも確かにニュー速県はバスケがアツいですもんねえ。
     他県と比べても、心なしかメディアの扱いが大きいような気がします」


( ・∀・)「まったくだ。こんなふうに、どこの県もバスケットにもっと目をやってほしいものだね。
      そしてもっとバスケットにふれあえる環境が整えばよいのだけれど…」


( ><)「あっ、出てきたんです!」


( ・∀・)「共に一勝を挙げたもの同士…勝った方がインターハイ出場をほぼ確実にする」


从'ー'从「胸熱」


( ><)「ジュンジュワー(笑)」


( ・∀・)「死ね」从'ー'从

249 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:27:41 ID:Ih/htjWo0


('A`)「ランシュー!」



(,,゚Д゚)「タップ!いくぞゴルァ!」



(;^ω^)(もう呑まれそうだお…このふいんき(ryに…)


(=゚ω゚)ノ(絶対…勝つ。クーにも、負けねえヨウ)


( ゚∀゚)(あのノッポ…要注意だ。大丈夫、大丈夫だ…)


( ´∀`)(ニダー君…僕に止められるかなモナ…)


(-_-)(いつ出番があるかわからない…気を引き締めて…ああでも緊張がやばい…!)


(・▽・)(最近の僕のモブキャラ具合ったらないよね)


<_プー゚)フ(…………)

250 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:29:55 ID:Ih/htjWo0




('A`)(お、5分前か)


('A`)「っし、シューティングだ!」


('A`)「ブーン、わかってるとは思うが…」ボソボソ


( ^ω^)「大丈夫、ミドル中心でシューティングしとくお」ボソボソ


( ^ω^)(ここでスリーの練習してたら作戦を隠してた意味がなくなっちゃうお)




.

251 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:31:46 ID:Ih/htjWo0


('A`)(3分前……)


('A`)「っしゃ、集合!!」


VIP一同「おおっ!」



――だだだだだ…きゅきゅっ


('A`)「お願いします!」


VIP一同「お願いします!!」


(´・ω・`)「うん、ではファーストアタックについて注意点をひとつだけ」


('A`)「激しく喜んだり、オーバーなリアクションを取らないように、でしょ?先生」


(´゚ω゚`)「……」


('A`;)(やべ、またセリフ取っちまった)

252 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:32:28 ID:Ih/htjWo0



(´・ω・`)「まあ、その通り。あまり喜びすぎても相手に『マグレなんじゃね?』と思われてしまっては
      作戦の意味がないからね。スタメンだけじゃなくて…」


('A`)「ベンチのメンバーにもちゃんと伝えてありますよ、淡々と褒めておいてくれ、って」


(´゚ω゚`)「……そうかい、仕事が早くて助かるよ」


('A`;)(しまった、セリフだけじゃなくて仕事まで取っちまった…)


(´・ω・`)「まあとにかく。」


(´・ω・`)「気楽に行こう。そうすれば結果は自ずとついてくる。さあ、いっておいで」

253 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:34:05 ID:Ih/htjWo0


(■_■)「やることはいつもと変わらん。だが、最初の一本だけは気をつけろよ」


(■_■)「正直、ダイオードでもジャンプボールに勝てるかわからん。無論、向こうも8番が
     ジャンプに勝つことを前提として速攻を仕掛けてくるはずだ」


(,,゚Д゚)「6番の外角は頼むぞ、クー」


川 ゚ -゚)「任せておけ。簡単にはパスは通させない」


川 ゚ -゚)「それよりもギコ、おまえの方が重要だ。楽に4番にボールを持たせるなよ。速攻の起点は間違いなくあいつだ」


(,,゚Д゚)「任せとけ」

254 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:35:00 ID:Ih/htjWo0




('A`)「っしゃみんな、円陣組もう」



('A`)「行くぞインターハイ!VIP高ぉーーーーーーっファイッ!」


VIP一同「おおおおおぉぉぉぉおおおっ!!」



――ダンッ!ダンッ!ダンッ!



全員がリズムよく床を踏み鳴らす。
その一体感は、とっくに強豪校のそれであった。



.

255 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:36:27 ID:Ih/htjWo0


(;^ω^)(どんどん緊張が…)


('A`)「ブーン」


( ^ω^)「お?」


('A`)「『何があっても最終的には俺がパスを出す』。だから、安心して打てよな、スリー」


( ^ω^)「わかったお(どういうことだお…?)」



ξ゚⊿゚)ξ「ブーンバカアホハゲ童貞短小クソカス」


( ^ω^)「はい」


ξ*-⊿゚)ξ「…がんばんなさいよっ!」


(*^ω^)「おっおっwww」

256 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:40:17 ID:Ih/htjWo0

(,,゚Д゚)「いいか絶対に油断すんな。確実に掴むぞ」


(#,,゚Д゚)「いくぞ今北ぁぁーーーーっファイッ!」


今北一同「おおおおおおおおおおおっ!!」



審判「両チーム、コート中央へ!」


審判「これより、今北産業大学附属今北高校 対、VIP高校の試合を行います!」


(,,゚Д゚)(あ、今日は噛まずに言えてる)


審判「試合中のコールは今北(ryを白、VIP高校を緑とします!互いに礼!」


川 ゚ -゚)(む、正式名称を言うのが面倒だから略してくれたな)


審判(勘弁してよ言いづらいんだってばこの学校名…)

257 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:42:36 ID:Ih/htjWo0


VIP高校

④ドクオ     170cm55kg PG
⑤内藤ホライゾン 175cm58kg SF
⑥イヨウ     166cm54kg SG
⑦モナー     193cm94kg C
⑧ジョルジュ長岡 181cm82kg PF




今北産業大学附属今北高校

④ギコ  175cm63kg PG
⑤ニダー 187cm78kg C
⑦クー  159cm52kg SG
⑧名無し       SF
⑭鈴木ダイオード 194cm85kg C






(;^ω^) 平常心!

258 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:44:12 ID:Ih/htjWo0

(=゚ω゚)ノ「イヨウ、久しぶりだな」


川 ゚ -゚)「ずいぶんと雰囲気が変わったじゃないか」


(=゚ω゚)ノ「おめーは相変わらずハルヒコスが似合ってるヨウ」


川 ゚ -゚)「以前より強くなったか?楽しませてくれよ」


(=゚ω゚)ノ「またずいぶん上から来るじゃねーかヨウ。見てな!」




<ヽ`∀´>「今回のウリのマッチアップはお前ニダ。あの筋肉達磨はダイオードに任せるニダ。あー今回は楽できそうニダwwww」


( ´∀`)「口臭ぇモナ」


<#ヽ゚∀゚>「ファビョーン!?」

259 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:45:46 ID:Ih/htjWo0

( ゚∀゚)ノ「よっ」


/ ゚、。 /「…どうも」ペコリ

  _
( ゚∀゚)「ラウンジ戦、観てたぜ。すげーなおまえ」


/ ゚、。 /「…それがわかっていて、ぜそんなに楽しそうなんです?」

  _
( ゚∀゚)「決まってんだろ」



審判がセンターサークルへ入る。ボールを右手に持ち、腰を沈める。
ボールが、トスされた。

  _
( ゚∀゚)「ワクワクしてんだよ!純粋にな!」



両選手が跳び上がる。



/ ゚、。;/(!?)

  _
(#゚∀゚)「おらあああああっ!」

260 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:47:39 ID:Ih/htjWo0


( ・∀・)(VIP⑧ジョルジュ長岡、181cm…今北⑭鈴木ダイオード、194cm…この身長差でジャンプボールを制する…!?)


从'ー'从(なんて馬鹿げた身体能力…!)



(,,゚Д゚)(問題ねえ!監督の読み通りっちゃ読み通りだから特に慌てることもない)


(,,゚Д゚)(いつも通りドクオに渡して攻めんだろーがっ)


(,,゚Д゚)(ジャンプで負けようが、タップされたボールを獲得した方が有利なんだ)


(,,゚Д゚)(そしてボールがタップされる方向はほとんどわかってる、悪いがいただくぜ!)

261 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:49:51 ID:Ih/htjWo0


  _
( ゚∀゚)(ばーか)


  _
( ゚∀゚)「モナーーーーーッ!」



――びしっ



(,,゚Д゚)(!?)


(,,゚Д゚)「ちっ、ニダーそっちだ取れぇっ!」



(´∀` )ゞ∀´> 「むぐ…」


(,,゚Д゚)(センターサークル付近でポストアップのスタンス…いや、スクリーンアウトか!?
     完全にポジションを取られてる…あれじゃニダーは一歩も動けねえ!)


――ばしっ



( ´∀`)「キャッチだ。とうっ」

262 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:50:31 ID:Ih/htjWo0

川 ゚ -゚)(なるほど、考えたな。4番にボールをタップすることを我々が読んでいる、と考えた上での7番か)


川 ゚ -゚)(だがこの7番はどう考えてもボール運びや速攻を演出できるような選手ではない。
     結局7番にワンクッションさせてから4番に…)



――ダムッ!



<;ヽ`∀´>「うぐぉ!?」


( ・∀・)「パワーステップでニダー君をかわした…!?」


从'ー'从「センターサークル付近でポストプレー…うまい!」


(=゚ω゚)ノ「よっしゃ!」



モナーがパワーステップでニダーをかわした瞬間にイヨウが右サイドライン沿いに駆け上がる。



(,,゚Д゚)「クー!6番走ったぞ!」


川 ゚ -゚)「わかっている!」

263 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:52:02 ID:Ih/htjWo0


クーはモナー→イヨウのパスコースを消すためにイヨウを追う。
そしてギコはボールの出所となるであろうモナーを潰すべくモナーへとプレッシャーをかけに向かう。
しかしモナーはパワードリブルが終了する前に――つまり、着地する前にボールを手放す。



(,,゚Д゚)「えっ」



ギコの視線の先には。



('A`)



モナーによる手渡しパスとなったボールをキャッチするドクオの姿があった。



――ダムッ!



そのままモナーをスクリーンに使い、ドクオがドリブル突破。
幾重にも考え抜かれたこのプレーに、今北のメンバーはクーでさえも理解が遅れていた。

しかしそれもすぐに理解する。



('A`)「いけえっ!」



――びゅっ



ドクオの出したパスによって。

264 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:53:05 ID:Ih/htjWo0


⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「おおおっ!」





                       __
         ,, -──- 、._        〈_〉〕
       -"´         \     ./ `ヽ
      /              ヽ    〈 /| |
      /             ヽ    `´ .L/
     |    /\    /\  |        へ.
      l               |        \.\
     ` 、     (_人_)    /.          \.ゝ
  ,―――`ー 、_         /ー 、           〈´ヽ
 l´        `''     ‐''´    `l         /ヽ | . |
 ` ̄ ̄ ̄ヽ         / ̄ ̄ ̄´        〈 / ノ /
       |         |               ` <´ ノ
       i  `/ ̄`l  /                 `~
       \    / ./
         \__//
         /  /
         ` ̄




(,,゚Д゚)(くそ、5番か…!ってちょっと待て!)


(,,゚Д゚)「あのやろうどこに向かって走ってやがる!?そっちはスリーポイントライン…!」

265 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:53:57 ID:Ih/htjWo0



――ばしっ



川 ゚ -゚)(5番はミドルレンジから仕掛ける選手であったはずだが)


<ヽ`∀´>(話が違うニダ!!!)


/ ゚、。 /(…………)




( ^ω^)(練習どおりに!やわらかく!ふわりと!)



――しゅっ



.

266 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:55:50 ID:Ih/htjWo0


ξ゚⊿゚)ξ(よし!完璧よ!あとはシュートさえ入れば…お願い入って!)


('A`)(来い…)


(=゚ω゚)ノ(入れ入れ入れ)

  _
( ゚∀゚)(頼むっ…)


( ´∀`)(ブーン君…!)



( ^ω^)(入れおぉぉっ!)





――ぱしゅっ



「「「「「!!!!????」」」」」

267 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 22:57:11 ID:Ih/htjWo0

( ^ω^)(よーーーーーーっsh…)



――(´・ω・`)『あまり喜びすぎても相手に「マグレなんじゃね?」と思われてしまっては作戦の意味がないからね』



( ^ω^)(…っと、危ない危ない)


('A`)「っし、ナイシュ」


(=゚ω゚)ノ「デイフェンス、いくヨウ」

  _
( ゚∀゚)「しまっていこーぜ」


( ´∀`)「さ、ディフェンス一本」


( ^ω^)(みんなも落ち着いてるお。こりゃ平気な顔して嘘つくタイプだおね)


(=゚ω゚)ノ「もしかして悪口言った?」


( ^ω^)「ううん、なんも」

268 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:00:25 ID:Ih/htjWo0

( ・∀・)「…うまいプレーだった」


从'ー'从「4番のドクオくんに最初にボールを持たせると思いきや」


( ・∀・)「ところがどっこい、ボールは7番のモナー君へ」


从'ー'从「モナー君を経由して4番のドクオ君にパスを出すのかと思いきや」


( ・∀・)「ところがどっこい、ここでモナー君が攻め込もうとする。合わせて6番のイヨウ君も走り出す」


从'ー'从「するとモナー君→イヨウ君ラインでの速攻かと思わされる」


( ・∀・)「ところがどっこい、モナー君のパワーステップは囮。モナー君にデイフェンスをひきつけたところで
       やはりドクオ君がボールを持つ」


从'ー'从「そしていつもどおりのドクオ君→イヨウ君ラインでの速攻かと思いきや」


( ・∀・)「とk( ><)「ところがどっこい!シューターのイヨウ君は囮で点を取ったのは5番の内藤くん!
               しかも一切データにないスリーポイント!!!!すごすぎるんです!」


( ・∀・)「あのさ、殺すよほんとに」


(::::::)←わかんないです(肉塊)

269 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:01:08 ID:Ih/htjWo0


( ・∀・)「しかし…イヨウ君を囮に使うのはともかく、内藤君がスリーとは…今北も相当面食らってるはずだ」


从'ー'从「しかし着目すべきは内藤くんのスリーよりも…」


( ・∀・)「ああ、他の4人の動きが素晴らしすぎる。まるで申し合わせたかのような…」


( ・∀・)(…まさか最初からこのパターンで攻めるつもりだった…?)


( ・∀・)(いや、まさかね。リスクが高すぎる)






.

270 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:02:49 ID:Ih/htjWo0



ξ゚⊿゚)ξ「ショボン先生…!?いつの間にあんなオフェンスまで教えてたんですか!?みんな完璧じゃないですか!!」


(;´・ω・`)「…僕は何も教えていない」


ξ゚⊿゚)ξ「……え?」


(´・ω・`)「ドクオ君が、イヨウ君が、モナー君が、ジョルジュ君が。彼らみんなが、自分で考え出したんだ」



('A`)(ブーンにばっかり重荷を背負わせるわわけには、いかねーもんな)


(=゚ω゚)ノ(ブーンがショボン先生にしごかれてる間、俺たちだってぼーっとしてたわけじゃないヨウ!)

  _
( ゚∀゚)(VIP公園で毎晩あーでもないこーでもないと試行錯誤の日々!)


( ´∀`)(しかもこの試合一回こっきりじゃない、ファーストアタックで相手がどう対処しても柔軟に対応できる、
       一種のセットオフェンスだモナ!)

271 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:04:06 ID:Ih/htjWo0




('A`)(このオフェンスは・・・誰か一人でもうまく機能できなかったら意味を成さない)


('A`)(ブーンが『必ずスリーポイントを決めなくてはいけない』なんて馬鹿でかいプレッシャーと戦ってるんだ)


('A`)(だから俺たちも、『誰か一人でも失敗したらオフェンスが失敗してしまう』というプレッシャーを背負ってこのワンプレーに
    臨んだ)


('A`)(自己満足なのかもしれない、だけど…俺たちは仲間なんだ!!)



.

272 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:05:58 ID:Ih/htjWo0

<_;プー゚)フ(なんっつーオフェンスやりやがんだよ!もし誰か一人でも動きをミスってたら…1週間丸々練習してきた
        作戦が全部パーになるとこだったじゃねーか!)


<_プー゚)フ(いや…違うな)


<_プー゚)フ(これが、VIP高校というチームなんだ。俺が憧れてるチームなんだ)


<_プー゚)フ(仲間のためなら全力で体を張ったプレーをする、そういうチームなんだ)


<_プー゚)フ(内藤さんも、生半可な覚悟でやってたわけがねえ!一週間、わけわかんねーくらい重いプレッシャーに
       押し潰されそうになりながら……!)


<_プー゚)フ(なのに俺は内藤さんにあんなこと……)


<_プー゚)フ(マジでバカだ、俺……!)

273 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:08:56 ID:Ih/htjWo0

――ダムッ…



(,,゚Д゚)「…一本だ」


川 ゚ -゚)「動揺しているのか?」


(,,゚Д゚)「…お前はどうなんだ」


川 ゚ -゚)「少なからず驚いている。データに一切ないどころか、データから予測することすら
     出来ないプレーだったからな」


川 ゚ -゚)「だが関係ない」


川 ゚ -゚)「常識的に考えろ。今までスリーを打たなかった…いや、打てなかった選手がこんな短期間で
     スリーをマスターできるわけがない」


川 ゚ -゚)「可能性としては、まったくのラッキーパンチ。もしくは…左コーナーからのシュートだけ習得してきた。
     そんなところではないか?」


(,,゚Д゚)「さすがだな。だが……」

274 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:09:54 ID:Ih/htjWo0







( ^ω^)ドヤァ



(ll,, Д )(すんげぇドヤ顔なんですけどーーー!)


川; ゚ -゚)(あれは自信の表れなのか…?むぅ…)




.

275 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:10:43 ID:Ih/htjWo0



( ^ω^)(平常心、平常心)


( ^ω^)(だけど…)


(^ω^ )チラリ



今北産大附今北 0-3 VIP高校



( ^ω^)( 大 成 功 !!!!)


( ^ω^)(先制点をスリーで決めることがこんなにも気持ちいいなんて知らなかったお。しかもノータッチ)


( ^ω^)(平常心!喜びを相手に気取られないように…)


( ^ω^)(だけど思わず顔が緩んじゃうんだお…)


( ^ω^)ドヤァ



.

276 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:12:46 ID:Ih/htjWo0




(■_■)(マグレなのか狙ったのか…さっぱりわからない!何がどうなっているんだ…)


(■_■)チラッ



(´^ω^`)




(■_■;)(むむむむむ…わからんっ!)




.

277 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:17:19 ID:Ih/htjWo0


「いけぇーVIP高!」

「いいぞー!やっちまえ!」


VIP高の鮮やかな先制点に会場は沸き立つ。
インターハイ出場がかかっていることもあり、VIP高校の生徒や教師も多く訪れており、
今北の応援団に劣らぬ人数がVIP高校を盛り上げる。


しかし…



川 ゚ -゚)「五月蝿(うるさ)い」



――ぱしゅっ



(;=゚ω゚)ノ「………!!!」


(;=゚ω゚)ノ(『五月蝿(うるさ)い』だなんて…そんなわざわざ厨二っぽくしなくても…)



「今北7番の超ロングシュート―――!」

「どんだけ遠くから打ってやがんだ!?」

「てかなんであれがリングまで届くんだ!?あんな馬鹿みたいに高い軌道なのに!」

「スリーをスリーでやり返すなんて…まだ始まったばっかなのにどんだけ強気なんだよ!?」

278 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:20:02 ID:Ih/htjWo0




今北産大附今北 3-3 VIP高校



川 ゚ -゚)「同点だ」


(=゚ω゚)ノ「野郎……!」


('A`)「関係ねえ!一本行くぞ!」






.

279 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:21:16 ID:Ih/htjWo0

――ダムッ…ダムッ…



(,,゚Д゚)「だから簡単に行かすかっての」


('A`)「俺も今は勝負する気はないぜ、っと」



――びゅっ…ばしっ



( ^ω^)「ナイスパスだお!」


(,,゚Д゚)(また5番が左コーナーに!?)



――きゅきゅっ



今北⑧「ボールおk!!」


今北⑧(さっきのスリーは確かにマグレかもしれない。だけど一本決められてしまっている以上、警戒はしておくべきだな)

280 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:22:23 ID:Ih/htjWo0


(^ω^ ))クイッ


今北⑧(みg…?)


( ^ω^)「おっ!」



――ダムッ!



今北⑧(左!はや…!)



左コーナーでパスを受けたブーン。
そのまま左サイドへ…つまり、エンドライン側へ鋭いドライブを決める。

そのままクローズアップシュート(レイアップのステップで打つジャンプシュートのようなもの)のステップを踏む。
角度がない状態でのドライブなので、ボードとの角度を得るために軽く右前方に跳びながらシュートを放とうとするが…

281 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:25:37 ID:Ih/htjWo0

/ ゚、。 /「やらせませんよ!」


/ ゚、。 /(ぎりぎり8番のマッチョにパスコースが残るようにヘルプに出てきた。8番へのパスを狙う!)


( ^ω^)「でかすぎだお!しかしミスマッチもなんのその!」


/ ゚、。;/「なっ…(そのまま来た!?味方が見えていないのか!?)」



――がしっ



(;^ω^)「んおっ!」


/ ゚、。 /「ちっ…!」



――ピィッ!



審判「ファウル!白14番!ツースロー!!」


(´・ω・`)「よしっ!」

282 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:28:43 ID:Ih/htjWo0


(,,゚Д゚)「大丈夫か、ダイオード?」


/ ゚、。 /「大丈夫です、すみません…思ってたよりだいぶスピードがあったので」


(,,゚Д゚)(前からスピードのある奴だったが…もし本当にスリーをマスターしていたとしたら少々厄介だなゴルァ)



(■_■)(正直ノーマークだった5番が…さて、どうするか…)
 



VIP高の作戦は、当たりだったようだ。
これまでスピードのあるプレーで2点を中心に点を取ってきたブーンに、3点がある……、のかもしれない。
と思わせることには、とりあえず成功した。



若干の動揺を覚える今北メンバーをよそに、ブーンはフリースローをきっちり2本とも沈めた。



今北産大附今北 3-5 VIP高校



( ^ω^)(ショボン先生との特訓のおかげで…少なからず、勇気というか、積極性のようなものが
       身についたような気がするお)

283 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:30:07 ID:Ih/htjWo0




( ^ω^)「どうも、現在チームの得点の10割を占めております、内藤です」キリッ



( ^ω^)「おっおっおっwwww」




('A`)「調子よすぎて逆に死亡フラグじゃね?」





( ;ω;)「やめてくれおーーーん!!!!!」

284 名前:名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 23:30:50 ID:Ih/htjWo0




第9章   完





.

返信2011/11/11 16:32:41