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11jigendaddyjigendaddy   ('A`)ドクオが生きるという事について考えるようです-10

213 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/15(水) 23:31:00.08 id:JNA4AI+U0
 そんな事を考えている俺の肩に誰かの手が触れた。
振り返ると見慣れた微笑みを湛えた優しい顔があった。

「ツン……。」

「急に呼び出しちゃってごめんね。」



216 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 00:00:15.86 id:MtY97iY70
 一週間ぶりに見たツンは、疲れているように見えた。
表情は至って穏やかだが、その声に疲れを持っているように感じた。
無理もないか………。


「あぁ、別にいいよ。
 で、今日はどうするんだ?」

俺は無理に明るく振舞う。
ツンも察してくれたのか、さっきよりも明るい声で答えてくれた。


218 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 00:05:20.84 id:MtY97iY70


 喫茶店で他愛もない話をして、
 繁華街でツンの服選びに付き合わされて
 ちょっと洒落たつくりの店で昼食を食べて
 また、ツンの買い物に付き合わされて………

 嫌なことから逃げ出すように、二人で学生の頃のように楽しく過ごした。
ブーンの事は一切話題に出さずに、ただ今目の前にある二人だけの時間を満喫した。
ツンの屈託のない笑顔を見る度に、嬉しくなったが
それと同時に横たわっている現実問題を放置している事に気付かされて心が濁る。

221 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 00:10:05.19 id:MtY97iY70

 日中を楽しく過ごした後、俺達はツンの家の近くのスーパーで
夕食の材料を買い込んだ。
俺のようなずぼらな人間の一人暮らしではお目にかかれない
ちょっとした凝った食材を袋に入れて店を出る。

店を出て信号待ちをしているとツンが呟いた。

「今日は、久しぶりに楽しかった。」

夕焼け色に染まるツンの横顔はどこか寂しげだった。

―――陽は既に落ちかけていた。

222 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 00:13:05.72 id:MtY97iY70
 案内されるままにツンの家に招かれ、
始めて見る三人で暮らすのにも問題のない手広い部屋に
ツンとブーンの生活の匂いを感じた。

「いい部屋だな。」

 正直な意見を述べる。

 そこでいくつかおかしな所を見つけた。
所々の壁に何かがぶつかった、あるいは何かをぶつけた跡があった。
これが何かを頭が理解するより先にツンが別の話題を持ち出して遮る。

223 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 00:13:41.84 id:MtY97iY70

「ブーンもね、この部屋を見つけた時には褒めてくれたんだ。」

「あぁ、じゃあこの部屋はツンが見つけたんだ?」

「ブーンってさ、生活の事には無頓着じゃない。
 だから、家探すのも全部私に任せっきりで困ったわよ。」


224 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 00:14:16.06 id:MtY97iY70
 生活のことには無頓着…か。
仕事にのみ生きて、技術を高める事に異常なまでの執着心を持つが
そのくせ、食生活を始めとした生活的な事には興味を示さない。
忙しい時期に躊躇なく会社の床で寝るブーンにこれ以上なくしっくりくる言葉だ。
かく言う俺も、ブーンから床で寝るという事とそのコツを伝授されたわけだが…。

「ブーンらしいな。」

「そうでしょ。本当に、困った人なんだから。」

226 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 00:19:13.55 id:MtY97iY70
 適当に会話を交わした後、俺はツンと一緒に夕食を作り始めた。
といっても、俺は適当に食材を切るとか洗ったりするくらいで
手伝いと呼べるかも怪しいくらいしか活躍できなかったが。

 それでも、キッチンに二人並んで曲りなりにも一緒に料理を
作るというのはどこか不思議な感じがした。

227 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 00:23:01.19 id:MtY97iY70


 が、しかし料理初心者が出来る手伝いなんてあっという間に無くなった。
手伝えることが無くなるとツンに適当に寛いで待つように促され、
仕方なくテーブルの椅子に腰掛けた。
ツンが料理をする音と良い匂いが俺の食欲を刺激し、盛大に腹の虫が鳴る。
その音にツンは笑いながら、もう少しかかるから待っててと返事を返す。

 手持ち無沙汰になった俺はブーンの部屋にお邪魔した。
本棚に並べられた技術書に目を通す。
付箋が随所に貼られ、自分なりの解釈をメモにして本の中に惜しげなく
書き記されていた。

228 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 00:27:29.64 id:MtY97iY70
 ビッシリとメモが記され、付箋まみれになっている技術書と
似たような状態になっている他の本を見て、一種の”職人”として
仕事をしている俺とブーンの差の一片を感じた。


「ドクオ、晩御飯の用意出来たわよ。」

 ツンのよく透る声が聞こえて、またしても腹の虫が盛大に鳴き始めた。
技術書を本棚に返して、ツンと料理の待つダイニングへ向かう。

231 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 01:00:38.01 id:MtY97iY70


 ツンの料理は昔、何度か食わせてもらった事があったが
あの時よりも遥かに美味いと思った。
昔食べた食べ物には思い出補正がかかるものだが、
それを超えるほどに美味い料理だった。

「美味いな。」

「褒めても何もでないわよ。」

 ツンは悪戯っぽく微笑む。
 俺もつられて笑った。

232 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 01:03:01.68 id:MtY97iY70
 食事を終えて後片付けも一段落ついてツンが淹れてくれたコーヒーを飲む。
未だ、ツンの両親に預けられているブーンとツンの娘の事や
ほんの少し込み入ったブーンとツンのこれからの事について話し合った。

 と言っても、そこになんら具体性はなくこれからどのようにしていくのが
ベストか、という曖昧な事を決める程度の話し合いに過ぎなかったが
それでも俺は脳をフル活動させて考え得る提案を搾り出すようにツンに伝えた。

返信2006/11/16 09:35:05