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12jigendaddyjigendaddy   ('A`)ドクオが生きるという事について考えるようです-11

233 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 01:03:36.70 id:MtY97iY70
 話が途切れた所で、壁にかけられた時計がふと視界に入った。
ツンも俺のその視線の先に気付いたのか時計の方に振り返る。
時刻は夜の八時を示していた。


「今日は泊まっていく?」

唐突にツンが切り出した。

234 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 01:04:47.68 id:MtY97iY70
「いや、まだ今なら電車、間に合うけど…。」

そう返事をした途端、ツンの表情が暗くなったような気がした。

「ツン?」

ツンは何も言わずに席を立ち、静かに俺に歩み寄ってくる。

表情の読めないツンに少し困惑しながら、俺は何故か身構えた。

235 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 01:06:18.14 id:MtY97iY70

「ツン、何を…?」

 ツンが俺の両肩にそれぞれ手を置いて、そして唇が重なった。
一瞬の出来事だった。

 一度唇が離れて、また触れ合う。
それはとても、濃厚で激しかった。



236 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 01:07:37.08 id:MtY97iY70


 唇が離れて、お互いに距離が生まれた。
困惑しながら見つめたツンの顔は今にも壊れそうな悲しげな表情をしながら……笑っていた。

どこか自虐的で、湿っぽい見るに耐えない笑顔………




239 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 01:09:58.76 id:MtY97iY70

その表情を宿したままにツンは俺の手を静かに取る。

ツンの手に導かれるままに這わせた手がツンの胸の感触を脳に伝えて
俺の中の理性を次々と破壊していく。

その感触に高揚感を感じた。
その表情に恐怖心が芽生えた。



240 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 01:10:58.97 id:MtY97iY70




 自ら服を脱ぎ始めるツンを止める事も出来ずに、ただ受動的に
事の成り行きを見つめながら待ち続ける。
ふさり、と柔らかい音がしてツンの肌が次々と露になっていく。

初めて見たツンの身体は傷だらけだった。
自傷によるものなのか、ブーンにやられたものなのか。
判断に困るような、それほどに深い傷跡。

241 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 01:11:44.50 id:MtY97iY70
「嫌な跡がいっぱい残っちゃった。
 嫁入り後で、本当に良かったなぁって思ってる。」

 22年間の人生の中で、それは見た事のない表情だった。
ケラケラと笑いながら涙を流しがら諦めたような
たくさんの感情がない交ぜになったとても歪で痛ましい顔。
壊れた人が見せる表情、とそれを見て思った。



242 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 01:12:09.62 id:MtY97iY70

”………それでも……”

 一つの言葉が喉に出掛かる。
瞬間、理性が次々と警鐘を鳴らす。



248 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 02:00:20.24 id:MtY97iY70


―――それを声にするな。
―――口にするな。
―――言葉にするな。



「………それでも……」

―――戻れなくなるぞ。

「それでも、綺麗だ。」

 理性の声は届かなかった。
理性は失われて、代わりに欲望が湧き上がる。


249 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 02:01:28.55 id:MtY97iY70
 ツンは両手を俺に差し向けてこれから来る”何か”を優しく
抱きしめるように微笑んでいた。
若しくは、泣いていたか。
よく覚えていない。
 ツンの両手に俺の両手を重ねた時点で、俺の記憶は
飛んだ。全ては本能の任せるままになった。




 俺は ただ ツンを 貪った。






250 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 02:02:05.75 id:MtY97iY70



―――


―――――


―――――――

 身体と心が急速に冷えていく。



「初めてだった?」

 俺の腕を枕にしてツンが囁く。

「あぁ……。」



 尊敬していた親友の妻で筆卸し………笑えない話だ。
欲望を一しきり吐き出してから、俺はどうしようもない
罪悪感と虚無感に襲われた。

251 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 02:03:42.59 id:MtY97iY70

ツンは本当に巧かった。
初めてでも分かる。
それだけの経験を積んできたのだろう。
そう。ブーンと一緒に………。


253 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 02:04:31.64 id:MtY97iY70


「そこのライター、取ってくれる?」

 ツンの片手には小さな紙の箱があった。
それが煙草の箱だと理解するのには僅かな時間がかかった。

「煙草、吸うようになったんだ?」

 ライターを手渡す。
煙草に火をつけてツンはまた自虐的な笑みを見せて言った。

「煙草吸う女は嫌いだったっけ?」

255 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 02:06:39.06 id:MtY97iY70
 さっきよりはいくらか感情の整った様子で悪戯っぽく微笑みながら
ツンは煙草を咥える。
ただ、煙草を吸っているだけなのに、どこかツンが違う人のように見えた。

 ツンの吐き出す煙草の煙は昇天するように天井へ吸い込まれるように
昇り消えていく。その独特な匂いを部屋に残しながら………。


「…ドクオも吸う?」

「あぁ、貰うよ。」

 ツンは箱から一本煙草を取り出して俺の口に入れてくれた。

256 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 02:07:20.42 id:MtY97iY70
 何かの映画か何かで見たように、ツンが咥えている煙草の先に
顔を動かして煙草を運ぶ。


「ねぇ、ドクオ。」


煙草越しにキスするように。


「聞いてくれる?」


そして火を点す。



257 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/16(木) 02:08:10.93 id:MtY97iY70


「一緒に死なない?」


 口の中に広がる煙。
その銘柄はピース。
この煙の匂いに、俺はツンの感触と匂いを刻み込んだ。



返信2006/11/16 09:35:43