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28jigendaddyjigendaddy   ('A`)ドクオが生きるという事について考えるようです-27

138 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:30:07.88 id:tJnLi/7X0
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告別式場。
顔以外を黒一色に染めた人々が取る態度は大きく二種類に別れていた。
悲しそうに俯くか、あるいはブーンとは別段親交はなかったが付き合いや世間体を考えて
悲しそうなフリをするか。
そのどちらかで、本心から悲しんでいるか、フリをしているだけかは容易に判別がついた。


”………今の俺の姿はどちらに見えるのだろう?”


140 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:32:38.43 id:tJnLi/7X0

式場でツンの父親の姿を見かけた。
ブーンの両親と穏やかならぬ表情で話をしている。

それはそうだろう。
ツンは未だに「行方不明」で、ブーンとツンの娘の親権や
ブーンの保険金の事やこれからの養育費など
決めなければならない事は山のようにある。


141 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:33:07.77 id:tJnLi/7X0

現実問題、無責任な話だとは思う。

だけど、責めるべき相手は既に居ない。

改めて自殺は究極の責任逃避だと思わされる。


144 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:36:38.35 id:tJnLi/7X0

「あ、おじちゃん……。」

両家の気まずい空気に耐えかねて、ブーンとツンの娘、
デレが俺の元に駆けて来た。

「よう、デレちゃん。久しぶり。
 俺の事覚えててくれたんだな。えらいぞ!」

小さい子は物覚えがいいと言うが、ほんの二・三度顔を
あわせただけの俺の顔を覚えていたのには驚いた。


146 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:39:00.03 id:tJnLi/7X0

「あのね、おじちゃん。」

少し困ったような顔でブーンの棺桶を指差す。

「お父さんね、ずっと寝てるの。」


148 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:40:28.26 id:tJnLi/7X0
「いつ目を覚ますの?」

「おじいちゃんもおばあちゃんもずっと怒ってるの。
 デレ、悪い事したのかな?」

「お父さんがね、目を覚ましたらデレ、お母さんみたいに
 ビールをコップについであげるんだ~。」

小説やマンガでしか聞いたことの無いような台詞が次々と耳に刺さる。


150 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:43:47.94 id:tJnLi/7X0

(あぁ、マンガなんかだったら別に何とも思わなかったけど…
 実際に、目にすると…すげぇやるせない気持ちになるんだな………)

思わず涙腺が緩む。
だけど、泣くわけにはいかない。

「デレちゃんが良い子にしていれば
 その内目を覚ますよ。」


152 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:44:34.78 id:tJnLi/7X0

「本当?
 またブーンしてくれる?」

「してくれるさ。」

「お母さんも帰ってくる?」

「ああ………」

口から漏れたその言葉は肯定の返事ではなく
最早、答えにならない呻き声だった。


155 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:49:04.26 id:tJnLi/7X0

「どうしたの?おじちゃん?」

デレが不思議そうに俺の顔を覗きこむ。
俺は、ツンの面影を持つ少女の顔を直視出来なかった。


158 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:50:45.75 id:tJnLi/7X0


「ドクオ君。」

聞きなれた声のする方向を見ると、喪服を身に纏ったクーの姿があった。

「クー。
 ………久しぶりだな。」

「そうだな。
 デレちゃんも元気だったか?」

クーが優しく微笑みながらデレに視線を合わせる様にしゃがんで
話しかけたが、デレはおずおずと俺の後ろに隠れて、少し怯えたように
クーを見ていた。


160 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:52:45.99 id:tJnLi/7X0

「む………私を、覚えてないか?」

デレはこくんと頷く。

「そうか…。
 お母さんの友達のクーだ。
 クーお姉さんと呼んでくれ。」

「お母さんの友達?
 本当?おじちゃん?」

「あぁ、本当だよ。」

デレはふぅん、としげしげとクーを見つめてにっこりと笑った。
クーもそんなデレに優しく微笑み返す。
デレの笑顔は、ツン譲りだと思った。


163 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 01:58:18.77 id:tJnLi/7X0

「デレちゃ~ん!
 こっちにおいで!」

ツンの父親がデレを呼び、振り返った俺とクーと目が合った。
お互いに軽く会釈する。

「じゃあおじちゃん。クーお姉ちゃん。
 またね!」

ぶんぶんと力いっぱい手を振ってデレちゃんはツンの父親の元へ駆けていった。
何度も何度も、俺達を振り返りながら。

ぎゅっ、とクーがバッグを強く握ったのが見えた。
俺も、気が付けば拳を強く握っていた。


167 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/23(木) 02:01:55.94 id:tJnLi/7X0


葬式の後、俺とクーは人気の無い道を並んで歩いていると
クーは俺の姿を横目で見て呟いた。

「それにしても、おじちゃんか。」

「何だよ?」

「普段は学生に見える君も、デレちゃんにはおじさんっぽく見えるようだな。」

クーはいたずらっぽく微笑む。
俺はムッとして軽く怒った表情を作る。

ほんの少し、気が和らいだ。


返信2006/11/23 09:06:49