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3jigendaddyjigendaddy   ('A`)ドクオが生きるという事について考えるようです-3

23 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/13(月) 22:18:40.43 id:e68qkRWc0
 それから、長い時間をかけて話をした。
二人の新婚生活の事。
ブーンや俺の仕事の事。
ブーンとツンの娘の将来の事。
クーの就職活動の事。

 話題はいくらでもあった。
だけど、時間だけは有限で、まだまだ話すことは
尽きなかったけれど、場はお開きとなった。


24 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/13(月) 22:19:24.40 id:e68qkRWc0
「また機会があればみんなで揃って飲むお。」

 会計を一人で全員分済ませたブーンがそういってしめる。
今日こそは、と俺はサイフを取り出し、今日の為に用意しておいた
万札軍の中から二枚を取り出しブーンの手にねじ込む。
が、ブーンの方が上手で万札は俺の手にねじ込み返される。
おかえり、俺の一万円達。

 これもまた、いつもと同じノリだった。


26 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/13(月) 22:20:02.23 id:e68qkRWc0
「先行投資だお。
 ドクオが将来出世したらこれの何倍もの値のする料理を
 ご馳走するんだお。」

「おや?ドクオ君が出世出来るのか?」

ツンが笑う。
俺はムッとする。
ブーンとクーが俺を見て笑う。
俺達は本当に、いい仲間だ。
心の底からそう思う。


27 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/13(月) 22:20:44.03 id:e68qkRWc0
 並んで歩くブーンとツンは昔と変わらず、サマになっていた。
歳にして俺とほんの二つ、三つしか変わらないその男の背を見て
俺は、俺なりにこの男という目標を追い求めていきたいと、
改めて思った。

28 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/13(月) 22:21:15.79 id:e68qkRWc0


 時は流れ、季節にして夏の終わり。
厳しい夏の日差しの終わりと秋の到来を感じさせるある日。

ブーンが過労で倒れたと、ツンから連絡があった。


 仲間という絆で結ばれた俺達という歯車はここから
噛み合わなくなったのだと今にして思う。

29 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/13(月) 22:21:44.12 id:e68qkRWc0

相当に劣悪なプロジェクトのリーダーを
任されているという話は聞いていたが、
それでも、まさかブーンが倒れるとは思わなかった。
連絡を受けて、俺は自分の仕事が順調ではないながらも
有給を貰い、日帰りでブーンの見舞いに出向いた。


30 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/13(月) 22:22:12.50 id:e68qkRWc0

 受付でブーンの病室を聞いて白く長い廊下を歩く。
あれだけ俺に身体には常に気を配れと言っていた
ブーンが身体を壊したんだ。
どう からかってやろうかな、とそんな軽いノリで考えていた。
ほんのちょっとの言葉と、見舞いの品があれば全ては
元通りになるんだとこの時はそう思っていた。そう信じていた。


「内藤ホライゾン」というプレートのかけられた病室に辿りつく。
「病室内では静かに」という壁に張られたポスターに従って
遠慮がちにドアをノックする。

 返事はなかった。
トイレにでも行ってるのか?
またも遠慮がちにノックして、そしてドアを開けた。

「ブーン、居るか?」


31 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/13(月) 22:22:51.34 id:e68qkRWc0

 ベッドの上にはブーンがいた。

「ドクオかお…よく来てくれたお。」

 だが、久しぶりに会ったブーンからは”覇気”が失せていた。
自信家でそのくせ隠れて努力をして、俺を小バカにしながらも
面倒見てくれる、野心家で憧れの男の面影はそこにはなかった…。

 こいつは誰だ?
思わず、心の中で俺は俺自身に問いかけた。

 しっかりしろよ。
こいつはブーンだ。ブーンに違いねぇんだ。

「な、なに暗い顔してんだよ。
 らしくもねぇ。」

 俺の声は劇やアニメを思わせるほどに上擦っていた。
見た目はブーンに違いない。だがオーラというか雰囲気はまるで
死人のような…ともかく形容しがたい負を感じさせた。


32 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/13(月) 22:23:25.19 id:e68qkRWc0

 無理に取り繕ってブーンにお見舞いのシュークリームを手渡す。

「元気出せよ。
 お前がそんなんじゃ調子出ないだろ。」

「そうかお…。
 それはすまなかったお…。」

 それから一時間、ブーンと話をした。
と、いうよりも一方的に俺が喋りブーンが相槌を返すような
何とも滑稽で、苦痛しか感じない一時間だった。





33 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/13(月) 22:24:06.33 id:e68qkRWc0

「じゃあ、また来るな。
 元気、出してくれよ。」

空気に耐えられなくなった俺はそこで見舞いを中断する事にした。

今は時期が悪かったんだ。

 そう自分に言い聞かせた。



「ドクオ。」

病室を出る前、ブーンが自ら口を開いてくれた。





34 名前:(・へ・) 投稿日:2006/11/13(月) 22:24:46.81 id:e68qkRWc0



「会社、クビになったお。」




 それだけ言って、ブーンは窓の外に広がる景色に目をやる。
それきり、奴は微動だにしなかった。

 窓の外から聞こえる遅生まれな蝉達の鳴き声が
病室の静寂を無遠慮に塗りつぶした。


返信2006/11/15 11:16:27