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10jigendaddyjigendaddy   七 二刀と鬼

1 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:31:32.85 id:CgaT5Wsq0
以前までのまとめ

ttp://bouquet.u-abel.net/murder/mokuji.html 花束 様
ttp://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/253?mode=tree ブーン系小説グループ 様

人物紹介
 
('A`) 鬱田独右衛門氏脳 うつだどくえもんしのう
 
流浪武士。内藤一刀流の出であり、皆伝を成している。
火富町にて人斬り、曙歩初歩之助兵衛と死合うが、敗れる。
通り名は「悪斬り独」改め、「斬鉄の独」。
 
(´・ω・`) 曙歩初歩之助兵衛 しょぼしょぼのすけべえ
 
人斬りを好む狂人。示現流の出でおり、皆伝を成している。
火富町にて流浪武士、鬱田独右衛門氏脳と死合い、勝利する。
その際に砕鉄の小刀を奪う。通り名は「人斬り初歩」。
 
( ^ω^) 内藤武雲法螺居存 ないとうぶうんほらいぞん

内藤一刀流師範代にして、内藤家十一代目当主。
その腕は天下の狐家から推挙が上がるほどである。
推挙の際、「歩之助兵衛の抹殺」を条件とされ、果たすために旅立つ。

2 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:32:21.52 id:CgaT5Wsq0
川 ゚ -゚) 沙麻空 すなおくう
 
火富町の遊郭、「斉藤屋」で働いていた遊女。
瀕死の独を見つけ保護した。
独に自らの不幸を打ち破ってもらい、共に行くことを決める。
 
(,,゚Д゚) 頭佐擬古 ずさぎこ
 
諸国を旅する座頭だが、実態は人斬りを追っている。
道中、内藤と出会い和解し、共に人斬りを追うことに。
通り名は「座頭の擬古」、「天下の盲人ヤクザ」。
 
( <●><●>)(故人) 伊東一刀斎若手枡 いとういっとうさいわかてます
 
その身一つで一刀流を築いた最強の剣客。
剣の神と謳われ、その実力はまさしく天下一であった。
丹生速町にて人斬り、曙歩初歩之助兵衛と死合い、敗れる。

4 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:36:33.29 id:CgaT5Wsq0
七 二刀と鬼
 
ポツリ、と雨が降った。

('A`)(狐雨か)

空は晴れているのに、所々に弱い雨が降り注ぐ。

( ゚∀゚)「何他所向いてやがる」

ザ、と音を立てて、長岡が独へと近づいた。
距離にして後五歩。

( ゚∀゚)「余裕、ってか?」

長岡はその距離を保ち、抜刀した。

('A`)「―!」

独の前に立つ男、長岡は構えた。
左腕を前に、右腕を天高く掲げる構えだ。
しかしその両腕には刀が二つ。
左手には小刀、右手には刀。

5 名前: ◆xjCZpXtL0U うんこいっぱいでた 投稿日:2008/05/10(土) 13:38:04.59 id:CgaT5Wsq0
('A`)「二刀流か」

呟き、独は右足を半歩だし腰を深く落とす。
柄に手を置き、居合いの体制に入った。
二刀流。両手にそれぞれ刀もしくは剣を持って、攻守をおこなう技術の総称。
二刀剣法とも呼ばれる

( ゚∀゚)「手前に捌ききれるか?」

突如、長岡が足を踏み出した。

( ゚∀゚)「我が師、宮本武蔵の二天一流、とくと見よ!!」

叫び、長岡は独に迫った。
二天一流。右手に大太刀、左手に小太刀の二刀を用いる五つのおもて「五方」の
五本にまとめ上げ、その兵法理念を『五輪書』に書き表した。
『五輪書』では流名は二刀一流・二天一流の二つが用いられているが最終的には二天一流になったと考えられる。
後世には、二天流・武蔵流の名も用いられている。
左腕の小刀を横薙ぎに独へと振るう。
だが。

6 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:40:00.26 id:CgaT5Wsq0
('A`)(・・・これは・・・)

ギン、と鉄のぶつかる音が響く。
独の居合いは、長岡の刀により受けられていた。
しかしその受けもやはり二刀流によるものか、左手の小刀で根元を、右手の
刀で腹を押さえた。

( ゚∀゚)「でああああ!!」

キン、と長岡が独の刀を押し、離れた瞬間に右の刀で突きを見舞う。
独はそれを峰で弾き、次いで来る小刀の逆手薙ぎを弾く。
独は少し離れると納刀し、すぐさま居合いの姿勢に入る。
すると長岡はあと二歩という距離にまで接近し、独は今一度抜刀する。
横薙ぎの神速、居合い。それを受けたのはまたもや二本の刀。
しかし、甘かった。

('A`)「・・・!」

斬鉄が軽く二本に当たった瞬間、独は掬う様に小刀の下へと斬鉄を潜らせ、一気に
上へと振り上げる。

7 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:42:00.06 id:CgaT5Wsq0
( ;゚∀゚)「なっ―!!」

左手の小刀が手元から離れ、次いで右手の刀が大きくぶれた。

('A`)「はあ!!」

独は刀を横に構えると、抜き去るように長岡の胴へと斬鉄を滑らせた。

( ; ∀ )「があっ!?」

美しく決まった一閃。長岡が倒れる音を背に、独は空を呼んだ。

('A`)「空、布をくれ」

ポツリ、と雨が降る。それは独の鼻先に当り、長岡に当り。

川 ゚ -゚)「・・・どうぞ」

独は空に渡された木綿で斬鉄の血糊を拭い、納刀した。

( ; ∀ )「ぬぐ・・・が・・・あ・・・」

8 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:44:00.36 id:CgaT5Wsq0
ふと、耳に届くは苦痛の声。
独は振り返ると、そこには刀を杖代わりに、立とうとする長岡が居た。

('A`)「・・・・・」

再度斬鉄を抜く。介錯をするべく独が長岡へと近づいた。

('A`)「今、楽にしてやる」

斬鉄を天空へと掲げ、振り下ろそうとした瞬間だった。

( ; ∀ )「ま・・・だだ・・・」

ふと、長岡の声が聞こえた。

( ; ∀ )「俺は、死なない・・・!!最強になるんだ!誓ったんだ、師匠に!!
     こんなところで死ねない!!俺は誓いを果たすんだ!!」

('A`)「・・・・・」

チン、と音が響く。ソレは納刀の音である。

11 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:46:00.17 id:CgaT5Wsq0
('A`)「お前は弱い。一合目の時にソレはすぐさま理解できた。力が無いんだ。振りも遅い。
    その程度で俺に挑むのは早すぎた」

静かに独は長岡へと語りかけた。

('A`)「お前は、生きたいか?」

( ; ∀ )「・・・・・」

('A`)「恥を忍び、世に邪険にされ、それでも生きたいか?」

ポツリ、と雨が降る。
しかし、その一滴が最後だったかのように、空は晴れ晴れとした。

( ; ∀ )「・・・生きたい」

('A`)「・・・・・」

( ; ∀ )「生きて、絶対に最強になるんだ・・・死んでたまるか!!」

そう言い、長岡は立ち上がる。

12 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:48:13.97 id:CgaT5Wsq0
( ; ∀ )「さあ、殺せるものなら殺してみやがれ!!俺は死なない!!
     例え頭(こうべ)一つとなろうとも!!朽ち果てはしねえ!!」

目は朧気か、その目はしっかりと独を見据えていない。
だが独はソレを聞き、背を向けて歩き出すのであった。

( ; ∀ )「いつか、必ず!!手前を殺してやる!!そして、そして!!
     最強になってやるんだ!!待ってろ、俺が絶対に手前を殺す!!」

ザッ、ザッ、と独は草を掻き分け、空の居るほうへと歩く。
ようやっと空の隣へと立つと、こう言った。

('A`)「すまんが、手当てをしてやってくれ。俺は先に宿に居る」

川 ゚ -゚)「分かりました」

この時、長岡は死の間際で思っていた。
あの男、独右衛門の強き事。

( ; ∀ )「・・・正しく、鬼也・・・」

14 名前: ◆xjCZpXtL0U マドレーヌうめえな・・・ 投稿日:2008/05/10(土) 13:50:03.05 id:CgaT5Wsq0
 
 
一人部屋の中で斬鉄の手入れをする独。
まるで心此処にあらず、といった風に意識が無いのか、口をぽかりと明けたまま布で斬鉄を拭く。

('A`)「・・・決めたのにな・・・」

ふと、呟いた言葉は誰へのものか。

('A`)「鬼になると、決めたのにな・・・」

独は自責の念に囚われていた。
自らを鬼と化し、情をかけず、殺しつくす鬼となると決めた。
だが独は、長岡を生かしてしまったのだ。

('A`)「結局、俺では鬼になどなれないのか」

この甘さで、果たして奴に勝てるのか。
あの人斬りを、討てるのか
無理だ、と独は思う。こんな体たらくな、甘い剣では。
返り討ちにあうのが目に見えて分かる。

15 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:52:09.24 id:CgaT5Wsq0
('A`)「・・・・・」

一人部屋で憂く。しかし独は知らぬまい。
傍から見れば、その太刀筋は正しく鬼の如き。
破壊の限りを尽くす、そんな風体なのだ。

「独様、居ますか?」

ふと、独が感慨に耽っていると、空の声が襖越しから聞こえてきた。

川 ゚ -゚)「・・・!!」

スラッ、と襖が開く。空が独を確認するや否や、すぐさま抱きしめた。

(;'A`)「お、おおおい、空、どうした」

焦る独の質問に、しかし空は答えず。
焦点を宙に浮かせ、戸惑いながらも独はその状態のまま固まっていた。

16 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:54:00.12 id:CgaT5Wsq0
川  - )「・・・よかった・・・」

ふと、暫くの間黙っていた空が、呟いた。

川  - )「本当に、よかった・・・」

(;'A`)「???」

川 ゚ -゚)「・・・失礼しました」

そう言うと、空は独から離れ、一畳を挟んだ所に正座する。

川 ゚ -゚)「独様、私は不安でした」

言われ、しかし独は何がかは分からない。

川 ゚ -゚)「もし、貴方様が死ぬようなことになったら、と考えるだけで・・・頭が真っ白になりました」

その言葉を聞き、独は有り得ない、と思った。

17 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:56:00.06 id:CgaT5Wsq0
('A`)「空、安心しろ。俺は死なないし、負けない」

川 ゚ -゚)「・・・安心など出来ません」

しかし独の言葉にピシャリと反論する空。

('A`)「何故だ」

川 ゚ -゚)「貴方様は、あの人斬りにまた挑もうとするからです」

フッ、とそこで音は途絶えた。
独は空の言葉を聞き、暫し思うのであった。

('A`)「何故そこで人斬りの話なぞ・・・」

川 ゚ -゚)「貴方様は確かに強い。先ほどの死合いでもその実力は十分なまでに分かっています。
     無論、私を助けてくださったときから既に。しかし、思ったのです。
     何れ貴方様は人斬りと死合う。その時、もしかしたら―」

('A`)「止めろ」

川 ゚ -゚)「いえ、止めません。貴方様は敗れるやもしれない。死ぬかもしれない。
     私は怖かったのです。今日、初めて果し合いを見て、恐ろしかったのです。
     あの空気、あの殺気。どちらが死んでも可笑しくは無いあの場。
     貴方様は、これから先、本当に生きていられるのですか?」

19 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:58:00.02 id:CgaT5Wsq0
('A`)「・・・無礼ぞ」

ついに怒る独。その手は振るえ、眉間に皺を寄せ、顔を赤くする。

川 ゚ -゚)「勘違いしてはいませんか」

そんな独に、空は至って普通のように声を出した。

川 ゚ -゚)「貴方様は、私に侍る者ではなかったのですか?」

('A`)「―!」

独はあの日、空を助けた際に誓ったのである。
士う、と。

川 ゚ -゚)「貴方様の主君、沙麻空が命じます」

この日、独は鬼にはなれなかった。

20 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10(土) 13:59:00.05 id:CgaT5Wsq0
川 ゚ -゚)「その身、その心。全て私に預け、決して死んではなりません」

('A`)「・・・心得て候」

両の手を畳へとつけ、頭を深く下げる。

川 ゚ -゚)「・・・よろしい」

春も終わり頃、ある男は鬼になろうとした。
しかしなりきれず、男は自らの心の弱さに悔いた。
その男の主君は言う。死んではならない、と。
男は答えた。死なない、と。
 
 
七 了

(’A`)は人斬りと死合うようです
返信2008/05/10 16:06:12
  • 10七 二刀と鬼 jigendaddyjigendaddy 2008/05/10 16:06:12
    &gt;http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1210393892/:title&gt; 1 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/05/10 ...