('A`)は人斬りと死合うようです RSSフィード
 

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3jigendaddyjigendaddy   二 士て候

1 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 19:56:23.14 id:T1qoNG6o0
前スレ(序・一)
ttp://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1207739475/l50

人物紹介


('A`) 鬱田独右衛門氏脳 うつだどくえもんしのう

流浪武士。内藤一刀流の出であり、皆伝を成している。
火富町にて人斬り、曙歩初歩之助兵衛と死合うが、敗れる。
通り名は「悪斬り独」改め、「斬鉄の独」。


(´・ω・`) 曙歩初歩之助兵衛 しょぼしょぼのすけべえ

人斬りを好む狂人。示現流の出でおり、皆伝を成している。
火富町にて流浪武士、鬱田独右衛門氏脳と死合い、勝利する。
その際に砕鉄の小刀を奪う。通り名は「人斬り初歩」


( ^ω^) 内藤武雲法螺居存 ないとうぶうんほらいぞん

内藤一刀流師範代にして、内藤家11代目当主。
その腕は天下の狐家から推挙が上がるほどである。
推挙の際、「歩之助兵衛の抹殺」を条件とされ、果たすために旅立つ。

2 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 19:59:02.23 id:T1qoNG6o0
二 士て候

('A`)「ん・・・」

目が覚めてみれば、そこは知らない部屋であった。

('A`)「ぐぅっ!」

身を起こそうと試みるも、走るような痛覚がソレを阻止する。
布団をどかし見やると、上には何も着ておらず、代わりに身体中を包帯が巻きついていた。

('A`)「どなたか居らんか」

仕方なしに寝たまま声を上げてみれば、横の襖を開けて一人の女が入ってきた。

川 ゚ -゚)「はい、ここに」

視線だけをその女へと移すと、独は驚愕した。
まるで蝋人形のように白く、その面は人形のように美しく、崩れない。
身のこなしも上品なもので、すっかりと独は見入ってしまった。

川 ゚ -゚)「如何なされましたか?」

言われ、独は顔を赤らめながら視線を外す。

('A`)「いや、すまん。つい、貴女が美しく・・・見入ってしまった」

部屋の広さは六畳ほど。天井を仰ぎ見るに、そうなのだろう。
刻は夕を指しているのか、木漏れ日が赤く染まっていた。

3 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:01:01.71 id:T1qoNG6o0
川 ゚ -゚)「冗談がお好きなのですね」

(;'A`)「あ、いや、本心だ」

どうにもこの女は独には合わない様であった。

('A`)「それより、何故ここに俺が居るのだろう・・・」

昨夜、初歩と対峙し敗れた独は、叫んだ後すぐさまに意識をなくした。

川 ゚ -゚)「私がお運びしました」

('A`)「なんと・・・誠にすまんかった。なんと礼を申し上げれば・・・ん?」

敗れた独は出血量が多く、それこそ早いうちに保護しなければ絶命していたであろう。
しかし、現にこうして生きていることから、あの後すぐに助けられたと考えれる。

('A`)「・・・つかぬ事を訊ねてもよいか?」

川 ゚ -゚)「何で御座いましょう」

('A`)「貴女は、何時頃俺を助けてくださった?」

言うと、女は少し手を動かした。
顔は変わらぬが、どうやら焦ると手を動かす癖があるらしい。

4 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:03:12.04 id:T1qoNG6o0
川 ゚ -゚)「・・・明朝にて」

返ってきた答えを、しかし独は見破る。
その時間帯にならば、既に独は死んでいただろう。

('A`)「嘘はよくない。俺の傷は一刻でも放置しておけば死に至るほどのものだ。
    もし本当に貴女が俺を明朝に見つけても、そこには屍が転がっているだけだ」

この時期、火富町には夜には出歩くような者は居ない。
何故なら、人斬りが出回っているからである。
例え人斬りが存在しなかったとしても、女性が夜遅くに出歩くなどとは、何処か可笑しな話だ。

('A`)「貴女は昨夜、俺を保護しているはずだ。何故嘘をつく」

強い口調で問いただしてみると、案外すぐに答えてくれた。

川 ゚ -゚)「・・・その通り。私は昨夜、死に掛けの貴方を見つけ、保護しました。
     嘘をつくのは、あまり知られたくないからです。いえ、ご存知かもしれませんが・・・」

しかし、それもあまり納得のいかぬ答であった。
知られたくないとは、どういうことか。

('A`)(夜に出歩く女・・・・・!)

考え、出てきた答は遊女であった。
確かに、この外見なら納得がいく。それに、ここ火富町には遊廓が多くある。

8 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:05:12.86 id:T1qoNG6o0
('A`)「・・・遊女か」

川 ゚ -゚)「!!」

今度は、はっきりと顔に感情が出ていた。
それは怒りのようで、悲しみのような表情であった。

('A`)「いや、すまん。憤慨したのなら許してくれ。悪気は無いのだ」

川  - )「・・・・・」

独は謝っては見たが、女は返答しない。

('A`)「・・・・もし?」

川 ; -;)「私だって!好きで遊女をやっているわけではない!」

(;'A`)「うおっ!?」

突如人が変わったように叫びだす女。

川 ; -;)「仕方ないじゃないか!弟は人質に取られ、借金を作った親は逃げ!
      残った私が全てを受け継ぐしかないじゃないか!」

10 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:07:01.43 id:T1qoNG6o0
('A`)「・・・・・」

川 ; -;)「・・・けど、それも今日まで。ようやく借金も返済できた。これで無事弟も帰ってくれば―」

('A`)「待て」

女の悲痛な独白に、独は横槍を入れる。

川 ; -;)「・・・何?」

('A`)「お嬢さん、どこの遊廓に勤めている?」

川 ; -;)「斉藤屋ですが・・・」

急に先ほどまでの口調に戻った女は、顔を赤らめていた。
きっと、無礼が過ぎたと思ったのであろう、その様は傍から見れば微笑ましかった。

13 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:09:02.23 id:T1qoNG6o0
('A`)(斉藤屋・・・まずいな・・・)

ここ、火富町最大の遊廓を所持する斉藤屋。顔も広く、話によれば代官とも繋がりがあると聞く。
しかし、そこを重視するのならばまだ優しい。斉藤屋の新の姿はまさに極悪非道のソレである。
一度自分達の手元に来た女は死ぬまで返さず、逆らえば即刻死刑だ。
この女の例も多く、人質をとっては遊女として働かせるそうだ。
斉藤屋に借金があるのは些か妙であるが、返済できたとしても去る見込みは無い。
ましてや人質をとられているのだから、この女は死ぬまで遊女として生きなければならないだろう。

('A`)(だが、見過ごすわけにもいかぬ・・・)

困っているものを見過ごせない独ではあるが、何よりも命の恩人であるこの女を助けねば
武士道に反する。

('A`)(既に死んでいる身だ。大丈夫、助けてみせる。この身に変えてもな)

しかし、現在の独の状態は最悪と言っても過言ではない。
傷は深くは無いが、それでも斬られているのだ。その上―

17 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:11:01.81 id:T1qoNG6o0
('A`)(砕鉄も、無いか・・・)

砕鉄は、初歩が持っていった。それはしかと覚えている。

('A`)(いや、構わん。あれはいずれ返してもらう)

先ほどまで死しても、と考えていたはずの独だが、そう考えた途端死ぬ気がしなくなった。

('A`)「お嬢さん、最後に一ついいだろうか」

川 ゚ -゚)「・・・なんでしょうか」

すっかり泣き腫らしたがために、目は赤い。
白い肌と相まって、まるで雪兎の様である。

('A`)「名を、聞いてもよろしいか?」

これまでの会話で、まったく聞こうとしなかった質問をする独。
普通ならば、最初に聞いておくべきことだが、独は普通ではないようだった。

川 ゚ -゚)「沙麻・・・沙麻空(すなおくう)といいます」

ふむ、いい名だ、と声をこぼし、独も名乗りあげた。

('A`)「俺の名は鬱田独右衛門氏脳。流浪武士だ」

名を言った途端、空の顔が変わった。

20 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:13:04.14 id:T1qoNG6o0
川;゚ -゚)「なっ・・・貴方様が、独右衛門様・・・!?」

瞬間、両の手を畳につけ、頭まで音を立てて叩き付けた。

川;゚ -゚)「申し訳ありませんでした!先ほどの無礼、何卒お許しくださいませ!!」

そう叫ぶ空を見ながら、溜息を一つ零す独であった。

('A`)「よい。むしろ、俺のような只の流浪武士相手に、なぜそこまでするのか。
    俺は幕臣の者でも、代官でもないのだ」

独が名を出せば、その場ではまるで神のように崇められるのはよくあることであった。
しかし独自身はそれを良しとは思わず、むしろ何処か苛立ちを覚えるだけだ。

川;゚ -゚)「しかし、貴方様は我々、弱き民のためにその腕で悪を退治してくださる。
     よもやこの日本で、貴方を知らぬ者は居らぬでしょう」

独は幼き日より正義感が強く、また武士道を愛していた。
弱きを助け、強きを挫く。悪が居れば斬り、苦しみがあるならば斬り、人の世に蔓延る
悪しき物を憎み、守るために刀を振るう。
行く先々でそのようなことばかりを繰り返すうちに、独の名は全国に知れ渡った。
そうして付いた通り名が、『悪斬り独』である。

('A`)「しかし、だからといってそこまで畏まられても・・・」

そう呟いた途端だった。

21 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:15:11.46 id:T1qoNG6o0
「おうコラ沙麻のぉ!!話あるんやろぉがぁ、聞いたるけん、でてきぃやぁ!!」

遠くから戸を叩くような音が聞こえ、次いで荒い声が聞こえてきた。

川 ゚ -゚)「あ、すみません、きっと斉藤の者です。少し待っててくださいね」

荒い声であったというのに、空の顔は嬉々たるものであった。
軽い足取りで懐から金と思しきものを取り出し、部屋を出て行った。

('A`)「・・・まったく、嫌な予感しかしないな」

痛む身体を無理やりに動かし、枕元にある刀―斬鉄―を手に取った。

('A`)「負かり越してやろう」

そう呟き、指で鍔を弾いた。

22 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:17:05.11 id:T1qoNG6o0
 
 
ゴッ。

川  - )「うがっ!」

玄関口に倒れこんだのは空であった。
先ほどの鈍い音から察するに、殴られたと見ていい。

(・∀ ・)「あーらら、痛かった?だけんども、お前が悪いんじゃぁ」

その男、名を斉藤股牟希(さいとうまたんき)と言う。
遊郭『斉藤屋』を所持し、悪名高い事からも有名ではあるが、顔を見れば誰もが直ぐに分かる。
妙に離れたその両の眼、どこか血走ったようにも見える。
その男の周りには、護衛のものらしき男が三人ほどいた。

(・∀ ・)「なーにが『これで辞めさせて下さい、弟を帰してください』、じゃがぁ!」

そう叫び、蹴りを空の腹に入れる斉藤。

(・∀ ・)「勘違いしてんじゃねぇ!だーれが、返済すれば、帰すと、辞めさせると、言ったぁ!」

尚も間髪居れずに蹴りを見舞う。

(・∀ ・)「この、ダボがぁ!!」

その叫びは町内全域にまで響くであろう。
だがしかし、周りの者は助けもせず、関わりを持ちたくないのだろう、近寄りさえしない。

24 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:19:03.91 id:T1qoNG6o0
「兄貴、どうしやすかい?」

満足したのであろう斉藤は、それを聞きこう答えた。

(・∀ ・)「んー、そうだなぁ。この顔を殺すのは勿体無い。何より、こいつが幼き日より俺は狙ってた
     んだ、久しぶりに、抱くかねぇ?」

殴りながら!と最後に言い、その場には笑い声が溢れる。

川  - )(・・・畜生・・・)

既に意識も朧気な空。思う事は呪うことだけであった。

川  - )(何故こんな仕打ちをされねばならん。私が何をやったと言うのだ。憎い。殺したい。)

本来の空ならば、ここまでくれば涙しているであろう。
だが、それさえも忘れ呪詛を呟く。

(・∀ ・)「・・・ぁあん?なんじゃぁ?何言っとるんじゃ?」

呟き声が聞こえた斉藤。その声が空から発せられていると直ぐに理解した。

(・∀ ・)「おい、我ぇ!何言うとるんじゃぁ!!」

既にボロボロの空の首を掴み上げ、そう問う。

28 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:21:13.57 id:T1qoNG6o0
川  - )「・・・ね・・・・う・・・死・・・ちく・・・・」

(・∀ ・)「はぁん?」

おどけるように耳を空の口元に近寄せる。

川 ゚ -゚)「死ね!!この犬畜生以下めが!!」

叫ぶと同時に、空の口が動いた。
限界まで口を開けば、その白い歯が覗く。そのまま顔だけを斉藤の耳に近づけると、一気に
口を閉じた。

( ∀ )「ぎ、ぃゃぁああああああああああ!!!」

不意に斉藤に痛覚が襲う。それは左耳付近からであり、慌てて手を触れてみる。
ヌチャ、と。粘着質な音が聞こえ、手にぬくもりを感じる。
ソレが手についていると分かると、斉藤は自らの指先を見て驚愕した。

( ∀ )「ち、血いいいいい!!耳が、耳がああああ!!!」

川 ゚ -゚)「意外と・・・耳は取れやすいようだな・・・」

そう、空は耳を噛み千切ったのである。
ペッと斉藤の耳を口から捨てると、そのまま戸に凭れ掛かった。

32 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:23:01.92 id:T1qoNG6o0
( ∀ )「ぐぁぁぁあ!!糞、殺せ!!その女を殺すんじゃぁあああ!!」

痛みに狂い、のた打ち回る斉藤は、痛みを叫びながらそう言った。

「と、言うわけだ。穣ちゃん、すまねぇなぁ。俺らもあんたにゃお世話になったんだけどなぁ」

無論、布団の上で。そう最後に付けたし、男共は腰から刀を抜く。

川  - )(もはや、ここまで・・・)

これが今際か。空はそれだけを思い、目を瞑った。


「うぉおおおおお!!」

ギャリイン!

「があああああ!!」

しかし、いくら待っても黄泉へは着かず。その代わりに、雄叫びとぶつかり合う様な音、それと悲鳴が聞こえた。

川;゚ -゚)「・・・あ、ぁぁ・・・」

36 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:25:12.87 ID:4VuXnrRV0
眼を見開いたとき、そこには包帯を風になびかせ、一人の男が立っていた。
足元には刀が一本落ちており、どうやらソレは敵のものであったようだ。
しかし、可笑しなことにその刀、なんと真っ二つに折れている。
いや、折れているのではない。斬られているのだ。
持ち主であっただろう男は、その様を見たのだろうか。だが残念なことに、すでに男は
地べたに寝ていた。

川;゚ -゚)「独右衛門・・・様・・・」

空がそう呼ぶと、男―独―は空を見た。

('A`)「すまぬ、遅れたな。何分、身が言うことを聞かなくて」

それだけを言い、独は斬鉄を鞘へと戻す。

「お、おま、おまままま・・・」

「独右衛門・・・あの独右衛門じゃぁねぇかぁ!?」

残る二人は、ただ驚愕を表すばかり。

('A`)「・・・如何にも。俺の名は鬱田独右衛門氏脳だ」

先ほどの男の叫び声のせいだろう。周りには多くの人々が集まっている。

37 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:27:04.58 ID:4VuXnrRV0
「ど、独右衛門?あの?」

「すげぇ、初めて見た・・・」

「俺、昨日見たぜ!でも、昨日はあんな身なりじゃぁ・・・」

既に野次馬はそこかしこを埋め尽くしている。
しかし独は気にせず、空を見やるとこう言った。

('A`)「・・・空殿」

川;゚ -゚)「は、はい」

突然呼ばれた空は思わず声が裏返る。

('A`)「この独右衛門。貴女様に士(さぶらう)て候」

その発言は、場を驚愕させるに等しかった。
侍とは。仕える身であり、侍(はべ)る者である。
独の発した言葉。それはつまり、空を主人とすると言うことであった。
しかし、流浪の身でありながらそのような事を言うのは、あまりにも馬鹿げていた。

川;゚ -゚)「なっ―」

沈黙が下りた場で、空が言を発しようとした瞬間であった。

39 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:29:13.82 ID:4VuXnrRV0
「流浪の身の癖に、笑わせんじゃあねぇよ!!」

一人の男が、独へと斬りかかる。
左上段から一気に振り切ろうとするも、しかしそれは独が許さなかった。

('A`)「甘い」

相手の刀が振り下されるよりも速く。
間合いに入ってきた瞬間に独は抜刀した。

ズバッ。

チキン。

斬音が耳に木霊し、鍔鳴りが木霊を収めた。
周りは先ほどとは違い、沈黙ではなく黙殺されているように感じる。

「こ、このぉおおおお!!!」

最後の一人が正眼にて独に突進を仕掛けた。

('A`)「っ!」

思ったよりも相手は早く、少し反応に遅れた独。
しかし慌てず、柄に手を置き少しだけ鍔を指で押した。

41 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:31:00.51 ID:4VuXnrRV0
('A`)(突きか・・・避けるか?・・・・・いや!)

独は先ほどのことを思い出していた。
最初の一人目を斬ったときだった。

('A`)(―斬る!!)

最初、相手の刀を弾き飛ばすつもりで抜いた斬鉄。
居合いの速度に応じて、これならば手元から離れるだろうと思った独。
しかし、予想は遥か上を行くのであった。
何と、斬鉄は相手の刀を斬ってしまったのである。

('A`)「おおおおお!!」

右へ一歩大きく出ると、すかさず斬鉄を右上段へと抜く。

ギャリン!
鉄の斬れる音か、それとも落ちる音か。
それは定かではない。

「き、斬ったぞ!刀を斬った!」

「あ、あぁ!斬鉄ってのは本当だったんだな・・」

ふと耳に聞こえるのは、そんな声であった。

('A`)「っであああああ!!」

44 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:33:00.07 ID:4VuXnrRV0
対する男は斬られた刀を見、驚愕するも勢いのせいで身体はそのまま突き進んでしまう。

「しまっ―」

('A`)「ふんっ!!」

ズバン!

上段より一気に斬鉄を叩き落す。
すると、相手の背がパカリと割れ、そのまま地に伏してしまった。

('A`)「―さて、そこの斉藤は」

斬鉄を鞘へと戻し、斉藤を見やる。
急な動き方をしたからか、腹の傷が開いたようで血の温もりを感じた。
しかし、それを気にせずに、独は斉藤へと近寄った。

(・∀ ・)「あ、あああああ?」

まだ痛みに狂っているのだろうか斉藤は、独を見やるが気にしていないようであった。

('A`)「空殿を、俺に譲れ。でなければ、斬るぞ」

既に際等との距離は五歩。飛び掛ってきても、いつでも斬れる距離だ。

46 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:35:00.47 ID:4VuXnrRV0
(・∀ ・)「はぁああああ!?馬鹿いうんじゃなかぁ!!おい、手前等、コイツを殺せぇえ・・・ぇえ?」

ようやっと周囲を見渡した斉藤は、現状を理解したようであった。
地には血に塗れた男三人が横たわっている。

(・∀ ・)「!・・・そ、そうか、お前、独右衛門・・・!!・・・あ・・・?」

一瞬、恐怖に歪んだ顔を作るも、独の身体を見て疑問の顔を浮かべた。

(・∀ ・)「包帯・・・?何で・・・手前が・・・・・待てよ・・・?」

考える素振りを見せながらも、斉藤は思い出したように、手を打った。

(・∀ ・)「・・・そういやぁ、今朝だったなぁ。人斬りがこの町を出たって聞いたのはよ・・・?その傷、もしや・・・?」

どこか邪悪な笑みを浮かべる斉藤に、独ははっきりと答えた。

('A`)「嗚呼、お前の考えてる通り。俺は奴と昨夜死合い、敗れた」

そう独が言った瞬間、一気に場は騒々しくなった。

「あの独右衛門が、負けた!?」

「しかも人斬りに・・・おいおい・・・」

「馬路かよ・・・えれぇこっただ・・・」

「大変だぜ、こりゃぁ。俺、皆に知らせてくるわ」

川;゚ -゚)「・・・そんな・・・」

47 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:37:00.59 ID:4VuXnrRV0
助けたはずの空は、しかしその時は独だとは知らなかった
だが、事実を知るや否や、恐怖に顔を歪める。
この事実は、世を震撼させるに十分であった。
何故ならば、ほぼ最強とまで謳われる独が、人斬りに敗れたのだから。

(・∀ ・)「へ、へへぇ!手前でも適わねぇのかい!大した奴だなぁ、人斬りさんはよぉ!?」

急におどけ始めた斉藤だが、独は澄ました顔である。

('A`)「・・・どうでもよい。空殿を俺に譲るのか、譲らないのか、答えろ」

(・∀ ・)「え、あぁ・・・そうだなぁ・・・俺としてはなぁ・・・」

斉藤は案じた。もしかしたら、独を倒せるかもしれないと。
手負いの上、状況を察するに、三人とも戦った後だ。疲労で身体は上手く動くまい。
ふと、手元に冷たい感触がし、目線だけを動かし見れば、それは斬られた刀の刀身であった。

(・∀ ・)「どちらもお断りさああああああ!!!」

すかさずそれを手に取り、独へと襲い掛かる斉藤。
しかし、距離が不味かった。
間隔は五歩。それだけの間合いと距離があれば、独には全てお見通しであった。

('A`)「っ!」

ドゴッ。

('A`)「・・・峰打ちだ。感謝しろ」

斬鉄を納めながら、独は言う。

48 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:39:00.37 ID:4VuXnrRV0
( ∀ )「う、うぐぅ・・・」

胴に吸い込まれた斬鉄の威力は、しばらく斉藤を苦しめるであろう。

('A`)「さぁ、空殿。弟さんを助けに行こう」

戸を背に座り込む空に、独は手を指し伸ばしそういった。

川;゚ -゚)「え、あ、はい」

少し迷うが、結局その手をとることにする。

('A`)「っと、肝心なことを忘れていた。おい、斉藤、人質をどこに放り込んでいる」

胸倉を掴み、斉藤に問う。

( ∀ )「・・・人質・・・だぁ・・・?」

答えは、どこか嫌な感じがした。

( ∀ )「んなもん、初めからいねぇよ・・・ターコ」

('A`)「・・・どういうことだ」

先ほどとは違った空気が、またも場を包んだ。
それは独から発されるものであり、それは純粋な殺意であった。

50 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:41:00.25 ID:4VuXnrRV0
( ∀ )「とっくに殺しんだよぉ!!バーカ!!!」

川 - )「!!」

空が、少し揺れた。

('A`)「・・・貴様・・・!!」

( ∀ )「それになぁー、空ぅぅ?」

独が柄に手を伸ばそうとした瞬間、斉藤が空の名を呼ぶ。

( ∀ )「俺ぁなぁ、お前がガキの頃から目ぇつけてたのさぁ。だーかーらー、お前の両親を殺してぇ、
     弟を人質にとってぇ、俺んとこに来るように仕向けたってわけさぁ!!」

ギャハハハ!と笑いが起こる。
だがその笑い声は、癇に障るものであり、反吐が出るものであった。
そもそも、借金があると言うのが可笑しな話なのだ。
斉藤と面識があったかは定かではないが、本人に借金をする道理はないだろう。

川 ; -;)「っわあああああ!!!」

殴りかかろうとする空を、しかし止めたのは独であった。

( ∀ )「ぁあん?何だ、助けてくれんのかぁ?ありがt」

そこで、斉藤股牟希の人生は終わりを告げる。
その場に居たものは、最後をとくと見届けた。
顔半分を、独により斬られた斉藤の最後を。

51 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:43:00.37 ID:4VuXnrRV0
('A`)「・・・空殿」

川 ; -;)「・・・・・」

話しかけるが、返事はない。

('A`)「・・・もしも、よいのならば。いや、できるならば・・・」

独の口は、突然として動き出す。
既に、主君と認めた独は、空にこう言った。
何故、空に侍ようとしたのかは分からない。だが、この女は、何故か守りたくなる。
独はそう思っていた。

('A`)「俺に、ついてくる気は無いか?」

しかし、それにも返事は無い。

('A`)「・・・そうか。失礼した。それでは―」

これ以上、場に居るのが忍びなくなった独は、去ろうとした。
しかし、それは誰かにより、止められる。

52 名前: ◆xjCZpXtL0U 投稿日:2008/04/10(木) 20:44:00.41 ID:4VuXnrRV0
('A`)「―な・・・」

それは、空であった。

川 ; -;)「・・・ついていきます。いえ、つかせてください。身よりも無く、このような女ですが、
      お供をさせていただきとう御座います」

春。この時期に、二つの噂は全国へと伝わることとなる。
一つは独右衛門が、人斬りに負けた、と。
もう一つは、その独右衛門が女を連れている、ということであった。


二 了

(’A`)は人斬りと死合うようです
返信2008/04/10 21:10:00
  • 3二 士て候 jigendaddyjigendaddy 2008/04/10 21:10:00
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