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1jigendaddyjigendaddy   ('A`)青い鳥が鳴くようです

第一話「鳥が鳴く」

2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:13:50.88 ID:4FbsdXfeO
>>1代理乙です

ながらでゆるゆる参ります

3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:17:46.80 ID:4FbsdXfeO
プロローグ


ガチャッ

「やあ久しぶり」

「…………」

「元気みたいで何よりだ」

「…………」

「ははっ僕も元気だよ。ところで今日は話があってね」

「…………」

「そう急かさないでくれよ、話っていうのは青い鳥についてなんだ」

「…………」

「ああすまない言葉が足りなかった。青い鳥っていう童話は知ってるかい?」

6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:23:22.27 ID:4FbsdXfeO
「…………」

「おや知らないのかい。この世界じゃ有名な話なんだぜ」

「…………」

「内容は幸せの象徴の青い鳥を探して旅をするっていうやつなんだ」

「…………」

「まあ結局その青い鳥は一番近くにいた、っていうオチなんだけどね」

「…………」

「君も手厳しいね。いやだから君も少し外に出たらどうかなって」

「…………」

「本当の幸せは今なのかも知れないけど、それは他を知らないと分からないだろ?」

「…………」

「話はそれだけ。それじゃ」

ガチャッ バタン

「…………」

7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:24:22.31 ID:4FbsdXfeO










クークークー...クークークー...










('A`)青い鳥が鳴くようです

10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:28:56.83 ID:4FbsdXfeO
第一話「鳥が鳴く」


(´・ω・`)「青い鳥って知ってるかい?」

大学の食堂で友人のショボンが不意に言った。

('A`)「青い鳥……って童話の?」

それぐらいなら俺も知ってる。
メーテルリンクの有名な作品だ。
確か映画やミュージカルにもなっている。

(´・ω・`)「いやまあそれもなんだけどね」

11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:35:03.33 ID:4FbsdXfeO
少しショボンは言い淀んだ。

('A`)「なんだ、変に含みのある言い方だな」

(´・ω・`)「僕が言いたいのは噂の方なんだけどね」

('A`)「悪いが噂を伝えられる相手すらいないもんでな」

大学二回生になったが友人はこのショボンだけだ。
中学からの付き合いなのでお互いに気心は知れている。

(´・ω・`)「まあ僕にはそれがいたわけだ。で、噂っていうのは単純でね……」

そこで一呼吸置いていかにも大袈裟な風を装うショボン。
こういう演出が好きな男なのだ。

(´・ω・`)「青い鳥の鳴き声を聞くと願いが叶うらしい」

13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:41:19.61 ID:4FbsdXfeO
('A`)「はっ」

思わず鼻で笑ってしまった。
わざわざ一呼吸置いたのに内容がここまでチープとは。

(´・ω・`)「なんだよ酷いな」

('A`)「いやだって……なあ?」

(´・ω・`)「いやまあ君の言いたいことは分かるよ。確かに安っぽい話だよね」

('A`)「だよなあ……でも青い鳥か……」

暇つぶしに探してみようか、と言う気にもならない。

14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:48:02.14 ID:4FbsdXfeO
('A`)「青い鳥の鳴き声ってどんなんだろうな」

(´・ω・`)「話によるとクーだかキューだかを何回か繰り返すらしいよ。かなり甲高く」

('A`)「見た目の特徴とかってあんの?」

(´・ω・`)「ない。というか見た人もいないらしい」

('A`)「はい?」

思わず間抜けな声を出した。

('A`)「なんだそりゃ見たこと無い癖に青い鳥とか言ってんのか」

そいつは余りにも無責任だろう。

(´・ω・`)「んー、幸せの象徴だからじゃないの?」

(;'A`)「お前も無責任だな……」

まあ噂なんてこんなもんだろう。
しばらくするとショボンは授業があると言って席を立った。

17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:54:19.13 ID:4FbsdXfeO
('A`)「太陽が高いなー」

やることの無くなった俺は街を歩いていた。
大学から徒歩10分ほど。
着いた先は流行の最先端、渋谷センター街である。

('A`)「右を見ればキャッチ、左を見ればギャル」

明らかに俺とはなじみのない人種があちこちを闊歩する。
実際あまり居心地が良いとは思えない。
しかし俺はここを歩かねばならなかった。

その理由は簡単。
この奥に俺の家があるからだ。

19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:02:26.97 ID:4FbsdXfeO
渋谷に住んでます、なんて言うとかなりカッコイイが実際は悲惨なものだ。
センター街の奥の奥、もはや若者どころか人の気配すらしない場所にそびえる廃墟を見るにつれ、その認識は深まるばかりだ。

(;'A`)「もはや文化財レベルだろこれ」

俺の住むラウンジ荘は木造二階建てなのだがその木が全て腐っているのではなかろうか。
外観は全てどぶ色に染まり、傍にあるごみ捨て場にと一見見分けがつかない。

('A`)「……ん?」

ふと、一瞬だけ目をやったごみ捨て場に視線を戻す。
その先には



川 ゚~゚)モシャモシャ

生ゴミを頬張る青髪の女がいた。

21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:08:33.81 ID:4FbsdXfeO
(;'A`)…………

(ノA-)ゴシゴシ

(;'A`)…………

川 ゚~゚)モシャモシャ

('A`)…………

('A`)「よし現実だな」

精一杯の平静を装う俺。
戦わなきゃ、現実と。

とりあえず紳士としては事情を聞くべきだろう。
生ゴミを口にしなければいけないほど弱っているのかも知れない。
にしてはかなりスムーズな食事にも思えるが。

23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:15:30.24 ID:4FbsdXfeO
('A`)「もしもしお嬢さん、何かお困りですか?」

さりげなく近づきさりげなく声をかける。
まさしく紳士。紳士にして変態。
その態度には思わず彼女も振り返り――

川 ゚ -゚)「うるさい黙れ、気が散るだろうが」

そう言ってまた食事に戻った。
……大丈夫、泣いてない、泣いてないから。
頬を伝ってるのは男汁とでも呼んでくれ。

しかしここで引き下がる俺ではない。
押してダメなら引いてみろ、だ。
こういう人を放っておけない俺は根っからの主人公気質なのだろう。

25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:21:41.86 ID:4FbsdXfeO
('A`)「その髪キレイですね、地毛ですか?」

女は褒めればとりあえず喜ぶ。
我が青春の愛読書、ホットドッグプレスにはこう書いてあった。

川 ゚ -゚)「む、お前もそう思うか」

そしてこの作戦は好を奏した。
ありがとうホットドッグプレス。

('A`)「うんすごくキレイだよ。でもそのご飯はどうかと思うなー」

そしてそこからの話題転換。
ついでに距離を一気に縮めるという高等テクニック、さすが俺である。

27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:28:27.50 ID:4FbsdXfeO
川 ゚ -゚)「この食事か、確かに食べ辛いな」

ええそりゃそうでしょうよ。
林檎の芯をかじる彼女にそう言いたかったがすんでのところで飲み込んだ。

('A`)「良かったらうちでなんか食べない?一食くらいご馳走するよ」

こんなものを食べなきゃいけない事情など、ある程度絞られてくる。
身なりが清潔なところを見ると、ホームレスというわけではなさそうだし恐らく家出だろう。
飯を食いながら適当に話でもして、親御さんの連絡先でも聞くか。

28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:33:46.47 ID:4FbsdXfeO
川 ゚ -゚)「おおそれはありがたい、なら早速向かおう。どこだ?」

それにこの彼女はかなり可愛いし、家にあげるのも悪い気はしない。

(;'A`)「……ここの二階なんだけど」

川 ゚ -゚)「…………」

それでも何故か罪悪感があるのは何故だろうか。
俺がやってるのは人助けなのに。
いやまあこのアパートがぼろいせいなんだけど。

30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:39:51.54 ID:4FbsdXfeO



('A`)「はいお待たせ」

彼女と部屋に入ってから数十分後。
冷蔵庫の中身と、手軽でそこそこ旨いという理由で今日の晩飯はチャーハンに決定した。

川 ゚ -゚)「ふむ、良い臭いだ」

六畳一間の真ん中にある丸机に二つの皿を置いた。
彼女と向かい会うように座る。

('A`)「頂きます」

川 ゚ -゚)「頂きます」

俺に続いて彼女が言って、俺はレンゲでチャーハンを掬った。

川 ゚ -゚)「…………」

一方の彼女は無表情にレンゲを見つめている。

31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:44:45.71 ID:4FbsdXfeO
('A`)「どうした?早く食わないと冷めるぞ」

言いながらチャーハンを口に運ぶ。
うん、まあまあ良く出来ている。

川 ゚ -゚)「ああそうだな」

彼女も俺と同じようにチャーハンを掬って口に運んだ。
もしかすると作ってもらった側として俺が食べるのを待ってたのかも知れない。
だとしたら礼儀の出来た子だ。

('A`)(でもだったらなんで家出なんか……)

まあ良いか、それは後で聞けば良い
とりあえず俺はチャーハンを味わうことにした。

33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:50:50.47 ID:4FbsdXfeO
('A`)「ごちそうさま」

十分もしないうちに平らげてしまった。
彼女の方に目をやるとまだ四分の一ほどチャーハンは残っている。
意外と生ゴミが効いているのかも知れなかった。

('A`)「……ちょっと良いかな」

川 ゚ -゚)「……ん?」

俺が声をかけると彼女は――、そう言えば名前を聞いてなかったな。
まずはそこから聞かねばならないだろう。

('A`)「えっと君名前は……」

その時だった。

34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:51:42.22 ID:4FbsdXfeO










クークークー...クークークー...












36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:58:20.66 ID:4FbsdXfeO
(;'A`)「な、なんだ?」

何故かはわからないが背筋がぞわぞわする。
今聞こえたのは……鳴き声?
やたら甲高い感じの……

頭にショボンの言葉が浮かんだ。
確かにさっきの鳴き声らしきものは甲高くクーと何回か繰り返していた。
まさか青い鳥?馬鹿馬鹿しい。

川 ゚ -゚)「ん、名前がどうかしたのか?」

俺とは対照的に彼女は落ち着き払っている。

(;'A`)「ああいや名前を聞いてなかったなあと」

川 ゚ -゚)「私のか?私の名前はクーだ」

37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:02:57.35 ID:4FbsdXfeO
(;'A`)「鳥の鳴き声から持ってきた?」

飯を食わせて貰ったぐらいでは正直に本名を教えてくれないにしても、偽名が安直過ぎだろ。

川 ゚ -゚)「鳴き声?なんのことだ?」

(;'A`)「さっき聞こえただろ、やたら甲高くクークークーって」

川 ゚ -゚)「いや私には何も聞こえなかったぞ」

不思議そうに彼女は首を傾げる。
俺の聞き間違いだったんだろうか。
だとすると彼女の名前は本当にクーなのだろう。

38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:09:09.40 ID:4FbsdXfeO
('A`)「よしわかった。ならクー、家はどこだい?」

まあ名前など別に良い。
とりあえず彼女を帰すのが先だ。

川 ゚ -゚)「家か?こことは違う世界だ」

(;'A`)「…………?」

川 ゚ -゚)「なんというかまあパラレルワールドっていうと分かりやすいか?」

(;'A`)「…………??」

川 ゚ -゚)「私はそこからやってきた、次元を越えてな」

(;'A`)「…………???」

オーケイ落ち着こう。
クールになれドクオ。

40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:16:01.60 ID:4FbsdXfeO
まず、彼女はここの世界の住人ではない。
んで、彼女は次元を越えてやって来た。

はい、電波少女来ましたー。
殺風景な俺のお部屋が華やかなお花畑に!

('A`)「帰る方法は?」

川 ゚ -゚)「あるにはあるがまだその時期ではない」

ふむ、なるほど。
つまりクーはなんらかの事情で家出をしたのだろう。
もちろん別次元ではなく、この世界で、だ。

そして今はまだ帰りたくない、だからこうやって適当な嘘をついている。
俺はそう解釈して自分を納得させた。

42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:22:25.27 ID:4FbsdXfeO
('A`)「だったら泊まる場所とかないと不便じゃないか?」

川 ゚ -゚)「む、確かにそうだな」

('A`)「ちょっと待ってろ」

そう言って俺は財布からなけなしの三万を抜き、差し出した。

川 ゚ -゚)「…………?」

('A`)「これでホテルにでも泊まりな、当分は凌げるだろ」

読者諸氏の期待を裏切ってすまないが俺の部屋に泊めるわけにはいかない。
しばらくもやし生活になるだろうが良いだろう。
本来お金とはこういう使い方をすべきなのだ。

43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:26:33.30 ID:4FbsdXfeO
川 ゚ -゚)「礼には及ばんよ」

しかし、俺の紳士ぶりをクーは断った。

('A`)「なんだ、金は持ってるのか?」

川 ゚ -゚)「いやこちらの世界の金は無い」

回りくどい言い方しやがって。
金が無いなら無いと言えば良いのに。

('A`)「だったらいるだろ」

川 ゚ -゚)「いや私はここに泊まるからな、ホテル代は必要無いということだ」

44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:32:58.35 ID:4FbsdXfeO
(;'A`)「いやダメだろ」

川 ゚ -゚)「何故だ、無駄金を使わなくてすむのだぞ」

助けられる側にしては傲慢な言い口でクーが言った。

(;'A`)「何故って……ほらやっぱ男女だし」

そのうえ今日会ったばかりとくればいくら俺でも無理からぬことだ。

川 ゚ -゚)「私は気にしないぞ」

クーはなかなか引き下がらないが、俺も引けない。

('A`)「俺が気にする。とにかくダメだ」

46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:39:00.06 ID:4FbsdXfeO
川 ゚ -゚)「むー、ならばこういうのはどうだ?」

('A`)「なんだ?」

川 ゚ -゚)「私がお前の願いを叶えてやるからその代わりにしばらく泊めてくれ」

余りにも突飛なその発言に一瞬固まる。

('A`)「……なんだそりゃ」

川 ゚ -゚)「言ったままの意味だ。何か願いを言ってくれ」

わけがわからないにも程がある。
もしかして本当にこいつは電波なのかも知れない。

47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:46:43.10 ID:4FbsdXfeO
('A`)「はあ……、願いねえ」

しょうがない。声をかけたのは俺だし最後まで付き合おう
適当に無理な願いごとでもして金わたして帰ってもらうか。

川 ゚ -゚)「一つだけだからな」

('A`)「なら金をくれ、百万でいい」

結局俺の願いは一番シンプルで無難なものになった。
この部屋のどこをひっくり返したって、百万など出てくるはずがない。
これでクーには帰ってもらえる。

そしてそのクーはというと、さっき俺が差し出した三人の諭吉のうちの一人とにらめっこしていた。

川 ゚ -゚)「よし、それでは……」

顔を上げるとフッと軽く右腕を振った。

48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:49:23.78 ID:4FbsdXfeO










クークークー...クークークー...












50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:54:10.98 ID:4FbsdXfeO
(;'A`)「またっ……」

かなり大きな音が甲高く響いた。
やっぱりさっきのは聞き間違いじゃなかったのか

川 ゚ -゚)「どうした、何かあったか」

しかし先程同様クーは平然としている。
そして彼女の右手には、


分厚い札束が乗っていた。
調度百枚ほど。

第一話 終わり

(’A`)青い鳥が鳴くようです
返信2009/10/06 12:05:11

2jigendaddyjigendaddy   第二話「白痴と白昼夢」

3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 21:15:50.13 ID:0hSIHc9uO
第二話「白痴と白昼夢」


(´・ω・`)「なにその胡散臭いお話は」

ショボンはそう言って俺の話を切り捨てた。

('A`)「ですよねー」

クーとなんとも言えない邂逅を果たした翌日、俺はショボンに前日のことを語っていた。
うんまあ普通に考えて信じられる話ではない。

(´・ω・`)「青髪の女が現れて百万出現させたって、ねえ?」

あのあと札束を数えてみたがきっかり百人の諭吉さんがそこにはいらっしゃった。

5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 21:21:33.20 ID:0hSIHc9uO
(´・ω・`)「んでそのクーちゃんだっけ?年はどれくらいなの?」

先程ばっさり切り捨てた割には何故かショボンは質問をしてくる。

('A`)「信じてるのか信じてないのか、どっちだ」

(´・ω・`)「君の話は信じたくないが君のことは信じたいからね」

……いや、別にかっこよく無いぞ?

('A`)「なんかそういうこと言われるとケツがキュッてなるからやめろ」

(´・ω・`)「まあそれは冗談にしても、君がそんな嘘つく理由が無いし」

なかなかどうして、このショボンという男には合理的なところがある。
そこらへんが俺みたいな人間と仲良く出来る理由なのかも知れなかった。

7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 21:27:46.77 ID:0hSIHc9uO
('A`)「うんまあ年は……俺らより少し低いかな」

(´・ω・`)「かな、って聞かなかったのかい?」

('A`)「……忘れてた」

昨日は突如出現した札束に気を取られてしまった。
冷静に考えると何一つ質問をしていなかった。

(;´・ω・`)「君はほんと一つのことにしか集中出来ないよね」

('A`)「失敬な。人を不器用なやつみたいに言うな」

(;´・ω・`)「みたいなじゃなくてそう言ってるんだよ……」

はあ、とショボンは大袈裟にため息をついた。

9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 21:34:35.16 ID:0hSIHc9uO
(´・ω・`)「……で、その彼女は今どこにいるの?」

('A`)「家にいるように言ってある」

あんなことをされた後じゃ出ていけとも言えず結局泊めることになった。
今になって思うとジョセイを家に上げるのすら初めてだったが、昨日そんな感慨に浸る余裕もなかった。

(´・ω・`)「君も律儀なやつだな」

('A`)「それが人気者の秘訣だよ、ショボンくん」

(´・ω・`)「友達いない癖に良く言うよ」

11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 21:42:13.64 ID:0hSIHc9uO
(´・ω・`)「なんかイメージ湧かないんだよね、非現実的過ぎて」

('A`)「なら今日家に来るか?」

何にしろいずれ誰かの手を借りる必要が生じるだろう。
そして俺にとっての誰かは目の前の八の字眉しかいない。

(´・ω・`)「そうしたいのは山々だが今日も少し用事があってね」

('A`)「そうか、残念だ」

まあ誘ったのが急だったししょうがないだろう。

(´・ω・`)「どんな感じなのかせめて見た目だけでも知っておきたいんだがね」

眉を普段より三割増しで垂らしながらショボンが言った。
百万を出現させる青髪の女、というのはそれなりにこいつの知的好奇心を刺激したようだ。

12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 21:48:46.30 ID:0hSIHc9uO
('A`)「……ちょっとペンと紙くれや」

(´・ω・`)「あ、いやそこまでしなくとも」

俺の意図に気がついたのか、ショボンは俺の申し出を断った。

('A`)「良いから寄越せって」

(´・ω・`)「……まあ、そこまで言うなら」

半ば強引にシャーペンとノートの切れ端を受け取って、それを使って絵を描き始める。

15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 21:57:13.56 ID:0hSIHc9uO
まず非常に特徴的なのが青い髪だが、シャーペンでは黒以外の色は表現出来ない。
しかし、思い出してみるとなかなかに整った顔をしていた。

(-A-)

スッ、と軽く目を閉じると彼女の顔がありありと浮かぶ。
あとは写生の要領でその映像を描くだけだ。

('A`)「まあこんな顔だ」


川 ゚ -゚)


そこに現れたのは紛れもなく彼女だった。
青い髪は例外にしてもスッキリとした目鼻立ちや、理知的な顔つきは彼女そのものだ。
もはや、忌ま忌ましいと思うことも薄れるほどに我ながらそっくりに描けている。

(´・ω・`)「……お見事」

遠慮がちに、ショボンが言った。

17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 22:06:54.23 ID:0hSIHc9uO
('A`)「別に俺が凄いわけではないがな」

少し苛立つように吐き捨ててしまった。
そうさせているのは先程俺が書いた絵に他ならないのだが。

(´・ω・`)「ふうん、綺麗な人なんだね、君の絵を見る限りは」

('A`)「実際綺麗だとは思うよ」

俺がそう答えたところでショボンがいかにもしまった、とでもいうような表情をした。

(;´・ω・`)「あ、ごめん……」

('A`)「良いって、もう慣れちゃったから」

もうそれすらもどうでも良い、とはさすがに言わなかったが。

18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 22:16:41.54 ID:0hSIHc9uO



結局その後クーの絵をショボンに渡し、俺たちは分かれた。

('A`)「右を見ればギャル、左を見ればキャッチ」

そんなことを呟きながら、センター街を抜ける。

('A`)「帰ってきたぞ我がぼろ家」

さてさてクーはちゃんと留守を守ってくれたのだろうか。
ギシギシと音を出しながら階段を上り、愛すべき我が六畳一間の入り口へ手をかけた。

('A`)「ただいま」

俺が入ったその時彼女は。

川 ゚ -゚)「早かったな」

無数の羽毛の上に寝そべっていた。

19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 22:22:26.98 ID:0hSIHc9uO
('A`)「いやいやいや」

羽毛だと布団かと思われる方もいるかも知れないからここで否定しておこう。

川 ゚ -゚)「?どうした早く入れ」

彼女、クーが寝そべっているのは

('A`)「いやいやいや」

紛れもなくただの羽毛、もっと分かりやすく言えば鳥の羽だ。

確かに羽毛布団は冬の寒い時も柔らかで暖かな安眠を我々に届けてくれる。
しかし、そのありがたい中身も剥き出しとなっては有害なことこの上ない。

22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 22:29:10.78 ID:0hSIHc9uO
(;'A`)「ゴホッ……え?ゴホッ……な、に……ゴホッ……これゴホッ、ゴホッ」

羽毛が器官に入ってくるのか、やたらと呼吸が苦しい。
まともに話すこともままならない。

川 ゚ -゚)「何かあったのか?」

いやなんでこんな状況で平然としてんだよ。
つーか動くな、羽毛が舞ってんじゃねーか。

(;'A`)「いや何だよこれどうなってんの」

必死の形相で一つしかない窓を開け、同じく開かれた扉との間に風の通り道を作る。
そこでようやくまともに呼吸できるようになった。

23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 22:35:52.22 ID:0hSIHc9uO
川 ゚ -゚)「これがないと落ち着かなくてな、貰った」

('A`)「貰ったってなんだ貰ったって」

もうやだこの電波野郎。

('A`)「ご丁寧にこれまで青色かよ」

ほうきで羽毛を掃き出しながらぼやく。

川 ゚ -゚)「そりゃ元は私の羽だしな」

('A`)「はいはいワロスワロス」

というかお前が掃除しろよ。

25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 22:42:34.34 ID:0hSIHc9uO
実のところ、俺はこいつが別次元から来たということを今一信用しきっていない。
そりゃ昨日百万を突如出現されたのは焦ったが、それだけで信じるのは難しいだろう。
手品かも知れないし、最悪ただの超能力かも知れない。

('A`)「ただの超能力ってなんだろうなあ……」

もはや別次元やら百万やらで感覚が麻痺してるの可能性もある。

川 ゚ -゚)「どうした急に」

('A`)「いや独り言だ……はい掃除終わり」

なんとか綺麗にすることは出来た。
結局クーは手伝い一つしなかった。

26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 22:48:34.94 ID:0hSIHc9uO
川 ゚ -゚)「何回綺麗にしようとその都度届けられるから意味無いと思うぞ」

('A`)「俺は何も聞こえない」

正直こいつの諸々を信じそうな俺がいるのも確かだった。
だけどまだ屈することは出来ない。
なんとか現実論者としてのキャラ維持を試みる俺だった。

川 ゚ -゚)「しかし暇だった、この部屋はほんとに何も無いんだな」

('A`)「やかましい、泊めてやってるだけありがたいと思え」

27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 22:54:38.91 ID:0hSIHc9uO
川 ゚ -゚)「しかしこんなものが出てきたぞ」

そう言って彼女は部屋の隅から一枚の画用紙を取り出した。
そこには街の絵が描かれていた。
その街は渋谷でも無ければ海外の有名な町並みでも無い。

('A`)「なんの絵だそれは」

というか俺には覚えがなかった。

川 ゚ -゚)「私が聞きたいぐらいだ」

ズイッとクーが身を乗り出した。

川 ゚ -゚)「何故お前がこの絵を持っている」

28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 23:00:22.73 ID:0hSIHc9uO
(;'A`)「な、何故って……」

理由は良くわからないがクーはかなり絵のことを知りたがっているらしい。
無表情ながらも迫ってくるその剣幕に、思わずたじろいだ。

(;'A`)「ちょっと見せろ」

クーから絵を受け取り、眺めてみる。
見覚えの無い街だが一つ分かることがある。
これは、俺の絵だ。

異常なまでに繊細なタッチでその絵は描かれている。
病的なまでに書き込まれたそれは、写真とみまごうほどだ。

川 ゚ -゚)「なにか覚えはあるか」

30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 23:05:57.76 ID:0hSIHc9uO
('A`)「描いた覚えはないが、これは俺の絵だ」

川 ゚ -゚)「間違いはないのか」

クーは俺との距離を詰めた。
六畳一間が相対的に広く感じられる。

('A`)「ああ、このタッチは俺しかいないだろう」

忌ま忌ましいほどにリアルなその絵を見て、俺は毒づいた。

川 ゚ -゚)「なら何故お前がこの絵を描いた」

('A`)「それは分からん、描いた覚えが無いと言ったろう?」

32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 23:11:20.07 ID:0hSIHc9uO
川 ゚ -゚)「むう……」

呆れたような、諦めたような声で、クーは唸った。

('A`)「その絵がどうした、欲しいならやるぞ」

川 ゚ -゚)「そうか、では頂こう」

('A`)「その絵はなんなんだ一体」

絵をやる代わりに教えてくれ、と俺は付け加えた。

川 ゚ -゚)「これは私が生まれた街、つまり別次元の街の絵だ」

33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 23:16:08.49 ID:0hSIHc9uO
('A`)「なんでその街を俺が描かなければならんのだ」

そもそも別次元についても半信半疑だし。

川 ゚ -゚)「それが分からんから困っているんだ」

('A`)「ただ、一つ言えることはだな」

('A`)「その街を、俺は見たことがある」

そう、これだけははっきり言える。
俺が絵を描いたということは確実にそうなんだろう。

35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 23:21:30.56 ID:0hSIHc9uO
川 ゚ -゚)「?何故そう言えるんだ?」

('A`)「まあそれは後で話すとして、飯食いに行こうぜ」

俺はあまりに古典的な手法で話を逸らした。

川 ゚ -゚)「……そうだな」

逸らし方として適切かはともかくとして時間は午後7時前。
そろそろ腹が減って来たのも事実だった。

('A`)「お前が出した百万使って旨いもんでも食おう」

真っ当でない金を使うのは気が引けるがこいつの生活費にもなるのだ、利用させてもらおう。

36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/05(月) 23:29:32.26 ID:0hSIHc9uO
('A`)「しっかしこれどうなってんだろうな……」

どっからどう見ても本物だ。
寸分の狂いもなく一万円札である。

('A`)「ん……」

ふと、頭の中で何かが引っかかった。
俺の記憶が正しければ昨日クーは一枚の一万円札をじっと眺めていた。
そしてそれから百万が出現した。

(;'A`)「まさか……」

札束を一枚一枚見るとそれらは全部一切の違いがなく同一だった。
そう、製造番号も。

(;'A`)「そんな……」

つまりただの偽札となんの違いも無い。
さまざま罪状が脳内を通過する。

川 ゚ -゚)「どうした早く行くぞ」

(;'A`)「…………」


その日のもやし炒めは、何故だかしょっぱかった。
塩を少々、入れすぎたらしい。

第二話 終わり

(’A`)青い鳥が鳴くようです
返信2009/10/06 12:17:16