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1jigendaddyjigendaddy   ('A`)青い鳥が鳴くようです

第一話「鳥が鳴く」

2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:13:50.88 ID:4FbsdXfeO
>>1代理乙です

ながらでゆるゆる参ります

3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:17:46.80 ID:4FbsdXfeO
プロローグ


ガチャッ

「やあ久しぶり」

「…………」

「元気みたいで何よりだ」

「…………」

「ははっ僕も元気だよ。ところで今日は話があってね」

「…………」

「そう急かさないでくれよ、話っていうのは青い鳥についてなんだ」

「…………」

「ああすまない言葉が足りなかった。青い鳥っていう童話は知ってるかい?」

6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:23:22.27 ID:4FbsdXfeO
「…………」

「おや知らないのかい。この世界じゃ有名な話なんだぜ」

「…………」

「内容は幸せの象徴の青い鳥を探して旅をするっていうやつなんだ」

「…………」

「まあ結局その青い鳥は一番近くにいた、っていうオチなんだけどね」

「…………」

「君も手厳しいね。いやだから君も少し外に出たらどうかなって」

「…………」

「本当の幸せは今なのかも知れないけど、それは他を知らないと分からないだろ?」

「…………」

「話はそれだけ。それじゃ」

ガチャッ バタン

「…………」

7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:24:22.31 ID:4FbsdXfeO










クークークー...クークークー...










('A`)青い鳥が鳴くようです

10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:28:56.83 ID:4FbsdXfeO
第一話「鳥が鳴く」


(´・ω・`)「青い鳥って知ってるかい?」

大学の食堂で友人のショボンが不意に言った。

('A`)「青い鳥……って童話の?」

それぐらいなら俺も知ってる。
メーテルリンクの有名な作品だ。
確か映画やミュージカルにもなっている。

(´・ω・`)「いやまあそれもなんだけどね」

11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:35:03.33 ID:4FbsdXfeO
少しショボンは言い淀んだ。

('A`)「なんだ、変に含みのある言い方だな」

(´・ω・`)「僕が言いたいのは噂の方なんだけどね」

('A`)「悪いが噂を伝えられる相手すらいないもんでな」

大学二回生になったが友人はこのショボンだけだ。
中学からの付き合いなのでお互いに気心は知れている。

(´・ω・`)「まあ僕にはそれがいたわけだ。で、噂っていうのは単純でね……」

そこで一呼吸置いていかにも大袈裟な風を装うショボン。
こういう演出が好きな男なのだ。

(´・ω・`)「青い鳥の鳴き声を聞くと願いが叶うらしい」

13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:41:19.61 ID:4FbsdXfeO
('A`)「はっ」

思わず鼻で笑ってしまった。
わざわざ一呼吸置いたのに内容がここまでチープとは。

(´・ω・`)「なんだよ酷いな」

('A`)「いやだって……なあ?」

(´・ω・`)「いやまあ君の言いたいことは分かるよ。確かに安っぽい話だよね」

('A`)「だよなあ……でも青い鳥か……」

暇つぶしに探してみようか、と言う気にもならない。

14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:48:02.14 ID:4FbsdXfeO
('A`)「青い鳥の鳴き声ってどんなんだろうな」

(´・ω・`)「話によるとクーだかキューだかを何回か繰り返すらしいよ。かなり甲高く」

('A`)「見た目の特徴とかってあんの?」

(´・ω・`)「ない。というか見た人もいないらしい」

('A`)「はい?」

思わず間抜けな声を出した。

('A`)「なんだそりゃ見たこと無い癖に青い鳥とか言ってんのか」

そいつは余りにも無責任だろう。

(´・ω・`)「んー、幸せの象徴だからじゃないの?」

(;'A`)「お前も無責任だな……」

まあ噂なんてこんなもんだろう。
しばらくするとショボンは授業があると言って席を立った。

17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 19:54:19.13 ID:4FbsdXfeO
('A`)「太陽が高いなー」

やることの無くなった俺は街を歩いていた。
大学から徒歩10分ほど。
着いた先は流行の最先端、渋谷センター街である。

('A`)「右を見ればキャッチ、左を見ればギャル」

明らかに俺とはなじみのない人種があちこちを闊歩する。
実際あまり居心地が良いとは思えない。
しかし俺はここを歩かねばならなかった。

その理由は簡単。
この奥に俺の家があるからだ。

19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:02:26.97 ID:4FbsdXfeO
渋谷に住んでます、なんて言うとかなりカッコイイが実際は悲惨なものだ。
センター街の奥の奥、もはや若者どころか人の気配すらしない場所にそびえる廃墟を見るにつれ、その認識は深まるばかりだ。

(;'A`)「もはや文化財レベルだろこれ」

俺の住むラウンジ荘は木造二階建てなのだがその木が全て腐っているのではなかろうか。
外観は全てどぶ色に染まり、傍にあるごみ捨て場にと一見見分けがつかない。

('A`)「……ん?」

ふと、一瞬だけ目をやったごみ捨て場に視線を戻す。
その先には



川 ゚~゚)モシャモシャ

生ゴミを頬張る青髪の女がいた。

21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:08:33.81 ID:4FbsdXfeO
(;'A`)…………

(ノA-)ゴシゴシ

(;'A`)…………

川 ゚~゚)モシャモシャ

('A`)…………

('A`)「よし現実だな」

精一杯の平静を装う俺。
戦わなきゃ、現実と。

とりあえず紳士としては事情を聞くべきだろう。
生ゴミを口にしなければいけないほど弱っているのかも知れない。
にしてはかなりスムーズな食事にも思えるが。

23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:15:30.24 ID:4FbsdXfeO
('A`)「もしもしお嬢さん、何かお困りですか?」

さりげなく近づきさりげなく声をかける。
まさしく紳士。紳士にして変態。
その態度には思わず彼女も振り返り――

川 ゚ -゚)「うるさい黙れ、気が散るだろうが」

そう言ってまた食事に戻った。
……大丈夫、泣いてない、泣いてないから。
頬を伝ってるのは男汁とでも呼んでくれ。

しかしここで引き下がる俺ではない。
押してダメなら引いてみろ、だ。
こういう人を放っておけない俺は根っからの主人公気質なのだろう。

25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:21:41.86 ID:4FbsdXfeO
('A`)「その髪キレイですね、地毛ですか?」

女は褒めればとりあえず喜ぶ。
我が青春の愛読書、ホットドッグプレスにはこう書いてあった。

川 ゚ -゚)「む、お前もそう思うか」

そしてこの作戦は好を奏した。
ありがとうホットドッグプレス。

('A`)「うんすごくキレイだよ。でもそのご飯はどうかと思うなー」

そしてそこからの話題転換。
ついでに距離を一気に縮めるという高等テクニック、さすが俺である。

27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:28:27.50 ID:4FbsdXfeO
川 ゚ -゚)「この食事か、確かに食べ辛いな」

ええそりゃそうでしょうよ。
林檎の芯をかじる彼女にそう言いたかったがすんでのところで飲み込んだ。

('A`)「良かったらうちでなんか食べない?一食くらいご馳走するよ」

こんなものを食べなきゃいけない事情など、ある程度絞られてくる。
身なりが清潔なところを見ると、ホームレスというわけではなさそうだし恐らく家出だろう。
飯を食いながら適当に話でもして、親御さんの連絡先でも聞くか。

28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:33:46.47 ID:4FbsdXfeO
川 ゚ -゚)「おおそれはありがたい、なら早速向かおう。どこだ?」

それにこの彼女はかなり可愛いし、家にあげるのも悪い気はしない。

(;'A`)「……ここの二階なんだけど」

川 ゚ -゚)「…………」

それでも何故か罪悪感があるのは何故だろうか。
俺がやってるのは人助けなのに。
いやまあこのアパートがぼろいせいなんだけど。

30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:39:51.54 ID:4FbsdXfeO



('A`)「はいお待たせ」

彼女と部屋に入ってから数十分後。
冷蔵庫の中身と、手軽でそこそこ旨いという理由で今日の晩飯はチャーハンに決定した。

川 ゚ -゚)「ふむ、良い臭いだ」

六畳一間の真ん中にある丸机に二つの皿を置いた。
彼女と向かい会うように座る。

('A`)「頂きます」

川 ゚ -゚)「頂きます」

俺に続いて彼女が言って、俺はレンゲでチャーハンを掬った。

川 ゚ -゚)「…………」

一方の彼女は無表情にレンゲを見つめている。

31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:44:45.71 ID:4FbsdXfeO
('A`)「どうした?早く食わないと冷めるぞ」

言いながらチャーハンを口に運ぶ。
うん、まあまあ良く出来ている。

川 ゚ -゚)「ああそうだな」

彼女も俺と同じようにチャーハンを掬って口に運んだ。
もしかすると作ってもらった側として俺が食べるのを待ってたのかも知れない。
だとしたら礼儀の出来た子だ。

('A`)(でもだったらなんで家出なんか……)

まあ良いか、それは後で聞けば良い
とりあえず俺はチャーハンを味わうことにした。

33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:50:50.47 ID:4FbsdXfeO
('A`)「ごちそうさま」

十分もしないうちに平らげてしまった。
彼女の方に目をやるとまだ四分の一ほどチャーハンは残っている。
意外と生ゴミが効いているのかも知れなかった。

('A`)「……ちょっと良いかな」

川 ゚ -゚)「……ん?」

俺が声をかけると彼女は――、そう言えば名前を聞いてなかったな。
まずはそこから聞かねばならないだろう。

('A`)「えっと君名前は……」

その時だった。

34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:51:42.22 ID:4FbsdXfeO










クークークー...クークークー...












36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 20:58:20.66 ID:4FbsdXfeO
(;'A`)「な、なんだ?」

何故かはわからないが背筋がぞわぞわする。
今聞こえたのは……鳴き声?
やたら甲高い感じの……

頭にショボンの言葉が浮かんだ。
確かにさっきの鳴き声らしきものは甲高くクーと何回か繰り返していた。
まさか青い鳥?馬鹿馬鹿しい。

川 ゚ -゚)「ん、名前がどうかしたのか?」

俺とは対照的に彼女は落ち着き払っている。

(;'A`)「ああいや名前を聞いてなかったなあと」

川 ゚ -゚)「私のか?私の名前はクーだ」

37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:02:57.35 ID:4FbsdXfeO
(;'A`)「鳥の鳴き声から持ってきた?」

飯を食わせて貰ったぐらいでは正直に本名を教えてくれないにしても、偽名が安直過ぎだろ。

川 ゚ -゚)「鳴き声?なんのことだ?」

(;'A`)「さっき聞こえただろ、やたら甲高くクークークーって」

川 ゚ -゚)「いや私には何も聞こえなかったぞ」

不思議そうに彼女は首を傾げる。
俺の聞き間違いだったんだろうか。
だとすると彼女の名前は本当にクーなのだろう。

38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:09:09.40 ID:4FbsdXfeO
('A`)「よしわかった。ならクー、家はどこだい?」

まあ名前など別に良い。
とりあえず彼女を帰すのが先だ。

川 ゚ -゚)「家か?こことは違う世界だ」

(;'A`)「…………?」

川 ゚ -゚)「なんというかまあパラレルワールドっていうと分かりやすいか?」

(;'A`)「…………??」

川 ゚ -゚)「私はそこからやってきた、次元を越えてな」

(;'A`)「…………???」

オーケイ落ち着こう。
クールになれドクオ。

40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:16:01.60 ID:4FbsdXfeO
まず、彼女はここの世界の住人ではない。
んで、彼女は次元を越えてやって来た。

はい、電波少女来ましたー。
殺風景な俺のお部屋が華やかなお花畑に!

('A`)「帰る方法は?」

川 ゚ -゚)「あるにはあるがまだその時期ではない」

ふむ、なるほど。
つまりクーはなんらかの事情で家出をしたのだろう。
もちろん別次元ではなく、この世界で、だ。

そして今はまだ帰りたくない、だからこうやって適当な嘘をついている。
俺はそう解釈して自分を納得させた。

42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:22:25.27 ID:4FbsdXfeO
('A`)「だったら泊まる場所とかないと不便じゃないか?」

川 ゚ -゚)「む、確かにそうだな」

('A`)「ちょっと待ってろ」

そう言って俺は財布からなけなしの三万を抜き、差し出した。

川 ゚ -゚)「…………?」

('A`)「これでホテルにでも泊まりな、当分は凌げるだろ」

読者諸氏の期待を裏切ってすまないが俺の部屋に泊めるわけにはいかない。
しばらくもやし生活になるだろうが良いだろう。
本来お金とはこういう使い方をすべきなのだ。

43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:26:33.30 ID:4FbsdXfeO
川 ゚ -゚)「礼には及ばんよ」

しかし、俺の紳士ぶりをクーは断った。

('A`)「なんだ、金は持ってるのか?」

川 ゚ -゚)「いやこちらの世界の金は無い」

回りくどい言い方しやがって。
金が無いなら無いと言えば良いのに。

('A`)「だったらいるだろ」

川 ゚ -゚)「いや私はここに泊まるからな、ホテル代は必要無いということだ」

44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:32:58.35 ID:4FbsdXfeO
(;'A`)「いやダメだろ」

川 ゚ -゚)「何故だ、無駄金を使わなくてすむのだぞ」

助けられる側にしては傲慢な言い口でクーが言った。

(;'A`)「何故って……ほらやっぱ男女だし」

そのうえ今日会ったばかりとくればいくら俺でも無理からぬことだ。

川 ゚ -゚)「私は気にしないぞ」

クーはなかなか引き下がらないが、俺も引けない。

('A`)「俺が気にする。とにかくダメだ」

46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:39:00.06 ID:4FbsdXfeO
川 ゚ -゚)「むー、ならばこういうのはどうだ?」

('A`)「なんだ?」

川 ゚ -゚)「私がお前の願いを叶えてやるからその代わりにしばらく泊めてくれ」

余りにも突飛なその発言に一瞬固まる。

('A`)「……なんだそりゃ」

川 ゚ -゚)「言ったままの意味だ。何か願いを言ってくれ」

わけがわからないにも程がある。
もしかして本当にこいつは電波なのかも知れない。

47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:46:43.10 ID:4FbsdXfeO
('A`)「はあ……、願いねえ」

しょうがない。声をかけたのは俺だし最後まで付き合おう
適当に無理な願いごとでもして金わたして帰ってもらうか。

川 ゚ -゚)「一つだけだからな」

('A`)「なら金をくれ、百万でいい」

結局俺の願いは一番シンプルで無難なものになった。
この部屋のどこをひっくり返したって、百万など出てくるはずがない。
これでクーには帰ってもらえる。

そしてそのクーはというと、さっき俺が差し出した三人の諭吉のうちの一人とにらめっこしていた。

川 ゚ -゚)「よし、それでは……」

顔を上げるとフッと軽く右腕を振った。

48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:49:23.78 ID:4FbsdXfeO










クークークー...クークークー...












50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/01(木) 21:54:10.98 ID:4FbsdXfeO
(;'A`)「またっ……」

かなり大きな音が甲高く響いた。
やっぱりさっきのは聞き間違いじゃなかったのか

川 ゚ -゚)「どうした、何かあったか」

しかし先程同様クーは平然としている。
そして彼女の右手には、


分厚い札束が乗っていた。
調度百枚ほど。

第一話 終わり

(’A`)青い鳥が鳴くようです
返信2009/10/06 12:05:11
  • 1('A`)青い鳥が鳴くようです jigendaddyjigendaddy 2009/10/06 12:05:11
    第一話「鳥が鳴く」 >http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1254391841/:title> 2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送り ...